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コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


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12/19

第12話『編め、戦士よ――毛糸という名の戦場を』

季節は秋から冬へ。

冷え込む村で、ミーナが言った一言――

「みんなにマフラー、編んであげたいな」

そこから始まった、筋肉による“編み物”との戦い。

「……毛糸、だと?」


ガルドはテーブルの上に置かれたふわふわの糸の束を見下ろした。

それは明らかに、これまで戦ってきたどの敵よりも柔らかく、脆く、しかし――


「……戦意を感じる」


「感じなくていいです! ただの毛糸です!」


村の女性たちが冬支度を進める中、

ミーナが「せっかくだから、ガルドさんも編み物してみません?」と提案してきたのだ。


「誰かにマフラーを贈るのって、なんかあったかくていいじゃないですか」


「……任せろ。俺が編む」


「言ったな!? 絶対途中で投げ出さないでくださいよ!」


かくして始まった、“筋肉と毛糸の仁義なき闘い”。


──第一の壁:力加減。


ガルドが少し引っ張っただけで、毛糸が「ブチィッ」と裂けた。


「……弱い。まるでひよこの羽」


「優しく持ってください!!糸を!ひよこじゃなくて!」


──第二の壁:器用さ。


指先で細かく糸をかけ、針をくぐらせる工程。

しかしガルドの指は、鍛え抜かれた“岩石級のゴツさ”。


「……編み棒が、手の中で行方不明になる……」


「手がでかすぎて見えないんですね!? そんなことある!?」


──そして、数時間後。


「できた」


「えっ、ほんとに!? 見せてください!」


ミーナが駆け寄って確認すると――

そこには、異様に太く、長く、重そうな“マフラーという名の毛糸アーマー”があった。


「……これはもう、肩掛け防寒具というより、布製盾では?」


「防御力重視した」


「いやファッション性も重視して!? 寒さとの戦いですけど、見た目も大事!」


だが――その“マフラー”を子どもたちが見て叫んだ。


「すげえ! ガルドさんのマフラー、かっこいい!!」


「ぼくも欲しい!! それ巻いたら無敵になれる気がする!」


「……そうか」


ガルドは小さく頷いた。

誰かの役に立つなら――毛糸でも、編み続けようと思った。

今回の敵は、やわらかく、しなやかで、繊細。

それでも筋肉は、それに挑んだ!

ガルド式マフラー、村の小学生男子にバカウケ中です。


次回は、“雪の日のかまくら騒動”!

筋力全開で雪を運ぶガルドが、まさかの芸術家魂を発揮する……!?

どうぞお楽しみに!

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