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メンドクセープリンセス!




 「オスカー! この町は異常です! なんで部屋がこんなに明るいのですか? 」

 「それは電気があるからだ!」

 ドャアアアァァ!という顔で説明するオスカー大公閣下(オスカーさま)に俺は優しい目を向ける。


 ウフフ筋肉おじさんったらカッコつけたいのね……


 「あの、頭ボサボサの男の子は何をしてるのですか? 」

 「れ…… 錬金術だと…… 思います」

 「錬金術とかバカにしないで下さる!?いつまでもこんな町を逍遥(しょうよう)するから騙されるのです!」

 むぅっ…… と、こちらを見る。でも()って来なーい!やーい! やーい!



☆★

 キュレネの杖を錬金術で作った後…………

 いきなり登場した王女(プリンセス)に驚いたが


 ──俺…… 一応は貴族だったわ。


 と思い出しプリンセスから数メートル離れた所まで進み(ひざ)を地面につき頭を下げた。

「王女様お(おこ)し下さりありがとうございます」

一応はねやりましたが、完全に礼儀作法を間違えているだろうが、やらないよりやった方が良い…… ハズ


 チラリと王女様を見ると…… あらやだ…… (イヤ)ーな顔をしておられる。


 「オスカー…… これは? 」

 え? 人を"これ"って呼ぶの? 流石(さすが)プリゥィンセスゥ……

 「この領主の息子であるシノーンだ 」

 王女はフーンとこちらも見ずに鼻を鳴らす。


 「下級貴族の(ごと)き者が…… 口を聞くのも嫌だわ…… 下がりなさい」


 いやっほほーい!

 権力めんどくさーい! 喜んで話しませーん!


 一生懸命に悲しむ顔をしながら後ろに下がるとドワーフがボソボソと話す。

 「あれは笑っとるな」

 「ああ笑っておる」

 「肩を震わせているわ」

 なんだよ…… 悲しいよお前らからの信頼のなさがな!


 「お兄ちゃん…… そんな嬉しそうな顔をしなくても…… 」

 いや、なんでみんなにバレてるの?

 俺のポーカーフェイスはガラスか?

 裏側からでもミエミエか?


 とにかく王女(プリンセス)オスカー大公閣下(オスカーさま)(まか)せてその日はお開きになった。

 仕事もしないくて済んで全てラッキー!


 田舎貴族の領主館に泊まるのを嫌がって王女(プリンセス)オスカー大公閣下(オスカーさま)の屋敷に泊まる事になった。

 オスカー大公閣下(オスカーさま)に町の滞在用の屋敷を作っておいて良かった!


 夕食時に「あ、そう言えば今ウチの町にオスカー大公閣下(オスカーさま)王女(プリンセス)がいるよー」


 と言った時の父さん(オーディオ父さん)の顔を母さんに見せてやりたかったよ。

 あまりのストレスにシクシク泣いたんだぜ?


 微笑(ほほ)みながら父さんの背中を(さす)ると

 「ヒッ! 悪魔! 」

 だってさ! よほど悪い顔で笑っていたんだな…… グスン



 翌朝、早くにオスカー大公閣下(オスカーさま)にお呼ばれして最初のセリフになった。


 魔力量アップと錬金術の精度を上げる為に小さい鉄と銅をいつも持ち歩いている。

 それを鳥の形にしたり、本来は混ざりにくい二つを錬金術で混ぜたりと様々な手遊びをしている。


 この練習のおかげで、(わずか)な時間で魔力量が上がっているのを感じる。グンッグンきてる。



 「はぁ、オスカー…… なぜボサボサ頭が居るのです?」

 俺の名前がボサボサで確定したのだろうか?


 「シノがこの町の発明を全てした賢者だからだ! 補足説明にはヤツがいないと俺には意味が分からん」


 ワッハッハと笑う大公様を王女が睨む。

 しかし可愛いな王女…… 性格がアレでなければなぁ……


 美しい銀髪に大きな目、動かなければ人形と間違えてしまうんじゃないか?


 「オスカー大公閣下(オスカーさま)、どうやら私は王女様に嫌われているようです…… なので早々にですが退散させて頂きます」

 ふへへへ逃げよう逃げようっと!さっさと屋敷から退去した。



 ───いやー外の空気が美味い! 今日はこのまま仕事をサボろう!


 「いやーこれもある意味で王女様の御陰様(おかげさま)だな…… 王女様、メチャクチャ可愛いんだけどなーあの性格はなー……」


 そう(つぶや)くとブツッと何かが尻に刺さる

 「痛っっ…… キュレネ!? 」


 ハッ! 今の独り言聞かれてた?

 すっごい怒ってるよね?

 「お兄ちゃん…… 王女様が好きになったの? 」

 「いやいやいやいや違いますってー! 」

 ジリジリとキュレネが俺がプレゼントした杖の尖った方を向けて近づく。


…… キュレネさんその杖でちょっと刺したよね?

俺の大切な尻を……



 「お兄ちゃんが王女様と結婚したいとか言うなら……(いと)わない…… !」

 「いや厭ってよ! 」

 面と向かって(だいじに)しないと妹に言われちょっと地球のクズ妹を思い出すシノだった。



☆★


 「オスカー…… 」

 「何だ? 」

 「私も近くで錬金術が見たい! 」

 王女のワガママに正直「何しに来たんだコイツ」とオスカー大公は思った



 「じゃあ…… とりあえず話でもしろよ…… 」

 「嫌よ、私から歩み寄るみたいじゃない」

 うわーメンドクセーという顔をしてオスカー大公はしばらく考える。


 「ならよ、今日の昼からの魔法のレッスンにシノを呼んだらどうだ? 先生を(かい)して話ができるかもしれねぇよ?」



 こうして楽しみにしていた午後のシノの休みが消えた。




◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎◻︎


王女


挿絵(By みてみん)


あくまで顔があると覚えやすい為のイメージなので

よろしくお願い致します。

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