拘束!
王都の調査員が村に来て3日がたった。
一体、何日間おんねーん!
俺はまだ子供だしー!半ズボンと半袖で走り回る子供だから難しい大人の事情とか関係ないやーわーい!
そんな事を考えながら、肩の力を抜いて思いっきりキュレネと夏を遊んでいたら調査員から御呼びが掛かった。
「え!?なんで?えーやだよー」
適当に嫌がって上手いこと逃げたろうと思ったら父さんに羽交い締めにされ母さんは俺の足をしっかりホールド!
なんとなく拒否はできないだろうと思っていたけども、両親のここまでの実力行使に若干引いてしまう。
キュレネ、不安そうな顔しなくて大丈夫だよ?お兄ちゃんは大丈夫さ……え?あんまり心配してない?
妹からの信頼か強すぎない?
「アンタいつもいきなり気配消して逃げるから仕方ないでしょ?」
俺が微妙な顔をしていると母さんが弁明わやはじめる。いつも俺の気配探っていたんですか?信用ないなぁ…… え?心配していたの?へへへ
「シノはウチの大黒柱だからこんな事したくないんだけどね。ゴメンね」
父さん、父としてそれは6歳児に言ってはダメな言葉ですよ、それは……
★☆
えっさほいさえっさっさ〜と、調査団の詰めている馬車留場に両親に拘束されながら到着した。
そんな両親に衛兵はかなり引いた顔をしていた。他者から見たらさぞ異様だろう。
羽交い締めにしている父さんに小声で聞いてみる。
「ねぇ大声で助け求めていい?」
…… ハッ!と今の状況に気付いて父さんたら顔を青ざめ大汗をかきはじめる。
ですよねー?子供を誘拐しているようにも見えますよねー?
「そんな汗かいていたら余計に怪しまれるよプププ」
思わず笑ってしまう。
辛そうな顔するなー!父さん!体のゴツいのに繊細!
拘束のお礼に、少しでも意趣返をしたいから母さんとも遊ぶか!と俺の足元を見てみると母さんったらニコニコ笑っている。
…… ただ目が笑っていない。
ゆっくり声を出さずパクパクと口を動かしているな……
どれどれ何て言ってるんだ?
「ちょ…うしに……のった…ら……コロスわよ?」
はいすみません!俺は大人しく連行されますので!
調査団の詰所は即席で作った土のかまくらのようになってるいた。
高さ5メートル、接地の円の広さは20メートルと言ったところかな?
なんだこれ?こんな建物は無かったよな?おかしいと思ったらまずは観る!目に魔力を入れ『かまくら』を見たら建って日が浅いのか魔力を感じる。
なるほど数人の土魔法で半円球を作って、ガチガチに固めた後に、中を土魔法でくりぬいたのか。砂遊びの応用だな上手いもんだ。
「すみません、御呼びになられたので参上したのですが…」
父さん腰低い!入り口にいる衛兵に声をかけてるけど本当に冒険者だったのかな?
いや、それも冒険者への偏見かな?母さんと結婚できたんだし礼儀正しい人だったんだろう。
その後、少しのやりとりがあって入室を許可される。あの、そろそろ拘束を解いてもらえんだろうか……?
★☆
「御呼ばれされ参上しましたシノーンと申します」
かまくらに入ってスグ、上座に向かい礼儀正しく片膝をついて頭を下げる。
「アナタ、礼儀を教えた?」
「え?まさか教えたのは母さんだろ?」
こらこら両親、後ろでボソボソ喋らないで。
息子に指差さないで。
俺が頭を垂れた先には10歳少し過ぎた頃合の少女が簡易椅子に腰をかけていた。とても気品があり美しく、手入れされた容姿と服装で一目見て権力がある者と理解させられる。
その後ろに部下が並んでいるみたいだが、1人めっちゃ睨んでくる人がいる。え?ギリギリと歯軋りしてない?
いやだ何?こわ〜い
俺なんか貴女にしました?
あ……あ!…あーしましたしましたねごめんなさい。
その人はキュレネと冒険者登録したトロス村で散々に逃げ回ってバカにしてしまった調査員の女の子だった。




