謁見は校長先生の朝礼のように!
俺を射抜くような女の子の視線に耐えながら謁見は続く…… ホント勘弁して下さいよトロス町での事は謝りますから…… とは軽く言えないのが謁見
。
閑話を挟めるような雰囲気ではない。
心労でダラダラ汗をかいて謁見しているが、数人のこの謁見を見守る魔法使いさん達にウ○コ我慢してる痛い子とか思われていないか心配。え?自意識過剰?
ダラダラと難しい言葉を使っているけど、今回の御呼ばれしたのは、発明に関する事だった。
曰く、新しい玩具を作ったという子供を見て見たかった。リーフスプリングなる吸収材を馬車に搭載した事で商業と軍事の質が進んだというナゾの「よくやった」感。
「次はどんな玩具や発明をするのか?」という話には鋭意考え中にございますと逃げる選択!
「トロスの町で教会の水晶の壁が壊れたが何か知らないか?」という問いにも分からないと逃げて…… あれれ?俺って結構、色々と疑われているんだなと気付いたら更に汗が流れてきた。
「最近、村に異変はないか?」
「いえ、まだ成人もしていない身ですので…… 妹と走り回っている事ぐらいしかお答えできないかと…… 」
さらに色々と話をされているんだけど、どうやら田舎の村は暇だから遊具を作った俺を褒めとけ、なんだったら顔をみとけ!という貴族様のお遊びだったようで緊張が和らぐ。
俺はやはり貴族社会に興味はないと断言できる。
人を呼び出してなんなのさ!
程よい所で官吏さんっぽい人が終了を呈すると謁見が終わった。
ふーっ疲れたー…… と思いながら上座に頭を下げて出口に向かうと一番偉い女の子の貴族様から声がかかる。
「我が隊の馬車にもリーフスプリングなる物をつけたいと思いますが箱馬車にも着けれますか?」
なるほどなるほど商売の話ですか!それはありがたい!
「ええもちろんです。立派な馬車がさらに乗り易くなるでしょうね!」
子供っぽい営業スマイルドーン!
子供っぽい素直そうな声ドーン!
ふふふまた村が潤うなぁ……
「あら、私の箱馬車を見てくれていたんですね!屋根の上にも趣向を凝らした自慢の馬車なので褒められたらとても嬉しく思います」
貴族様うれしそうだな…そりゃあね、あんな金をかけただろう馬車だから自慢もしたいだろうね!
確かに、村に来た時に空から偵察した馬車の上に描かれた装飾は綺麗だったなぁ!これ褒めて商談上手く進めちゃおっ!
「はい!馬車の屋根の上にある装飾の金と銀の花がとても美しいと思いました!ではスプリングについては村鍛冶に伝えておきますのでご用があればお願いします!」
もう一度、頭を下げで両親と場を辞した。
いやー!コレ!絶対に儲け話につながるわ!
───────シノが居なくなってから貴族の少女は簡易椅子に座りながら自分の唇を人差し指で撫でて微笑みながら考える。
私の箱馬車の大きさは特注で、大人が背伸びしても身長が届かない程に大きい…… この村の外に馬車はシートを被せて待機させていているから建物から確認は出来ない。
さて、あの少年シノーンは何で箱馬車の上に描かれた金と銀の花を知っているのだろうか?
村へ来訪した時に見た、空を飛ぶ人影は少年シノーンだったのではないか?と思考のパズルを埋めていた。
しかし隊員のニカはなぜあんなにシノーンさんを睨んでいたんだろうか?その話も聞かなくてはいけませんね。
☆★
早速、村鍛冶に仕事があるかもしれないよ!と話をして家に帰る。
「おかえりぃー!」
と出迎えながら笑うキュレネに癒される。
その笑顔に脱力感と癒しを感じる。そこで、ああ疲れていたのかと気付いた。
両親は謁見が終わった後、予想以上に息子が褒められたので嬉しいんだけど、拉致したように連れてきたので気まずいみたい。
「用事が……あるんじゃないのか…な?」
気まずいのは困るから言葉で助け船を出すとそそくさと散って行った。
ワシ6歳ぞ!
なんか優しさを感じたいぞ!
そこからのキュレネである!出来た妹…… いや、孫である!
「だいぶストレス溜まったから一緒に魔法ぶっ放しに行こうか?」
「うん!」
さっさと瞬間移動して遊び場で地形を変えちゃうぞ!!




