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【改訂版】戦国時代の忍者に転生させられちゃいました  作者: ゲンタ


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163/253

163話 信玄の最後と北畠幕府の誕生

天文16年(1547年春)――16歳


「明日、全軍で突撃するぞ。兵たちに目一杯飯を食わせてやれ。一族には酒だ。蔵を空にせよ」


要害山城から武田軍が整然と降りていく。意地で集めた農民兵1,000人と一族の武将のみの軍だ。


「我らは武田の意地を示すのみ。尋常に勝負されよ」

信玄が大声を張り上げる。


勝家も負けじと叫ぶ。


「北畠軍大将の柴田勝家である。信玄公。農民兵は逃してやれ。奴らは武田家と心中する義理はなかろう。一族と郎党のみで掛かってこられよ。こちらは銃を使わないし、我が武将と郎党のみで、武田の花道を作ってやる!」


「ありがたし! 農民兵は村に帰れ。四半刻後に武田の一族郎党は突撃する。準備せよ!」


勝家が武将たちを集める。


「武田は郎党含め50名程度だ。尾張の武将たちよ! 武田の花道を作ってやろうではないか。我こそはと思う武将は、郎党を連れて前に出よ!」


勝家の前に、佐々政次(さっさ まさつぐ)佐久間信盛(さくま のぶもり)河尻秀隆(かわじり ひでたか)坂井政尚(さかい まさひさ)前田利益(まえだ とします)といった武将が郎党を引き連れて整列する。総勢100名程度となった。


信玄が大声で叫ぶ。

「武田の散り花をとくと見せつけるぞ! いざ参らん!」


武田軍が突撃を始める。

北畠と武田の武将たちが、それぞれに一騎打ちを始める。

武田信繁、信廉、信龍と、武将たちが次々と討ち取られていく。


しかし、信玄と勝家の一騎打ちは続く。

優れた武芸者同士の(いくさ)は芸術品だ。見ている者の心に響くものがある。


もうここらで十分と思ったのか、信玄の気勢が落ちていく。

すかさず勝家が信玄の鎧の隙間に槍を突き入れる。

信玄の体が、ゆっくりと崩れていく。


勝家が叫ぶ。

「武田信玄! 討ち取ったり〜!」


……武田家が滅亡した瞬間である……


これで北畠家は、南近江・伊賀・伊勢・尾張・美濃・遠江・駿河・信濃・甲斐の9ヶ国を治めることになった。


北条家および豊穣家の領地は、伊豆・相模・武蔵・上野・越後となる。駿河の東部は北畠家に譲渡された。信長はそれを千世の化粧料とした。


北畠家と北条家、豊穣家の領地を数えると14カ国となる。もはや誰も逆らえない大勢力だ。


この後、豊穣家は陸奥と出羽まで徐々に領地を増やしていけばいい。

そうなれば、豊穣家と蝦夷国は海峡を挟んで繋がることになる。

北畠家は西に向かい、九州島津家まで徐々に領地を増やしていくだろう。


もちろん時間はかかる。


朝廷から織田家に使者が送られる。

足利家の将軍職を剥奪し、信長に将軍職を与えるためだ。

信長は将軍に叙任され、北畠幕府が誕生した。


信長は尾張の那古屋城を本拠地としたかったのだが、主上の切望により南近江に城を作り、幕府の本拠地とすることになる。

信長が選んだ場所は安土だった。


安土城の建設が進んでいく。

将軍家の権力を象徴とする、巨大かつ壮麗な城にしなければならない。

丹羽長秀が築城奉行となり、建設を進めている。


ここからしばらくは、(いくさ)から政治のフェーズとなる。

領土にした多くの国を慰撫していく必要がある。


また、公家や寺社など様々な旧来の勢力とも、政治的に渡り合っていかないといけない。旧勢力との政治闘争は、俺が一番嫌だったことだ。


頼む。信長、君に任せる!

信長、暗殺には気をつけてね!


オヤジたちにきっちりと護衛つけさせるからね。

そういえば明智の名は聞かないな。どこかで死んだのかもね……


そうだ、政治のフェーズで信長をサポートしてくれる人材がいるな。すっかり忘れていたけど、家康くんの懐刀として活躍していた本多正信(ほんだ まさのぶ)がいるよね。


生きていれば即採用なんだけどな。


それと氏康さんに頼んで、長綱さんも信長のサポートに回ってもらおう。

政治力ありそうだからね。


とにかく信長、頑張ってね。


***


朝廷の方はというと……


「才蔵はおるか」


「は。ここに控えております。」


「義晴と義輝の親子はどうしておる。」


大内義隆(おおうち よしたか)を頼り、周防国に落ちていきました。」


「そうか……」


「恐れ多くも主上に対し、これまでに暗殺を仕掛けられた回数が20を超えてきました。二条晴良の仕業に間違いありません。安全のために伊勢に移られますか?」


「この場所から朕が逃げ出すわけにはいかぬ。その方に我が命を預ける。まだ死ぬわけには行かぬ。頼むぞ!」


「承知仕りました。この命に代えてお守り致します。“近衛特殊部隊”も増員致します。」


才蔵は“近衛特殊部隊の長”に昇進したのだ。

主上から官位ももらっている。大出世だ……


「ところで、二条晴良はどうした?」


「同じく大内義隆を頼り、周防国に落ちていきました。多くの公家が付いていったようです」


「そうか。何か企んでおるな。大内家の状況を探らせてくれるか」


「承知仕りました。万事お任せください」


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