プレゼントは永遠に!
普通さ武器って工具を使って量産するじゃん?
俺は今、オスカー大公閣下の言う通りに[ボクが考えたカッコいい剣]を量産している。
子供の俺が工具を使わず武器を量産とか笑える。
オスカー大公閣下が昔から考えていた武器のデザインを俺が錬金術で形にする……
ジャンジャカ造る。
出来上がったカッコイイだけの剣で兵士が素振りをして使い心地を試す。
「大公閣下…… 剣は振りにくいですよー…… 」
「だろー? フハハハハ! 」
いや「だろー? 」は無いでしょ? 誰の剣を作っているんですか?
武門を志すオスカー大公閣下は鍛冶屋の大変さを知っている。
鉄を溶かして叩いて伸ばして研いで…… そこに使えない見た目だけの武器なんて発注できない。
じゃあ俺に錬金術で作らそうと昨夜に寝ないで決めたそうだ。
一晩考えたって! 子供じゃないんだから……
「イヤー! シノさ〜ん! 錬金術お上手ですねー! 」
「あ…… はい…… 」
誰だ? と思うが件の魔法の先生である。
俺が全属性魔法を使い、さらに錬金術を使った所で態度がおかしい事になっている。
もうね揉み手でヨイショしてしてくるんだけど、少しの間がありスッ…… と真顔に戻るんだよ。
多分…… 自分の中で折り合いをつけられない葛藤があるんだろう。
最初は「ざまぁみろ! 」 と思ったんだけど5回目ぐらいから気の毒になりだした。
この人はこの人の信念があったんだろう…… あっ! また…… ヨイショはもういいですよぅ……
年上の男性にペコペコとされていると地球で仕事していた自分と重なって本当に辛い。
「オスカー…… 私も作って欲しいんだけど…… 」
かなりグイグイと見てきていた王女様が踏鞴を踏んでオスカー大公閣下に逼る。
「いや…… 俺に言われても…… なぁ? 」
いや…… こちらを向かれても…… ねぇ?
一度、自分が俺との会話を拒否したので下位の貴族に自らが妥結は出来ないんだろう。
懊悩されるのも嫌だしなぁ…… 後で父さんに迷惑かかりそうだし。
先生もオロオロしてもう哀切だわ…… 仕方ないなぁ……
王女に俺から歩み寄り、片膝を地面につき頭を下げる。
「乞い願わくば…… 私に王女様への錬金術によるプレゼントを許して頂けませんか?」
パァーッと笑っちゃって王女様ってば可愛い事!
…… ゾクリ……!
殺気を感じる…… だと?…… どこだ?
後ろ…… 遠くにいるのか?
目に強化魔法を使い視力を上げて殺気の方を見る。
あぁなんだ…… キュレネか…… オスカー大公閣下の仮住まいの外から睨んでいるね!
…… なんだかんだ慣れてきたな。
ゾクゾク殺気を感じながら錬金術を使う。
とりあえず炭素を用意する為に土魔法を使い、地中にある炭素を取り出し手に持つ…… これは化石か?
「うん、これで大丈夫だろう」
独り言を言ってから全属性魔法を炭素にかけると炭素は七色に輝く…… イメージとしては2属性だけ強めに…… 闇魔法で圧力をかけて、火魔法で爆発を起こすように……
魔法の先生に思念体の話を聞いたから、思念体を体の中で意識をしてみると更に魔法の自由度が増したように感じる…… 楽しいわこれは!
でも圧倒的に魔法じゃぁ炭素にかける圧力が足りないな…… っていうか俺は超能力も使えるじゃん!
超能力は魔法の気配を感じられないからバレない!
念動力と闇魔法で炭素をさらに挟み込むように圧力をかける───ダイヤモンドにな──────れ!
ヒュンヒュンと七色の光が揺めき不要な物が粉になり辺りに散らばる。
残った塊が俺の手の中で形を整え、輝きが収まると見事な20カラット程の大きさもある人工ダイヤモンドが出来た。
「やった! やった! できたできた! 」
ちょっと凄くない? 金より凄くない?
テンションをあげながらオスカー大公閣下に作っていた剣の装飾素材を掴み手に取りダイヤモンドと一緒に錬金術で錬成すると…… 見事なダイヤモンドのブレスレットが完成した!
「ほ…… 宝石を…… ダイヤモンドを作ったというのか? 」
オスカー大公閣下が言葉を詰まらせる中、黙礼をして王女様へダイヤモンドブレスレットをお渡しする。
うっわ! めっちゃ王女が真っ赤になって微妙な顔をしている。
「あ…… りがとう? 」
「おいおい…… シノーン…… いかんぞ」
「はい? 」
「いかんいかん…… おい! 」
オスカー大公閣下が焦って大金が入った袋を臣下のセバスチャンに持ってこさせる。
「これで今、ソレを買ったという事にしろ! 全く…… この国でダイヤモンドを送るという事は愛を示す事になるのだ…… 」
「うぇっ……? 」
「しかも王女が、それを手渡しで受け取れば婚姻の証になる…… いいな? シノーンこのブレスレットは買ったのだ! いいな? 」
もうね…… 頷きまくりですよ!
ステータスに任せてブンブン頭をヘッドバンキング!頭を振って振って砂埃が出るぐらい振りました!
危ねぇ…… そういえば地球でのダイヤモンドも永遠の愛だったわ…… 怖い怖い……
シノーンは王女が顔を赤くしたのが冷めないのも見ずに、ダイヤモンドを作った事が政治的にどういう意味があるのかも知らずに、ただただ首をブンブン振っていた。
─────っつ!!! 殺気が強まった!?
キュレネ!? 魔法を練ってない?
恐怖の午後はまだ終わりそうにない……
◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎
ペコペコしてスッと真顔になる感じです。




