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買いたいものがあるんですよ!

 「キュレネちょっとトロスの村に行こうか!」

 「ホント!?」


 蒸気機関はやはり莫大な富を生み出し被服(きるもの)も綿花の栽培から縫製へと文化産業も移り変わりより良い物になり出した。


 文明万歳!お金ハラショー!


 ウチの家は村に莫大な利益をもたらした事で村民が徹夜で話し合い嫌がる父さん(オーディオ父さん)母さん(キルケ母さん)が睨みつけて…… 父さん(オーディオ父さん)は村長になった。


 うぇっへっへっ仕事しろぉ!父さん(オーディオ父さん)


 魔物避けの(へい)がぐるりと巡らされているので人口の増加は多く認めれないが、塀の外には個人商人や隊商(キャラバン)が常駐しジャカジャカと金を落とす。マネーラッシュやで!


 富める村長、息子にお小遣(こずか)いをめっちゃくれるようになったでござる!



 「お兄ちゃん本当にトロスに連れて行ってくれるの?」

 俺が(うなず)くとキュレネ()は嬉しそうに飛び回る。


 うんうん楽しそうで何よりだ!そして父さん(オーディオ父さん)母さん(キルケ母さん)にバレたら面倒くさいから小さい声にしようか?



☆★

 崖にいた鳥の魔物(ステュムパリデス)乱獲(らんかく)した結果、自分でも引くぐらいにレベルが上がってしまっている。


 それに加えて神様の加護もあり少し前では出来なかった事が楽々に出来るようになった。


 空中で身体強化の魔法を、マイムマイム訓練の要領(かんじ)キュレネ()にも(ほどこ)す。


 この作業は瞬間移動(テレポート)に必要な事なのだ。


 ホラ、キュレネ赤くならないで両手を(つな)ぎ合った方が付与しやすいから、そりゃあお兄ちゃんと手を繋ぐの恥ずかしいかもしれないけどさ!


 「よっと! とっとー!」

 超能力の瞬間移動(テレポート)キュレネ()を抱えたまんま、前より長い距離で連続で使う。


 魔力が上がり身体強化の精度が上がったのか長距離瞬間移動(テレポート)をしても全く負担がなくなった。もうちょい長く瞬間移動(テレポート)したら危ないかも…… もっと強くならないと……


 連続瞬間移動(テレポート)で空を駆けていると目的地のトロスの街に到着した。


 「え? もう? 」

 キュレネ()のクリクリの目がさらに見開き心底と驚く。

 馬車て数時間かかった距離をだいたい20分程で駆け抜けてたからだ。


 「んーまだ魔力量には余裕あるぞ! 」

 「ホントお兄ちゃんはズルい…… 」

 地上に降りる時にキュレネ()がキュッと強く抱きしめてくる。ブラコンだなぁ…… 悪くはないけどお兄ちゃん、キュレネ()の将来が心配だよ。



 あれ?随分(ずいぶん)と人が多いな……トロスの町の門をくぐり見渡して聞き耳を立てると、ウチの村の蒸気機関が目当ての商人がかなりトロスに集まっているみたいだ。


 これからウチのお客さんになるのか…… 感動するなぁ……


 「お兄ちゃん?」

 「ああ、すまない。とりあえず買い食いでもして歩こう」

 いい匂いにつられフラフラと食べ物を買い(あさ)る。今の俺はこの星で一番自由な子供んじゃないだろうか権力と無縁だから縛られないしフラフラ食べれて金がある。


 あー俺って何ていやらしい子供なんだー

 大人になりたくねぇなぁー

 魔物と戦いたくねぇなぁー

 

 この平和が惜しくて現実逃避してみた。

 現実はつらいなぁ…… やる事が多すぎるし危ない事もたくさんある。


 でも家族といつか天国で会うんだと思えば頑張れる。

 

 「うん、うん」

 そんな事を屋台の串肉を食べながら考える。あぁ、妻と孫に会いたい……


 「ふぅーもうお腹いっぱい」

 キュレネ()がお腹をポンポン叩いてギブアップ

「そうだなお腹…… いっぱ…… 自主規制」


 ぼーっと考えながら機械的に肉を食べていたから、気づいた時には肉の脂でやられていて、めっちゃ()いてしまった。


 高速道路のサービスエリアにある脂ギトギトの肉がこの星では普通だから食べすぎると…… いかんな…… こういう食事も改革できたらいいな。


 まだフラフラする俺をキュレネ()が優しく背中をさすってくれる。天使かこの妹は。

 「キュレネ…… 」

 「(なぁに)? …… えっとなんでアンデットみたいに近づくの?」

 キュレネが体を引く……

 違うんだ口を()くものが欲しいんだ。


 うっ…… 気持ち悪い……



☆★

 「お兄ちゃんトロスの街に何か欲しいものあるの?」

 「うん、雑貨屋があったハズだから地図が欲しいんだよ」


 そう地図!

 地図があれば行動範囲が広がる。世界が広がる!


 地図を見ながら、行きたい町や都市の方角に瞬間移動(テレポート)をし続ければ辿り着けるだろう。


 上空に飛び上がって移動する瞬間移動(テレポート)も慣れだしたし、地図を買うのはかなり有用だと思う。


 篦棒(ベラボー)な超能力があるからこそ出来る事なんだけどしかし…… 雑貨屋を見つけて地図の値段を確認したんだけど、これは……


 「高いね…… お兄ちゃん…… 」

 「う…… うん…… 」

 さすがの俺でも笑えないぐらい地図の値段が高かった。


 ビビる俺たちに雑貨屋のオヤジが笑いながら言う。


 「これでも適正価格なんだよ?地図ってのはな命をかけてこれを作る。作ったからには使われる。それには周辺国との調整が必要になるんだ。」

 あれか、軍事的な?地球でもたしか、地図は軍事機密だったもんな。


 「うん、少年は頭がいいな。緻密なので地図職人が誰か隠蔽して手描きで作成するんだ。しかも、1枚売る事に結構な額の税金を国に献上しないといけない。これが高額な理由…… その6割ってトコ」

 「ふむー」


 なるほどそりゃあ高いわ。


 …… ちなみに、だけどこの星の通貨は分かりにくいから転生してすぐに円に置き換え見る訓練をした

神の加護のおかげか今は円換算で見えるようになった…… 俺の目、大丈夫?


 そんな地図のお値段は200万円だった。

 こんなんお小遣いで買えるかよ!


 まぁ、でも適正価格なんだろうな…… どうしようか……

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