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序章


20本あった煙草も今年で終わりだ。彼女の分と俺の分。毎年この日に1本ずつ吸う。

今日こそは……と。あの時の手紙を懐に入れ、彼女のいる場所へと向かう。

1年ぶりだ。10年経っても、彼女の墓はいつも綺麗だ。

もう、誰かが来ていたらしく。綺麗な花が供えてあった。お父さん辺りだろう。


煙草に火を付け、手を合わせる。そして、俺もまた同じように煙草を咥える。


「俺も、こんなやけど大人なりましたで」

まさか、こんな1本の煙草を惜しむとは、俺の人生には無かった事だ。

墓に灰皿を置き、煙を発しながら少しずつ無くなる煙草を眺める。


俺の青春は10年前に始まり、10年前に終わった。


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