表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コードの向こう側 筋肉、時々メシ。  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/20

第10話『サプライズは静かに、でもバレてる』

ミーナの誕生日が近い――

村人たちはサプライズパーティーを計画するが、

無表情・無口のガルドが“囮役”に選ばれてしまった。

果たしてこの筋肉男に、演技はできるのか!?

「ガルドさん、相談です!」


「……なんだ」


ミーナがいないタイミングで、村の若者たちが集まってきた。


「今度、ミーナちゃんの誕生日でサプライズパーティーやるんですけど……」


「あなたが“目くらまし役”をお願いします!」


「……俺が?」


「だってガルドさんって、いつも無表情じゃないですか! 何考えてるかわからないし、絶対バレない!」


「……褒められているのか?」


「最大級に信頼してます!」


というわけで、当日。


「ミーナ。木材の整理を頼まれた。手伝え」


「へ? え、なんでガルドさんが……? 今日、暇って言ってたのに……」


「忙しくなった。突発的に」


「……?」


ガルドの“違和感のある淡々さ”に、すでにミーナは首をかしげていた。


彼女がいない間、村では急ピッチでパーティー準備が進んでいた。

料理、飾り付け、プレゼント、そして――ガルドの“戻し役”。


「じゃ、ガルドさん。頃合い見て戻してきてください!」


「……了解した」


再びミーナを連れて村に戻るガルド。

彼は何も言わない。ただ、歩く。


「……なんか今日はおかしいな。みんなの姿も見えないし……」


村の広場に差しかかると――


「ミーナ、誕生日おめでとうーーー!!」


クラッカーの音。

飛び出す笑顔。

そして、手作りの花飾りの冠が、彼女の頭にそっと乗せられる。


「えっ……えええっ!? なにこれ、なんで、え、ガルドさん……?」


ミーナがぽかんと振り返ると、そこには無表情のまま、

手にケーキを持つガルドの姿があった。


「……運んだ。壊れてない」


「そっち!?」


「あと……その、誕生日……おめでとう」


たどたどしいが、確かに込められた一言だった。


ミーナは、くすっと笑った。


「うん、ありがとう。……今日のガルドさん、わかりやすすぎたけどね」


「……ばれてたか」


「うん。でもね、そういうの、うれしいよ」

不器用なサプライズも、気持ちがこもっていればちゃんと届く。

ガルドなりの“祝い方”に、ミーナも笑顔を返してくれました。


次回は、“迷子の猫”大騒動!

筋肉で猫を追いかける、シュールでほのぼのな一日をお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ