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第十二話 討伐依頼



 それから1ヶ月後、俺は冒険者ランクがEになった。戦闘経験はまだない。しかしEランクからDランクになるには戦闘経験は必須だ。これから初めての討伐依頼に行こうと思っていた。


 1ヶ月冒険者しているとやはり強くなるための情報やまだ戦ったことは無いがモンスター達への対策など色々噂で入ってくる。その時にステータスについて知ることが出来た。


 まず『ジョブ』『セカンドジョブ』に関してだ。本当は最初にいじればよかったのだが、ほかの称号に目がいっていじらずにそのままのジョブにしていたことに気がついた。


 この『ジョブ』は、そのままの意味で自分の就いている職業のことで『セカンドジョブ』は、まあ副業だな。


『ジョブ』は他のステータスに最も影響を与えるステータスだ。

『ジョブ』は自分の意思で何時でもいくらでも変更することができる。これは『セカンドジョブ』も一緒だ。そして、この二つの欄に設定できる物が『職業』という。

 この『職業』を変更してもレベルが初期化されることもない。しかし、職業固有のユニークスキル、そしてエクストラスキルは少し別で『職業』を変更すると使えなくなる。レベルは初期化されないのでそこは安心だ。


 まず、ユニークスキルというのはどれだけ努力しても手に入らなスキルだ。中には産まれた時から持っている人もいるらしいがそれは特例中の特例。

 このスキルは職業変更によって手に入れることが出来る。最も有名な物は職業『村人』の『経験値上昇(小)』だ。まあ、『村人』は貴族を除いた全ての人が産まれた時に着く職業なので知られているのは当然だ。


 職業にはランク付けもされており、下から『初級職』『中級職』『上級職』『最上級職』とある。もちろん『村人』は『初級職』だ。

 そして俺の職業『能力者』は『最上級職』であり、エクストラスキルの『全能操』を持っている。


『ジョブ』自体の説明としては、『ジョブ』に設定されている『職業』のレベルが上がることによってその職業にあったようにステータスが上がったり、その『職業』に合うスキルが手に入りやすくなる。素晴らしいことに『能力者』は特殊なスキル以外ほぼ全てのスキルが手に入るようだ。まあ、自分の才能にも寄るようだが。

 そして『セカンドジョブ』に着いてだが、『ジョブ』と違うところはユニークスキル等が貰えないこと、『ジョブ』に比べて与えられる経験値量が少ないこと、ステータス上昇量が小さいこと、『ジョブ』に比べてスキルが手に入りにくいことが挙げられる。

 まあ、設定していても損は無いようだ。

 

 気がつくとギルドがもう目の前にあった。

 あんまり考え事をして周りが見えないのはダメだと思いつつ、ギルド入った。


「おはよう、ララさん。」

「あ、ナルミさん!おはようございます!」


 ララさんはいつもどうり笑顔で返事してくれる。こういう所が人気の理由なんだろうなぁと思いつつ、今日決めていたことを伝える。


「Eランクになったことだし、そろそろ討伐依頼に行こうかなと思うんですけど。」

「確かに、Eランクですからね。討伐依頼を受けるのは妥当だと思います。……しかし、ソロで行くのですか?」


 そうなのだ、1ヶ月冒険者をしているがまだパーティが居ないのだ。

 まあ、自分から募集したり募集しているところに行ってないのでしょうがないが……。


「確かにそうですよね……。やっぱりパーティを組んだ方がいいですかね?」


 ちなみにパーティとは基本的に5人1組の冒険者の集まりのことで、基本的にパーティは前衛の戦士(ファイター)盾役(タンク)、中衛に盗賊(スカウト)、後衛に魔使(マジックアタッカー)僧侶(ヒーラー)とされている。ソロは1人でパーティを組まず1人で依頼をこなす人の事だ。


「そうですね……。新人冒険者がスライムを倒すぐらいなら必要ないかもしれませんが、ゴブリンになると必要になってくると思います。低ランクスライムは意思が薄く基本群れを組みませんが、ゴブリンは知能は低いですがずる賢く、群れで住み、住処に罠をしかけ迷い込んできた生き物を食料にするんです。ゴブリンなんて雑魚だと言って帰ってこなかった低ランク冒険者……いや、低ランク高ランク関係なく帰ってこなかった冒険者は少なくありません……。」

「なるほど……。」


 この世界でもゴブリンやスライムが雑魚なのは変わりなくて、それでいてゴブリンは単体では雑魚だけど群れを組むととんでもない驚異になるのはやっぱり同じなんだな。


「でもまあ、ソロでも大丈夫なスライム討伐の依頼がありますし、この依頼行きますよ。」

「……了解しました。気をつけてくださいね?」


 ララさんの表情が暗い。もしかしたら担当した冒険者が帰ってこなかった記憶があるのかもしれない。

 本当は何かしら気の利いたセリフを言わなければならないのかもしれないけど、そんなこと言えるほどできた人間じゃない。ただ言えることはその帰ってこなかった人の一人にならないようにすることだ。


 鳴海は冒険者ギルドを後にし、前々から調べていたスライムの狩場にやってきた。

 スライムはさっきも言った通り、基本群れで住まず(ていうか群れる知能がない)、単体で行動してスライムの種類にもよるが生き物の死骸や魔力を含む物体や繊維などを取り込み体を保つエネルギーを生成するらしい。


「……そろそろ魔物たちが出てくるところだな。あれから体力と魔力は増えたがレベルは上がってないから大幅なステータスアップはしてない……。剣はあるけど不安だから魔法使うか……。」


 鳴海は剣を腰に装備したまま、魔法使いの杖を持った。傍から見たら変な装備をした、しかもへっぴり腰な超初心者冒険者にしか見えないだろう。


『気配感知』を発動してスライムを探すと五、六体ほど見つかった。


「ちょっと怖いからなぁ、一体だけ孤立したやつにしよう。」


 息を潜めつつ、気配感知で他の魔物がやってこないか確認しながらスライムに近づく。


 できるだけ音を立てずに近づくと、スライムが目で見れる所まで近づいた。


(あれがスライムか……。こっちには気がついてないな。某龍討伐ゲームに出てくるような可愛らしい見て目ではないか……。唯一の救い(?)はドロドロで流行りたくない見た目じゃなくて、丸い球体みたいな感じなとこか……。確か物理攻撃は聞きにくいんだったけ。弱点である体の中の核である魔石を壊せたらいいけど、そんな剣術持ってないしなぁ。大人しく魔法使うか。)


 今まで頑張って練習したり本を読んだりてちょっとずつ制御できるようになった魔法を使う。

 詠唱破棄などの技術もスキルも存在するけど、まだ手に入ってないから初級だけ生活魔法のように威力を想定してない魔法と違って、攻撃魔法は少し詠唱がある。


「火よ、我が敵を燃やせ。『火球ファイアーボール』!」


 杖の頭の部分をスライムに向け、『火球』を放つ。詠唱はしたがそこまで派手ではなく、威力も強いわけではなかった。しかし、伊達に魔力が高い訳ではないようだ。


「?……っ?!」


 スライムは鳴海の詠唱の声に気がついたのか、少し反応したが飛んでくる魔法には対応出来ず、『火球』が直撃する。

 声帯がないのか、もしくは人には聞こえないのか鳴き声はなかった。


 スライムは少し吹き飛んだ後、破裂した訳ではなくそのまま溶けたみたいに液体状になった。


「えっと、この液体……スライムジェルを瓶に入れるんだっけ。一応鑑定来ておこう。『鑑定』。」


 スライム液に向かって『鑑定』を使う。


 ━━━━━━━━━━━━━━━

 名前:スライムジェル


 スライムの体細胞。

 食用可。しかし、味はほとんどせず栄養もほぼないが、珍味として料理に使われることがある。

 ━━━━━━━━━━━━━━━


 なるほど。まあ、有害じゃないことはわかった。

 ちなみに、低ランクの魔物の肉は食べられるが一定のランク以上の魔物の肉は人には有害で特殊な手法を取らないと食べられない代わりにすごく美味しいらしい。なんでも、魔物は「邪気」とか「負の魔力」とか言われる魔力を帯びているらしく、その魔力が弱い低ランクの魔物なら食べすぎなければ害は無いが、高ランクの魔物はその魔力の濃度が高く、下手をすれば即死、最悪魔物になってしまうらしい。そうなったら救う方法はないのだとか。


 スライムの核を取り除き、買っておいた瓶にスライムジェルをすくった。初めてなので手間取り少し服が汚れたが、何とか採取を完了した。


「……ふぅ、少し汚れたが後で『洗浄クリーン』をかければいいか。それにしても俺はこいつの命を奪ったんだな……。思ったよりあんまり抵抗がないな。スライムが生き物っぽくないからか?それとも魔法で倒したから現実味が薄くてまだゲーム感覚なのかなぁ……。」


 少し自分の感性に疑問を感じつつ、近くにいるスライスへと息をひそめ近づいた。



魔使(魔法使い)をマジックアタッカーってルビを打ったけど変ですかね?(^_^;)


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