武器の訓練の開始!
「シノ様いきますよ! 」
「はい!お願いします!」
俺の武器と武術の訓練が9歳になり開始された。
異世界人としては遅すぎるぐらいだが父さんが村長になったり、俺が色々と発明した商品の管理だったりと…… 主に俺のせいで父さんは忙しく机に齧り付く日々となり訓練らしい訓練は出来ていなかった。
父さんそういえば忙しすぎて筋肉が小さくなってきたような…… ゴメンね父さんウッフウッフフー
そこで、どうしよっかなぁーとドワーフのおっちゃんに相談するとのドワーフのシートさんが訓練を手伝うと手を上げてくれた。
ドワーフは武器を作り、その鍛錬状態を見極めたりするので一通りの武器を使える万能選手だという。
腕がいいドワーフほど、その武術の質は良い。
重い武器・軽い武器・特殊な武器・オーダーメイド
その全てを冒険者や騎士に確認しながら鍛錬する。経験値がヤバいのだ。
うちの仕事場にはドワーフがたくさんいる。もう、集まりまくりで髭だらけ。その中で一番強いのがシートさんだ。
そう、エンジンのリーダーになった|男の中の男《a man of power》それがシートさんなのだ。
俺も神様の加護があるので訓練すればするだけ上手くなるし、申し出はありがたい。
昔、日本の会津藩では武芸十八般を全て鍛えたという話もある。何があるか分からないこの星でもオールマイティーに武器を使えるのは有利な事だろう。
「シノ様は飲み込みが早い」
「ありがと! 」
家の裏庭で木剣を合わせながらシートさんと睨み合う。
シートさんに子供なのに力負けせず対応出来ている事に周囲の野次馬から「おお」と感嘆の声があがる。
そりゃあアホみたいな魔力量を使って身体強化しているからね!
しっかし、攻撃が重い!あれ?このジジイ俺を殺す気じゃないだろうな?
「オラァ!」
木剣を押し返し風魔法をシートさんの軸足に吹き付ける。
「ぐっ! 魔法か! 土よ! 」
シートさんが俺の不意打ち魔法に蹌踉けた!
「そこだ!っ!硬い!?」
がら空きになった胴体を木剣で斬ろうとしたらシートさんは自分の下半身を強引に土魔法で埋もれさせ自らを固定する。
下半身を蓑虫のようにしたシートさんはグイッと変則的だけど力強く木剣を水平にスイングして俺の攻撃を弾き飛ばした。
「痛ってぇ…… 」
弾かれた事で腕の全てが痺れ痛がる俺の首筋にシートさんの木剣がピトリと沿い止まる。
「いやー本当にシノ様は9歳ですか? 人族にしたら恐ろしい才能がありますよ」
これは、強い負けたわ。
両手を挙げて降参のジェスチャーをするとシートさんは木剣を俺から外し手を差し伸べる。
「いや参った…… まだまだだよシートさん。これからよろしく!」
パチパチと野次馬から拍手があがる
…… おい何で金が行き交ってるんだ? 賭けたのか? ねぇ賭けたの?
てかおまえらは仕事しろよ!
シートさんさんは俺に剣だけではなく、棒術・斧・ナックルガードや籠手を着けての武術一般を教えてくれるそうだ。
本当にありがたい。
…… ん?なんか視線感じるなー?
怖いなー怖いなーゆ う れ い か な?
グルグルと頭を回して視線の元を探る。
え? なんで父さんたら窓から寂しそうにこっちを見てるの?
「私も教えて欲しい」
父さんの奇行に唖然としていると、キュレネがまさかの参戦。
「キュレネちゃん、女の子なんだしどうかなぁ?」
あ、シートさんキュレネは"ちゃん"付けなんだ。
「私も強くなっておかないと将来お兄ちゃんの足手纏いになるから…… ダメ? 」
コラコラ野次馬ニヤニヤすんな!
何か勘違いしとるぞ?キュレネは妹!…… 血は繋がっていないけど。
シートさんはキュレネの真剣さを見て頷き、彼女に対しても武術の手解きが始まった。
キュレネは魔法主体なので棍術を習う事になった…… うん、よく考えると魔物と相対するかもしれないからな、確かに練習しておいた方がいいかもしれない。
「強度がある杖を将来的に使った時に棍術が一番役に立ちますから」
なるほどシートさん、ちゃんと妹の事を考えてくれてるぅー!!
あ!父さんとうとう泣き出した……
「娘まで…… 娘まで」と嗚咽が聞こえてくる。
コラ野次馬! 人の父親を見て失笑すんな!どっか行け!
くそぅ…… くそぅ
く…… ぷっくすくすくすくす
ごめん…… ん…… 父さ…… ん
ぷすっくすくすくすくすくすくす
「アンタいい性格してるわね」
「ヒッ!母さん!?」
プークスクスクスと笑っていたら母さんに見つかる。ウチの両親ってさラブラブなのよね!
「シノまて!コラ!親に対する顔じゃないわよ!」
「いや、待てないっス!なんすかその麺打ち棒?折檻反対っす!」
俺は逃げたよ!へへへい!
それからしばらく母さんと追い駆けっこをした。
村の外まで駆けっこをして魔物の群れと偶然にエンカウント。一緒に魔物を倒すという思い出深い日になった。
「母さん強いね」
「シノ、アンタは…… はぁ、ホントに良く出来過ぎた子だわ。」
母親の笑顔ってのは、前世も含めていいもんだよ本当に。




