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魔法の正体はSFでした!




 オスカー大公閣下(オスカーさま)の屋敷から出てから、キュレネ()に杖で痔攻撃(パイルズアタック)された。

 そこで、怖いからスグに回復魔法で(なお)している所で王女警護隊(シークレットサービス)に捕まってしまった。


 「うぇーっ悪い事はしてないよぅー 」

 という間抜けな反応をしてしまうが、王女警護隊(シークレットサービス)に冷たい目で(さげす)まれながら手紙を(わた)される。



 封蝋(ふうろう)に王室の印璽(ハンコ)が押された正式な物で宛名(あてな)父さん(オーディオ父さん)さんになっていた。

 こりゃいかん…… 王室からの手紙は適当に扱うとそれだけで犯罪になるので急いで父さん(オーディオ父さん)に届けに戻る。


 「ウオ──────! 」

 それを受け取った父さん(オーディオ父さん)雄叫(おたけ)びをあげて喜んだ!


 王室からの正式な手紙なんていうのは、貴族社会ではそこらにある宝石に(まさ)名誉(オナー)だ…… もう父さん(オーディオ父さん)たら走り回って喜ぶ。


 どうどうと父さん(オーディオ父さん)を落ち着かせて手紙を開くと分かりにくい文章でネチネチと書かれた内容にゾッとする。

現代風にすると


 [あーやだやだ!オマエみたいな平民の出のなんちゃって貴族なんかは近寄(ちかよ)って欲しくもないけどさー。


 やっぱ王女がレッスンするなら引き立て役がいるじゃ〜ん?ニヤニヤ

 優秀でメチャ可愛い王女の吐息(といき)さえオマエのクソ田舎貴族のガキに()れさせたくはないけどさー!

 まぁ今回だけ? 仕方なしに今回だけはー! な? 分かるだろ? 絶対に来させろよ?分かったな?]


 …… 王女様の午後の魔法レッスンに一時的な御学友として俺を招待するという内容である。


 いや、普通に嫌ですよ。どんだけの価値もないなら呼ぶなよ!

 「ヤダヤダヤダ…… 」

 「お父さん…… お兄ちゃんもこう言ってるし」


 そうだよね!キュレネ!駄々(だだ)ぐらい()ねさせて下さいよー!


 「いやぁしかしな…… キュレネ…… 」

 「嫌なの…… お兄ちゃんに王女様の吐息がかかるなんて! 恋に落ちたらどうするの! 」


 いやそっちですか……


 結局、犯罪者になるぐらいなら我慢しろよ!な!な!?と父さん(オーディオ父さん)におねだりされて参加する事になった。

 息子と王女が御学友ってだけでも箔がつくらしい。いやらしいねぇ……



 はぁ…… 貴族社会はめんどくさいなぁ…… やっぱり冒険者だわ……


☆★

 魔法のレッスンはオスカー大公閣下(オスカーさま)仮住(かりず)まいであるログハウス (特大)の前に綺麗な天蓋(かさ)を広げその中に机や椅子を持ち込んで行われた。


 「えーっと…… 王女様、この少年と一緒にレッスンを行うという事でよろしいでしょうか? 」

 初老の男性がおずおずと(たず)ねる。


 うん、先生にめっちゃ嫌がられているね。


 「本当は王宮の関係者にしか教えはしないのですが…… 仕方ありませんな…… それではゆるりと開始します」

 初老の魔法の先生は王女にお辞儀をして、こちらにも頭を下げる。


 あれ? 俺も下げてくれるの? と返礼(へんれい)に頭を下げる…… けど、先生の目線からして違うわ…… 俺の後ろで授業を見ているオスカー大公閣下(オスカーさま)に礼をしたんだ…… 徹底して無視されているな。


 まぁそれなら、それで楽だからいいけど……


 先生はもう一度、王都の方角に遥拝(ようはい)して話を始める。

 これが意外に興味深い話だった。


 ────「昔は呪文を(つむ)がなければならないと思われていた。

 それは涵養(しみこんだ)水を井戸から汲み出すように魔素も"どこか"にあり呪文で()み出す必要があると考えられていたからです」────


 ほうほう…… 確かにファンタジーな世界なのに呪文使ってないな。


 ────「ある所にフィルという男…… わが国の先代国王であるフィル様ですが、北の果てにあるロイン山である出会いをしました。」────


 王女様は固唾を飲む。この話は初めてだったようだ。


 ────「それは宇宙という…… 空の果てにある場所から来た思念体(しねんたい)でした」────


 はい! SF(サイエンスフィクション)っぽいのきた!

  いやよく考えたら俺も違う星に移住したようなもんだからSFか?


 いや虚構(フィクション)じゃないから宇宙科学か?メンドクセーからSFでいいや!



 ────「その思念体は自分達の事をフィル様の頭に語りかけた。

 我々は棲家(すみか)である星が死する時に、転地(てんち)を求めて旅立ち…… 長い年月を経て体が()ちてなくなり、体の中にあったガスのような物が残ったのだと」────


 「先生…… ガスとはなんでしょうか? 」

 王女がたずねる。

 そだねガス分からないよね! まだ小さいしね!


 「ガスとは空気のように漂うものです…… 体がガスになっても生きていたのはその、思念体の元の体や魂が我等(われら)の言うところの『魔力の塊』で出来ていたからじゃった。」


 魔力の体? 存在自体があやふやな宇宙生物だったのか?


 ────「その思念体は遥か昔に、この星を見つけて宇宙を航る船をロイン山に着けた…… 長い旅路の果てに辿り着いたと思念体は喜び、宇宙を航る船の扉を開く。


 すると、この星にある空気という物と星から逃げた大勢の思念体の魂や魔力のガスの体が、音より早く()じり合い膨大に膨れながら拡散してこの星を覆ったという」 ────


 うぇー結構なSFだな……


 ────「思念体の体や魂の混じり合った空気を、この星の生き物が吸収して生まれては死に─生まれては死に…… を何世代も繰り返して魔力が体の一部となったんじゃ」────


 …… という事は魔法の力や魔素は宇宙生物の()れの()てという事か?だからこの星に生まれた人間だけは魔法が使える…… ?

 神様は知っていたのかな?


 ────蝶野くーん。ワシも知らんかったぞー


 神様また見てたの? ってか心の準備してないのに話しかけちゃメッよ!神様、メッ!

 笑いを噛み殺し先生の話が終わるのを待つ。


 「つまり呪文は意味がないんじゃ…… 体にいる思念体に思いを伝えて、魔法を使う。意思の力が魔法の発動源になるんじゃ」


 おーっ!と拍手をしてしまいキッと先生に睨まれる。

 王女様…… バーカはないでしょ? (はした)ないと思いますーぅー!


 しかし魔力の正体は分かったが…… なんか気味が悪いな…… 体の中に思念体か…… その山に行って会ってみたいな……


 魔法の先生は、以降(それから)は思念体が現れる事は無かったと話を締めくくった。



 なかなか楽しい座学だったが、次の実技のレッスンでやはりシノはやらかしてしまうのだった。

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