追いかけっこ (しにものぐるい)!
「キュレネに会わなけりゃいいけど…… 」
まあ王都に行ったとして、人口密度や広さで考えてもキュレネに会う可能性はないだろう。
そう思い王都へ向けて瞬間移動で移動する
途中、河川沿いに魔物の群が集まり出しているのを見つけ空から火魔法で蹂躙するレベルアップご褒美があったが、ほんの数回の瞬間移動で王都を見下ろせる場所まで到着した。
しかし最近はレベルアップが遅いな……
道中の魔物退治でも、以前のような力が溢れてくる感覚が無い様に思う。
かなり強くなって、この辺の魔物退治じゃあ強くなれないのかな?
地上に降り立ち、何食わぬ顔で王都の貴族門にテクテク歩く。
「まて、ここは貴族様の専用門である」
しっかり仕事をしてくれている門兵さんに、領主であり貴族でもある父さんの書状を見せると、すんなりと通過ができた。
「貴族になると、こういう部分は便利だな」
屋台で串焼きを買い食いしながらプラプラと歩き回り王城の近くにまできた。
「さてどこで町の名前を登録するのかな?」
不審に思われたのか王城の前にいた総合世話係さん話しかけられ父さんから借りている貴族紋章を見せると近くにある貴族用の事務室を案内してもらえた。
事務室で再度、貴族紋章を見せて領主のサインが入った書類、町の名前登録料と手数料として300万円を払うとすぐに認証され門前払いされるように追い出される。
「登録は無事に完了したけど…… 俺らみたいな辺境の田舎モンには都会は冷たいなぁ…… 」
偏頗な対応をされたら普通の貴族の子息なら反骨心したくなるんだろうな!
俺は全くおもいませーーん!
ピロピロピー田舎者で結構でーす! 十分に楽しいでーす!
王城の前にいたコンシェルジュさんに苦笑されているけど大丈夫でーす。
…… 嘘です本当はちょっと悔しいです。空元気です。
冒険者ギルドと教会への人員派遣依頼も貴族名義で事務室から手配されるようで俺の仕事は早々に終わってしまった……
そりやぁ300万円も払ったんだから事務室にはしっかり働いてもらいますよ……
「さて、またなんか食べて帰ろう…… 」
気分が冴えない。王都の街まで降りて屋台を物色するとしよう。
辛い気分を吹き飛ばすように体を伸ばす。
背中の骨がポキポキと鳴り、ググーっと夏の暑い空気を吸い込む。
あーやだやだ都会は嫌だわ。旅先の野獣国はこんな国じゃないといいな。
…… 米が食べたいなと思うような濃い味付けの焼き魚肉を食べていると周りがザワザワと騒ぎ出し、その波がこちらに向かってくる。
ビューッという風魔法の魔力を感じ身構える!
───え?王都で戦おうとするバカがいんのか?
ドーン!という大砲のような音と共に、キラキラの服を着た女の子が俺の前に風魔法でスピードを落としながら降ってきた。
なんだこの美少女…… あ…… キュレネだこれキュレネだわ!
「何で…… ここにいるって分かったの…… ? 」
「愛の力…… 」
あぁー…… 言い切っちやうんですね……
めっちゃ俺を見る目がキラキラしてますがな……
多分、キュレネのスキル兄探索が成長して『なにか』になったんだろう…… じゃないとこんな広い王都で俺だけを見つけるなんて不可能だ!
「お兄ちゃんは…… なんで王都にいるの? 私に会いに来てくれたからだよね? 」
スッ…… 。と春に母さんの墓参りした時の虚な目をする…… これは答えを間違えたら……
「キュレネが心配で見に来たついでに貴族の用事を片付けようとしてな…… 」
「なんだぁ! やっぱり! ありがとうお兄ちゃん! 」
セーフ! 逆転ですわ! パズルがスコーンとはまりましたわ!
周りの人々が「貴族? 貴族なの? 」と再びザワつきだす。
「じゃあお兄ちゃん行こうか? 」
「え? 」
ギュ──────ンンンン…… と気温が下がる。
キュレネってば!この子!俺が教えた気圧の調整が風魔法でもう出来る様になったの!?
魔法センス良すぎじゃない!?
「え?ってくすくすくすくすくすくす…… 貴族の用事だよー! 私に会うついでに貴族の用事を片付けるんでしょー? ………… 私がついでじゃないなら…… 今から行こ? 」
コテンと首を傾けるキュレネの目が…… めっちゃ怖くて…… 俺は…… 俺はぁぁ!
「キャー! ごめんなさーい! 」
思いっきり逃げた!すみません!
「も〜う! お兄ちゃんやぁ〜ん ♡ ♡ ♡ !!」
キュレネは言葉の語尾にハートがつきそうな甘ーい声で追いかけてくる。
でも笑っていない…… あれは…… あれは……マジだ!
土魔法を使って階段を作り5メートル程駆け上がり風魔法でジャンプをする!
王族誕生日のモニュメントや人が凄い速さで後ろに過ぎていくこのスピードなら……
…… ドーン…… ドーン……ドーン!!
なにかの音が後ろから聞こえてくる。大太鼓のような……
ド──ン! …… ド────ン!
その近づく音に目をやると、キュレネが風を魔法で圧縮して大砲のように自分を打ち出している音だった!
「うっわ…… 早く飛び出し過ぎてキュレネの体から衝撃波が出てんじゃん…… 」
キュレネは自分に身体強化魔法をかけて人間大砲のように連続で飛んでくる!近づく!?
「顔が…… 笑顔かよ!!」
俺は空を走り逃げながら闇魔法で風を吸い込む黒い玉を作りキュレネに投げた!
「もー! お兄ちゃんったらぁー ♡ ♡! 」
キュレネはその闇の玉を風魔法で起こした気圧を作り使い捨ての盾のようにして一緒に上空に弾き飛ばす。
弾け飛んだ闇魔法と気圧風魔法は空高くに届き、雲を吸い込み雷電を起こし激しく光り輝く。
「お兄ちゃぁん♡? 」
「ヒィッ! 」
雷電の光のコントラストで、まるでキュレネの目が黒い穴のように影になる…… 怖いって!
その時、地面から土魔法の檻が生えて俺とキュレネの体を雁字搦めにした。
「なにしてるの? シノ? 」
カ…… カリスト様ぁぁぁ!!!
王都で警備をしていたカリストに捕縛された事より、キュレネとの追いかけっこが終了。
安堵の喜びがシノに満たされたのだった。
「シノ、これ逃げれるでしょ?」
「カリスト様、今逃げたらまた追われるので大人しく連行されますおねがいします」
耳を寄せてカリスト様と話すのを見ているキュレネの顔よ…… どうしたキュレネ?どうしたんだよ?
わら半紙にボールペン
細かい所が面倒になりゴチャッとしました。




