第8話 復活
「寝起きにこの光はアウトにゃ!こいつ最低にゃ!」
「おぉ、温い……暖房みたい」
目も開けられない俺たちは、その地味にあったかい光に癒されながらも光が収まるのを待つ。
シュゥ……
光が徐々に薄くなっていく。視界が問題なく使えるレベルにまで回復すると、冠の姿は消えており、元々あった場所には人型の存在が立っていた。
その者の姿は、黒い長髪に銀色の目を持った美しい、一見男に見える姿をしている。
頭には例の冠を被っており、謎の人物はこの状況に深く驚いている様子で目を数度瞬き、俺たちを見ると納得したように目を閉じ……口を開いた。
『──嗚呼、ありがとう。私を目覚めさせてくれた慈悲深き者よ。私の名は暗夜の神クリムヒルト。情けない事に、悪魔なんぞに敗北を喫した大した力を持たぬ弱き神だ。だが、それでも…恩人に報いるだけの力はある。何か……私に出来ることはあるか?猫の者たちよ』
無事復活を遂げたクリムヒルトさん(自称神2)にあのクソ女神とは随分違うなと驚きつつ、俺は自身の欲求に従って言葉を発しようとし、思い留まる。
いや待てよ…これ、下手なこと口走ったらやばいんじゃね?仮にも邪神の例があるからな。
ここは慎重に──
「なら、人の姿になれるスキルが欲しい!」
行こうと思ったが、欲求には勝てなかったよ…… 。
「じゃあニャンは力が欲しいニャ!」
ルイはそんな俺に続いて言うが、こいつこんな戦闘狂いだったっけ?
「そりゃまた何でだ?」
「ほ、欲しいからニャ!別に、主を守りたいとかじゃなく…… 」
生暖かい目でルイを見る。
「そんな目で見るニャ!ニャンはただ強くなりたいだけニャ!」
憤慨するルイ、可愛い。
『ふふふ、分かった。その程度の願いであれば……この私でも叶えられる』
クリムヒルトは手を前にやり、何かの呪文を唱える。
パァァァ
暖かい光が俺たちを包み込む。すると── 。
ピロン♪
人化を獲得!
説明:人型になる事ができる。魔力消費はない。服は想像すればその想像通りのものになる。これは魔力で作っている為魔力消費あり。人化状態だと、戦闘能力が大幅に低下する。
おぉ!良いねぇ、これで人になれるぞ……!
期待以上のスキルに、俺は興奮する。
それと、疑ってごめんクリムヒルトさん、まじでクリムヒルトさん優しすぎる。あのクソ女神には是非とも、見習わせたいものだぜ。
『……っ!ふぅ、他に何かあるか?猫の者たちよ』
一瞬苦痛に顔を歪ませたクリムヒルトさん、無理を言ったのかもしれないと思い俺は焦る。
「無理しないで、もうゆっくり休んだ方がいいと思うぞ。後、スキルありがとう!」
『いや、感謝を言いたいのは寧ろこちらの方だ。ありがとう。本当に……では、私はもう休ませてもらおう。だが、これだけは覚えておいて欲しい。私は、先程の小さな返礼で……君たちへの恩を全て返し切れたとは思っていない。所詮、自己満足なのだろうが……次に会う時、その時に改めて恩返しをさせて頂く。では、また会おう』
そう言い、クリムヒルトは穏やかに微笑んで姿を消した。
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