第11話『猫は追えども、掴めぬもの』
村の飼い猫・モモがいなくなった!
のどかなはずの午後は、一転して“猫捜索ミッション”へ。
ガルドと猫――全く釣り合わないこの組み合わせ、どうなる!?
「ガルドさん、大変です! モモがいなくなっちゃって……!」
「……誰だ」
「うちの猫です! 白くてふわふわで、すぐ高いところに登るやつ!」
ミーナが半泣きで駆け込んできた。
モモという猫は、村の子どもたちにも人気の、看板猫的存在らしい。
「探してきますから、手伝ってもらえますか?」
「……了解」
猫の捜索、それはかつての魔獣討伐とは別種の難敵だった。
ガルドは森の縁、屋根の上、木の枝先まで順々に確認していく。
「……いない」
「この静かな捜索、逆に怖いんですけど……」
途中、子どもたちから情報が集まった。
「さっき、屋根の上にいたよ!」「いや、今は納屋の裏だって!」
「畑の真ん中に寝てたぞー!」
「……猫とは、本当に同じ場所にとどまらない生き物なのか」
「そうですね……自由なんですよ、気まぐれで」
そのとき――
「にゃあっ」
かすかな鳴き声が聞こえた。
ガルドは即座に反応し、納屋の屋根へ跳躍。
そこには、瓦のすき間に前脚を挟んで抜けなくなっている、モモの姿があった。
「……!」
一瞬で判断。
瓦を傷つけないように、絶妙な力加減で持ち上げ、
猫の体をやさしく――全筋肉を“抑制”して――持ち上げた。
「にゃ……ぅ」
モモはガルドの腕の中で、意外にも大人しくしていた。
「……おとなしい」
「安心してるんだと思いますよ。筋肉に包まれて」
「……筋肉、悪くない」
夕暮れ、モモを抱いたガルドが村へ戻ってくると、
子どもたちとミーナが大歓声をあげた。
「モモーっ!」「ガルドさん、すごい!」「ねこ、筋肉に勝てなかったんだ……」
ガルドは静かに言った。
「……猫は、捕らえるものではない。救うものだ」
「めっちゃ名言風に聞こえる……!」
今回は“猫”という最も繊細な存在に、ガルドが挑戦。
静かで優しい一面が見えた回でした。筋肉、抑えめです。
次回は、“冬支度と毛糸”の回!
まさかのガルド編み物デビュー!?どうぞお楽しみに!




