▽&×月の日々
▽月○日
起きた。
やっぱりまたかーさんの匂いがした。
後、また姿が変わっていた。
ダイヤヴィネガロンというらしい。
もう一度壁を齧ってみたが今度は元に戻らなかった。
まぁだからといって何が変わるということもない。
せいぜいかーさんとはかけ離れた姿になったなと思うぐらいだ。
▽月◎日
以前は外は黄色い花の植物が多くあったが、今はあまりなかった。
どうやら土が毒で満ちてるのと関係しているのかもしれない。
もしやとは思うがあの黄色い花の植物は地面を毒で汚染する力を持っているが、
それで自滅をしたりするのだろうか?
そこまでアホな生き物がいる筈はないと信じたい。
そう思っていたが、
洞窟に帰った時に壁に頭をぶつけて死んだ爬虫類を思い出した。
…やっぱりアホなのもいるのかもしれない。
▽月□日
例の弱い奴らが数匹来た。
なんだか以前よりもいい毛皮か鱗なようなものをつけていた。
進化したのかもしれない。
でもあっさり鋏で潰れた。
ちなみにさっきの毛皮とか鱗とかみたいなのは取り外せた。
中身は変わっていなかった。
かなり美味しかった。でも量は少ない。
今度からたくさんいたら食べることにしようと思う。
▽月◇日
昨日食べた『弱きもの』をもっと食べたくなって遠くに出た。
なんか、石をたくさん組み合わせて大きな巣を作っていた。
巣を壊して入っていくと、
石とかいろんなものが飛んできた。
石などは僕の身体に当たっても弾かれるかわれるかだし、
木の枝などの先から出てくる半透明のきらきらするものは跳ね返ったりしていた。
なんか昔にも同じやり取りをしたことがある気がする。
巣の中にも細分化された巣がいくつもあった。
その中でもデカい巣程たくさん『弱きもの』がいた。
美味しかった。
石ごとたくさん食べてみたがそれはそれで美味しい。
どうやら鉱物というのは植物よりは全然いけるということを今更になって知った。
中の巣の一つを壊した時、
中から出てきた『弱きもの』はその場にへたり込んで2本の前脚を合わせ、
集団で何やら小さな鳴き声をあげていた。
余り抵抗しないので一匹ずつ喰ったが、やはり前脚を合わせて鳴いているだけだった。
他の場所にも偶にそんなのがいた。
やっぱりアホな生き物はたくさんいるのだと思った。
小さな奴を食べるのがめんどくさくなったので大きな巣ごとがっつり喰った。
美味かった。
▽月△日
今日は洞窟の拡大作業をした。
以前よりもっと大きく深くなった。
疲れた。だるいので今日はこれで終わる。
▽月▽日
新発見だった。
なんと前に見付けた『弱きもの』の巣より近くにもっと大きい『弱きもの』の巣があった。
前回の反省として全滅させてはいなくなってしまうので半分だけ喰うことにした。
ついでに『弱きもの』の新しい習性を知った。
僕の身体の古くなった部分を落とすと急いで寄ってきてそれを持っていく。
別にいいけれど、『弱きもの』の歯ではきっと噛み切れないと思う。
明日はちょっと離れたところに行ってみる。
▽月×日
正直今日は日記をつけたくはない。
でもこれは付けなければならないことなので付けておくことにする。
今日は遠出をしてみたものの特に何もなく、
日記には天気の事だけを書いて終わろうとしたが、
洞窟に変えるとかーさんと『弱きもの』達がいた。
『弱きもの』達は尖った針やあのサソリの鋏を半分に割ったようなものを持って、
かーさんの周りに集まっていた。
かーさんは………死んでいた。
気が付いたら僕はかーさんの前でかーさんを泣きながら喰っていた。
『弱きもの』達は残らずぐちゃぐちゃになっていた。
多分僕がやったのだろうが、正直どうでもいい。
やっぱりこれ以上は書けそうにないので今日はこれで終わる。
―――――――――これから『弱きもの』の巣を見つけたら徹底的に潰していこうと思う。
▽月☆日
可愛らしい同種にあった。
たぶん親は同じではない。奴等と一緒にするな。
彼女はかーさんの紹介で来たと言ったが、
悪いけど今はそんな気分ではない。
時折見守りに来てくれたり番の世話までしてくれたかーさんには悪いけど、
少なくとも今日僕は気が立っていて失礼なことを言ったりしたりしそうだったので帰ってもらった。
…後で考えてみたらそれはそれで失礼だった気がする。
▽月∽日
『弱きもの』の巣を破壊してきた。
少しだけ冷静になった僕は昨日のメスの事を思い出した。
もしかしたら洞窟に戻ったらいるかもしれないと思ったがやっぱりいなかった。
…取り敢えず明日も『弱きもの』の巣を壊しに行こうと思う。
▽月∮日
今日は小さな『弱きもの』の巣を3つほど壊してきた。
ロンズデーライトヴィネガロンという種になった。
これでもっと多くの『弱きもの』を狩れる。
――
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×月×日
ここら一帯総ての『弱きもの』の巣を潰しつくしたと思う。
寝る。
……これは、子守唄?
かーさんの声とは全然違う。
でも何故か似ている気がする。




