表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/598

ダニと解決策

 おかしいなぁ……確かに誰かいたはずなんだけどなぁ。

 私は、不審に思いながらも確証が掴めなかった事もあって


 「ううん、なんでもないよ」


 と言って七海ちゃんと共に教室へと戻った。

 教室では沙綾ちゃんと陽菜ちゃんが待っていた。


 「どうだった?」

 「それが水野の奴さ、『気にせずに先に進めてくれ』なんて言うんだよ。それじゃぁどうにもならないのにさ……」


 沙綾ちゃんの問いかけに七海ちゃんが肩を落としながら言った。

 

 「ホントに参りましたね……」


 陽菜ちゃんまでガッカリしちゃったよ……。

 お昼休みになると、お弁当を持って部室へと行った。

 3年生に知られると、凄くガッカリされちゃうから、この事を悟られないようにしないとね。


 部室のドアを開けると、舞華ちゃんが待ち構えていた。


 「あっ、燈梨だぁ~。今日も頬をスリスリしちゃお~」


 なんか今日の舞華ちゃんは妙にテンションが高いよ。

 私はそんなテンションの高い舞華ちゃんに罪悪感を感じていた。


 すると、頬ずりが終わった舞華ちゃんはスマホを取り出して


 「そうそう、兄貴の話によると、セフィーロのミッションはGTS-4と同一って書いておけば強度検討書の提出は省けるみたいだよ」


 と言った。

 私は、何のことを言っているのかが分からずに一瞬固まってしまったが


 「日曜日に私らが持ってきたセフィーロの事だよ。どうせ、水野の事だから公認についてのロクな話もしないで丸投げしたんじゃないかと思ってさ」


 と、あっけらかんとして言った。

 話によると、舞華ちゃんのお兄さんはセフィーロに3台乗っていたらしい。

 そのうちの1台は4WDにRB26DETTとMTをドッキングしたのだが、最初はRB20DETにMTを入れていて、エンジンブローしたためにRB26にしたそうだ。

 なので、最初の構造変更の際には自分で書類を作成して構造変更を取得したので、舞華ちゃんがその時の事を聞いてくれていたのだそうだ。


 「兄貴に聞けば、この手の車の事は大抵解決するからさ、これからも分からない事は遠慮せずに聞いてよ」

 

 私は、舞華ちゃんが私たちの後の行動までを見て心配してくれていた事に嬉しくなってしまったが、その時は


 「ありがとう。助かったよ」


 というのが精一杯だった。


 「いいって事よ。あんなクソ兄貴なんて、この程度の事にしか役に立たないんだから」


 舞華ちゃんはケラケラと笑いながら言った。

 すると、優子ちゃんが憮然とした表情で喰って掛かった。


 「マイ! あんな偉大なお兄さんをクソ呼ばわりするなんて、なんてバチ当たりなの?」

 「うるさいやい! 優子はあのクソ兄貴に迷惑かけられてないから、そんなに心酔できるんだい! いい? ウチの兄貴はダニと同レベルの迷惑者なんだよっ!」


 舞華ちゃんと優子ちゃんの掛け合いが始まってしまったが、とにかく、これで最大の難所はクリアしたようだ。

 

 そうと決まれば、登録に向けての書類作成に入れる。

 それについて七海ちゃん達と話そうとした時、舞華ちゃんがヒョイっと入ってきて


 「それで、登録関連の書類については何か聞いたの?」


 と言って、私の持っている紙に目を落とした。

 それは私が以前にネットで調べたものだった。

 そして、マーカーを取り出すと


 「まず現段階で車庫証明は書き込めるから、警察署に行って貰ってくるんだよ。どうせ、学校の印鑑証明とか、委任状なんかは水野に用意させればいいけど、このマーカー引いたものは水野に用意させるようにプレッシャーかけるんだよ」


 といくつかの項目にマーカーでラインを引いた。


 「この登録の申請書には実印がいるし、委任状にも学校印がいるからさ、これは事前に学校に判を押させないとダメなやつね」


 と、教えてくれた。


 「ありがとう。マイちゃん助かったよ」


 私は言うと、舞華ちゃんは一瞬目を丸くしたけど、すぐさまへらっとして


 「なんのなんの、私はね可愛い後輩と燈梨のためだったら、協力は惜しまないよ。憎たらしい柚月だったら見捨てるけど」


 と言った。

 すると


 「なんで~私が関係あるんだよ~」

 「うるさいやい! 憎たらしい柚月のためには動かないっていう、地球上の深層真理に基づいて言ってるんだよ」


 柚月ちゃんが言って、また舞華ちゃんと掛け合いが始まっていた。

 

 そうと決まれば、早速書類の作成だね。

 まずは車庫証明を取りに警察署に行かなきゃならないのか。

 すると、舞華ちゃんが言った。


 「一応、ダウンロードもできなくはないけど、警察署で貰ってくる用紙は複写式になってるのと、雰囲気に慣れておいた方が良いってのもあるから一度行くのをお勧めするよ。ついでに柚月も置いて来て欲しいかな」

 「なんで~私を置いてくるんだよ~!」

 「うるさいやい! 柚月はシルビアの車庫証明と、結衣の車の車庫証明の時に公然わいせつで置いてくる予定だったのを忘れてたから置いてくるんだよ!」


 すると、柚月ちゃんが反応してまた組み合いが始まってしまった。

 その間に、私は七海ちゃん達と検索して登録に必要な書類についておさらいしてみた。

 ミッション変更に関するものは、舞華ちゃんのお兄さんから詳細が来るとの事なのでそれを待って作成していくとして、普通の登録書類で事前に書き込めるものをチェックしていった。


 まずは、一番最初に車庫証明が必要だという事が分かった。

 でも、これって有効期間が1ヶ月しかないんだ。

 そしたら、もっと後で取った方が良いのかな?


 「現実的にどうなんっスかね?」


 七海ちゃんが不安げに言った。

 確かに、車の登録なんてやった事が無いから感じが全く分からないね。

 すると、舞華ちゃんが再びやって来て


 「ちなみに、車の方はしっかりやってあるし、同時に車検で見られそうなところはしっかりやってあるから、あとはディーラーとかで事前に見て貰えば、書類さえできれば1日で終わるよ」


 と言った。

 ちなみに部車のシルビアに関しては、朝一で行ってライトの光軸で引っかかったため、午後一で再検査を受けて合格だったそうだ。


 「あのシルビアの整備は私達もやりましたけど、そんな重整備しなかった記憶があります」


 沙綾ちゃんが言った。

 どうやら沙綾ちゃん達も整備に参加したんだけど、プラグ交換とか、オイル交換のような基礎的な作業をやってたって?


 「ちなみにあのS14の出所は、今回のセフィーロと同じです」


 って事は、あのシルビアも解体屋さんにあったものなんだね。

 文化祭のボード作成を手伝ったから、元々が解体予定の車だって事は知ってたけど、やっぱりあの解体屋さんだったんだね。


 まぁ、とにかく用意するものの優先順位は分かったから、直近で警察署に行って車庫証明の用紙を貰って来て記入だけ済ませておいて、どのタイミングで申請に行くのかは、今日の活動で現車の状態を確認した上で考える事にしよう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ