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第14話 街2



 どうしよう……いや。ここは強引にでも付いてきてもらうべきだ。でないと、今までのやり取りがパァァァになってしまう。


「大丈夫?」

「ッ!」


 俺は人目を気にし、異常を気づかせない為に心配を装って近づき、スキル癒しの波動(人類種に安らぎをもたらす)の効果を期待する。



「ほら俺怖くない……コワクナイヨ」

「ひっ、ゆ、許して……」


 このスキルはパッシブスキル、つまりは常時発動だ。これで効果があると良いんだが…… 。


「……私とした事が、取り乱しちゃったわね」

「あ、戻った?」


 効いたかは分からないが、癒しの波動作戦は成功したとみていいだろう。


「あんた、付いてきて」


 安堵していると俺は強引に手を引っ張られ、人だかりがいない所まで連れてかれる。人の居ない場所まで来ると、猫獣人は歩みを止めた。


「自己紹介がまだだったわね。私の名前はミーア、中級冒険者よ。後あんたの力……認めるわ。一体何者なの?」


 よかった……てっきり警察署?みたいな所に連れてかれるかと思ってた。内心ビクビクして損したぜ。


 だが、自己紹介か。こういうのって俺のラノベ知識によると、ファミリーネームを入れるのは貴族みたいな上の人だけだと思うんだよな。現にミーアさんはミーアしか名前ないし……だからこう名乗ろう。


「旅人をしてる。名前はルイだ。んで、こっちはーーー」


 と自己紹介したが、同じ名前……


「ルイ…どう名乗る?」


 俺は遠巻きに付いてきてた人見知り猫、ルイに話しかける。


「主はネコメって名乗ればいいニャ」


 あ……それもそうだな。一度名乗っておいてあれだが、訂正しに行こう。


「ごめん間違えた。俺の名前がネコメでこいつがルイだ」

「ーー自分の名前が従魔と混同するなんて事、普通あるかしら?」


 ん、従魔?


「従魔って何だ?」

「あら、知らないで連れてたの?従魔っていうのはそのまんまの意味で従う魔物の事よ。この街だと猫系、犬系の魔物が多いわね」

「なる程……ってそれ危険じゃないのか?」


 ルイについては全く確認されなかったし、こんなガバガバ警備じゃ魔物使って襲い放題だろう。


「そこは問題ないわ。ある程度高位の魔物になるとキッチリ検査されるの。検査されないのは弱い魔物だから危険性が薄い、というのが理由よ」


 ……確かに、ルイは見た目的には強そうではないし、普通の猫と同じ見た目だからね。


 とはいえ、外見だけで判断するなんてやはりザル警備と言わざるおえない。まぁ仮に調べられたとしても、偽造があるから大丈夫だろうけど。


「そろそろ良いかしら。今から行くつもりだけど、来れる?」

「問題ない」


 何処どこにも行き場ないし、金すらないしね。


「よかった。ならついてきて」


 嬉しそうな顔をすると、またもやミーアは俺の手を引っ張って街の外、森へと向かう。


「別に手を引かなくても逃げないよ」


 抗議したら「何か心配なのよ」と言われた。もしかすると俺は、ついて行くことすら出来ない人なのだと思われてるのかもしれない。




 

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