閑話 ルイ視点
香ばしい肉の匂い、それに誘われ現在……ルイは肉屋の前に立っていた。
「お、猫の従魔か。どうした?肉の匂いに釣られて来ちゃったのか?」
そんな猫の前に肉屋から出た男が立ち塞がり、あろうことか……肉を食べたからなのか油だらけの手で頭を撫でようとしてきた。
「ふぅ!」
バシュ
当然それを猫パンチで払い除ける。油ギトギトの手で撫でてこられるとか、ただの嫌がらせでしかない。
「いっっってぇ!!ちょっ、力強すぎないか!?」
「触るならちゃんと手洗ってからにして」
「……へ?」
呆然としている阿呆を通り過ぎ、店の中へ入った。
「らっしゃい!って猫ちゃん!?」
受付らしき人は何故か驚いている。
旨そうなお肉がいっぱい……でも、これだと頼んでも集中して食べれそうにないニャ。
周りに注目されているし、基本人見知りな為落ち着いて食べれそうにない事に落ち込む。
!
ーーーあ、魔法袋で持ち帰ればいつでも食べられるのでは!
それに気づくと、受付らしき人に爛々《らんらん》とした眼を向けた。
「これでオーク肉ステーキとワイルドボアのローストビーフ、ロックバードの骨つき肉(etc《その他色々》……を頂戴!」
そうして早口で注文を頼み、支払いとして袋から金貨を取り出す。
「猫が喋った!?ど、どうしますか先輩!」
「おお驚くのも分かるが、誰であってもお客様だからな。れ冷静に対応して要望に応えろ。それがプロっていうもんだ」
「注文多すぎ!」
何やら慌ただしい様子になっている獣人たちをよそに、ルイは非常にゆったりしていた。
まだかにゃ、早く次のお店を周りたいにゃ。
しばらく待つ。
「へいお待ち!全料理お持ちしましたぜ!」
「ナイスにゃ!」
早速、出てきた料理を片っ端から魔法袋に吸収させていく。
「あ、あの袋……よく見たら最高級マジックポーチじゃねぇか!猫が何てもん持ってやがる!」
「それよりも、あの猫喋ってたよな!?」
場が混沌としてきた所で、全て吸収し終えると何も気にせずに外に出て、次の店へと向かう。
それから数件回った所で、少し考え込む。
色々回ったけど、お店の場所が分からないと不便にゃ。聞いてみるかニャ?
といった所で、道いく人々から色々な事を聞き……親切な人から地図を買う事に成功した。
これで迷いなく色んなお店に行けるニャ!
…………
結果として、30件以上を回ったルイは……エドル街で喋る猫として有名になった。
それと同時に、マジックポーチを狙う輩は全て撃退され、力もあると知られた事で誰がこの猫の主なのか。というのが多くの者の間で噂されるようになる。
もし当の本人がこの事を知ったならば、また面倒くさい事になった……と頭を抱える事になるだろう。
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