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第12話 強行



「言語の事なんて考えても仕方ないさ。それに『大体のことは、何とかなる!』っていう名言もあるだろ?作ったの俺だけど」

「……」


 ルイは、馬鹿を見るような目でこちらを見てくる。

 

 うん、俺も分かってる。でもね、仕方ないじゃん!ずっと放浪してるのは嫌だし、くぅ……どうせ馬鹿ですよ俺はーー。


「そういえば主、これあげるニャ」


 自虐気味になってた所、ルイは慰めのつもりか赤い果実を渡してくる。


「え?いいの?」


 鑑定してみると、それは猛毒だった。


ーーーーーーーーーー

名称:血濡れ果実 ランク:C

説明:見た目は普通の果実と変わらないが、非常に強い遅効性の猛毒を持っている。味は良い。

ーーーーーーーーーー


 何て猫だろうか。こんなヤバそうなもの、いくら腹が減ってるとはいえ到底食う気にはなれない。


 それを察したのか……


「主とニャンは状態異常耐性があるから食べても問題ないニャ」


 あ、そういえば……そうだったのか。


クゥー (腹が鳴る音)


 中々面白い鳴り方だ。だが、それなのに前に感じていた空腹はない、飢餓状態ってやつだろうか。だとしたら、一刻も早く食べて栄養を補給した方がいい。


 毒物だろうが、無効にできるなら問題ないな。入国は後回しにしよう。


「いただきマンモス」


シャク



 美味い…腹が最高に減った時こそ格別の味を感じれるというが、まさにその通りだ。それを抜きにしてもこれはかなり美味いぞ!


「何か既視感ニャ…」


 一心不乱に果実をむさぼっていると、腹が一杯になった。前の身体ならもっと食べれたと思うが、胃袋が小さくなっているのだろう。


「ごちそうさま。ご飯ありがとうな!」

「どういたしましてニャ……」


 いつにも増して、嬉しそうな雰囲気をかもし出すルイ。俺に向かって顔に出やすいなどと注意してくれた張本人ちょうほんねこのわりには、こいつも結構分かりやすい。


「じゃあ、行こうか」


 歩きだし、門にできてる列に並ぶ。並んでる獣人達のとなりにはたまに犬や猫がいたりする。どうやらこの世界でも、熾烈しれつな犬猫の派閥争いがありそうだ。


しばらく待つ。



 俺の番がきて、門兵が話しかけてくる。


「ar_(mypa'aw」


???


「ごめん、ちょっと何言ってるか分かんない」


 謎の言語に困惑した俺は、身振り手振りでジェスチャーを試みてみる。そうすると、門兵は慣れた手つきで銀色の腕輪を取り出した。


「tagva'.@gv」


 そして俺の手首に付けてくる。これは何だろう。シンプルな見た目でかっこいいが…… 。



「言葉、分りますか?」



「分かる!分かります」


 何と、言葉が翻訳された。これは……魔道具的なやつ何だろうか?


「なら良かった。では、入国料として銀貨3枚を出してください」

「え、銀貨……?」


 またしても非常事態発生だ。どうする俺……いやこれ、もうどうしようもなくね?一回出直すか?



「主、魔眼を使うニャ!」


!?


 そうか……ルイ。本当なら飼い主、いや…相棒として駄目だよ。と言ってやるのが正しいんだろうけど……ナイスアイデアだぁぁ!!!


 

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