ステータスは確かめないと!
地図の値段を調べた後、ちょっとね…… 考えがあって久しぶりにトロスの教会に来た。
ステータス…… 魅惑の言葉…… 自分の力が数値化されるのは怖いけど俺は神様の加護があるから絶対に成長する前提がある。楽しみで仕方ないのだ!
え?何が言いたいのかって?ステータスを見たいんですよ!
教会はまだ昼日中の為か、神父と長椅子で座りながらコックリコックリと転寝をする婆ちゃんの2人しかおらず閑散としていた。
「これはキュレネさん!こんにちは」
「こんにちはー!」
この神父…… 露骨に美少女だけみてやがるなこの破戒僧め……
キュレネは俺の妹だぞロリコン野郎。
キュッとキュレネの手を握ると、キュレネはハッとした顔をして俺に微笑む。
その行動に気がついた神父と、目が合うのに無視される。なんだコイツ。
キュレネと神父の会話は、神父がグイグイくるので続く。
「今日はお父さんとお母さんは?」
「村長になったので忙しいみたいで今日はキュレネと散歩してます! 」
どや!無視すんなや、オラ子供営業スマイルだぞ!
「…… 」
「…… 」
何か言えや、神父は話すのも仕事だろうに?
「あ…… あの、父さんは村長になったので忙しいみたいで今日はお兄ちゃんと散歩してます……? 」
「ああ!そうですか! 確かにお父様が村長になった事を噂で聞きましたね! 」
なんだと…… ?
完璧無視で無かった事にしただと?
やっぱりロリコン変態じゃないかコイツ!
チロチロ俺を見るんじゃねえ変態。無視するなら貫き通せよ!
「あ、そうだ!見て下さいキュレネさん! 水晶の壁が新しくなりましたよ! 今回はちょっと性能が良い物を教会本部から賜りました!綺麗でしょう? 」
「はい…… 」
ささっとキュレネに水晶の壁を勧める変態。
手を繋いだままだから俺も…… 睨むなや変態神父。
こいつ…… ステータスを確認して教会本部に聖女候補のキュレネのステータスを提出したいんだな?なんでコイツがあの神様の僕として働けるのか疑問だな。
でも、まぁキュレネのステータスは気になるな…… 俺との訓練でどこまで強くなったかな?
前回、母さんが諸事万端を終わらせているので、そのまま然も当然のように神父に促されてキュレネは水晶の壁に触れた。
キュレネは名前を登録しているから触れるだけでいいのか。それともただの特別扱いなのか。
以前と同じで水晶に触れた所から眩い光が教会に充満し思わず目を瞑る。まべー!
しばらくして光がおさまるとキュレネのステータスが水晶の壁に表示された。
キュレネ
レベル:25
種族:人間
年齢:7
性別:女性
職業:遺児
体力
300/300
魔力量
1500/1500
魔力
800
筋力
100
敏捷
150
○適性魔法
回復魔法
火魔法
風魔法
○称号
お兄ちゃん凄く大好き
○スキル
兄探索
○固有能力
嫉妬の種火
「おお…… これは…… やはりキュレネさんは聖女様なんでしょうかね!?」
顔を油テカテカにしながら興奮して神父様が叫ぶ。
…… ほほぅこりゃあたしかに凄い。
前に俺が勝手に水晶で調べたステータスに肉薄しているじゃないの…… 俺、神様の加護を受けてるんだぜ?それに近づくって妹すごくない?
しかし…… 意味が分からない言葉があるな。
「…… 称号とスキルは何だこれ? 」
俺の漏らした言葉でキュレネは顔が真っ赤になる。
じわりとキュレネと繋いだ手に汗を感じる。
「キュレネ?」
「ひゃい?だめお兄ちゃん見ないでぇ…… 」
キュレネは素早く手を引いてステータス表示を消す。
「…… 家族…… としてだよ?」
「そりゃあ、わかってるよ」
孫より好かれるとはありがたいんだかなんだか……
ハハっと苦笑するとキュレネはさらに赤くなって俯いてブツブツと言い出す。
「この鈍感兄…… でも好き家族としてだよ…… 嘘だよ好き」
「え?何?」
「…… 何でもないよお兄ちゃん!」
キュレネの笑顔に神父が顔を顰める。この人もしかしてキュレネを使って教会の幹部になりたいとかかな?気持ち悪い。
しかし、このステータスで壊れないなら俺も試したいな……
「神父様、魔物の素材とかどこかで買い取ってもらえたりしますか?」
とりあえず神父様を遠ざけるかな。この人がいると騒ぎになるだろうし。
「…… 」
「…… 」
「…… 」
「チッ!………… キュレネ、換金を頼む」
キュレネにに崖で倒しまくった魔物の鳥の素材が入った袋を渡す。
「えっ?お兄ちゃんと離れたくないんだケド…… えっと…… わかった…… 神父様、魔物の素材とかどこかで買い取ってもらえたりしますか?」
「はいキュレネさん!冒険者ギルドで買い取りがされていますよ! 私も一緒に参りましょうか!それがいいですね!」
もうここまでくると清々しいよホント。教会の言葉に全的堕落というものがあるが、この神父はその体現者みたいなヤツだな。
「行ってらっしゃいキュレネ」
「え?お兄ぃちゃぁ〜ん…… 」
神父とキュレネが教会から出たのを確認してパタリと教会の扉を閉める。
さて俺も水晶の壁に触れるかな。
名前の登録は嫌なので、今回も無言で水晶の壁に触れる。
「あれ?前みたいな光が出ないな? 」
そう思って触り続けると七色の光…… 地球で言うならCDの記録面のようにキラキラと揺らめき出す。
うねり、ゆらめき、キラキラとオーロラのように光が天井から降り注ぎ俺を包んでいく…… ああ、神様やりやがったなと俺は勘づいたよ。
演出が大袈裟すぎるよ神様、綺麗だけども!
俺の心の苦情に反応するように、キラキラとした輝きが収まり、水晶に俺のステータスが表示された。
名前不明
レベル:100
種族:人間
年齢:7
性別:男性
職業:神の加護を受けし子供
体力
2000/2000
魔力量
15000/15000
魔力
8000
筋力
500
敏捷
400
○適性魔法
全属性
魔法の定義内での追加の習得が可能
○称号
神の加護
文化の躍進者
○スキル
知識ファイル
高速移動
○固有能力
超能力
あれ?
なんか凄い事になっているけど…… いや比較対象がないから分からないか…… これは凄いのか?
そんな事を思いながら水晶をマジマジと見ていると何か異音がする?
──────ビキビキビキ!
前回と似た音だからすぐに気づいた。コレ、水晶の壁が壊れる音だわいな!
あ、またかよ…… ヤベーなぁ…… この水晶の壁って神父が自慢していたから貴重なんだろうなぁ。うん、弁償とかなったら地図どころじゃないな…… よっし!早く逃げよっと!
教会の外から人が焦って走り来る音に気付き、俺は慌てて瞬間移動を使って教会の上空に逃走した。




