表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
264/598

式前日

 遂に新学期が始まった。

 この春休みはガレージにリフトが入ったり、私の家にゲーム機が来てゲーム三昧の生活を送ったり、舞韻さんや沙織さん、桃華さんに会いに向こうに久しぶりに行ったり……と色々な事があったんだけど、あっという間に過ぎて言ったような気がするね。


 そして、遂に明日は入学式を迎えるんだ。

 明日の天気は晴れという事を確認し、天候の心配は無くなったので、安心して当日の準備を行ったんだ。

 文化祭の時に借りだした大型モニターは今回も借りられたので、今回も、沙綾ちゃんに作って貰った迫力の紹介映像を流して、自動車部の実績と魅力をアピールしちゃうんだ。

 春休み中に沙綾ちゃんが私の部屋を訪ねて来た時に、試作版の映像を見せて貰ったんだけど、去年のジムカーナと軽自動車耐久レースの勇姿の映像が、文化祭の時とは別カットで登場したので驚いたんだ。

 その迫力と言ったら、思わず震えがきちゃうくらいの凄いものだったんだ。


 更に普段の練習走行の様子や、どこで撮ったのか、私の車が合宿のジムカーナの練習走行をしているシーンまで使って、どこかのプロモーション映像みたいにカッコ良いカットに映っていたんだ。

 しかも、このバックにかかってる曲って、最近私がやっているドライブゲーム内で流れてる曲だよね? もう、完全に狙ってるでしょって感じのもので凄く良かったよ。


 ただ、今日はモニターとかを出して雨が降ったりすると壊れちゃうし、夜中にいたずらや盗難に遭うかもしれないから、その辺の設置は明日に回すとしても、基本的な設営はやっておいたんだ。


 今回は、車の展示で目をひこうって作戦で、競技車からエッセ、EVのCR-X、そして快適化策のスターレット、そしてシルビア・コンバーチブルを加えたセットでブースに人を呼び込むんだよ。


 車を並べていると、何故か七海ちゃんが遅れてきたので


 「どうしたのアマゾン? マゾヒスト部の設営でもしてたの?」


 と言うと、七海ちゃんは顔を紅潮させて


「アマゾンじゃないっス! そして、マゾヒスト部なんてないっスからね」


 と言い放ったんだ。

 マゾヒスト部って言うのは、舞華ちゃんが柚月ちゃんをからかう時に必ずと言っていいほど登場する名前だ。

 当初は柚月ちゃんだけだったんだけど、ある時から七海ちゃんもそこのメンバーに入ってしまって、散々舞華ちゃんからいじられていたんだよね。


 すると


 「えー!? 七海はマゾヒスト部の部長と車部掛け持ちだって聞いてたんだけど……」

 「ズッキー先輩から、マゾヒスト部のこれからを託されてたじゃん!」

 「マゾ部の部員が1人になっちゃったからって、部員集めに奔走してたじゃん」


 と沙綾ちゃん、陽菜ちゃん、七菜葉ちゃんが口々に七海ちゃんをいじり始めると

 

 「そんなもの、ないったらないっスー!」


 と、みんなにかかっていったけど、あっさりと倒されていた。

 さて、他には当日配る案内の紙にも趣向を凝らして貰ったんだよ。

 やっぱり一番アピールしたのは、女子力のある自動車部っていう他には無い大きなポイントで、新入生の女子に敷居の高い部だって思わせない事を心掛けたんだ。


 そして、実際に新入生にアピールする2年生には大きな期待がかかっているんだよね。


 「明日は遂に本番だからね。準備は大丈夫?」


 私が訊くと


 「任せてくださいよ燈梨先輩! 1人でも多くの新入生に部の魅力をアピールしちゃいますからっ!」


 若菜ちゃんが、何故か自信満々にポージングしながら言った。


 「明日は若菜っちが、肉体美を見せて新入生の足を止めますから!」

 「新入生を捕まえて、がっちりホールドしますっ!」

 「燈梨先輩に負けないくらいイキり倒しますからっ!」


 美桜ちゃん、塔子ちゃんに続いて真由ちゃんがまたとんでもない事を言ったので


 「真由ちゃん、何度も言うけど、私はイキってなんかないからねっ!」


 といつものようにツッコんでおいた。

 でも、若菜ちゃんの肉体美が自動車部の魅力のアピールになるのかは微妙だけど、若菜ちゃんは基本的に人前で筋肉を見せたがらないので、きっと本人なりに大きな決断だったんじゃないかと思うんだ。


 2年生に新入生の対応を任せているのは、実際に入部した新入生の指導をするのは主に2年生の役割になるので、この頃から接点を多く取っておいた方が良いという考えがあったからなんだ。

 その考えは、春休みに3年生メンバーで集まった時に話したところ


 「それがいいっス! 2年生も頼れるところを見せておくのが重要っス!」

 「良いと思うよ。3年生は要所要所だけ指示すれば良いんだよ」

 「2年は作業で、3年は競技や同乗で活躍するようにすれば良いんじゃないかな」


 と七海ちゃんや沙綾ちゃん、陽菜ちゃんに言われたので、その方向性でいく事にしたんだ。


 他の部のブースを見ると、シンプルにして、どちらかと言うと勧誘に来る生徒がコスプレしたりとか、ウチの高校からプロに行った選手の等身大看板置いたりとか、現場の通路でいかにして目立って話を聞いてもらうかに注力してるよね。

 そんな事を考えていると


 「まぁ、万一要注意だとするなら、馬術部の馬くらいですかね?」


 と志帆ちゃんに言われて正気に戻ったんだ。

 確かに、ウチの部の部車展示アピールに、唯一アイキャッチ的に対抗できるとすれば、馬術部がブース前に展示する馬なんだけど、場所が裏門近くだというところがネックになっていると思うんだよね……。


 「でも、初っ端から見えますから、例年と違って途中でバックレる率はぐっと下がるかも……です」


 美桜ちゃんが心配そうに言ったんだ。

 確かに、裏門付近まで行く人が減れば、そこから流動する層の人狙いでいる場合は脅威なんだけど、今回は逆だからね。あまり脅威は感じないかな……。

 それに、自動車部に興味を持ってくれた娘が、そっちに流れるとは思えないからそっちはあまり心配しなくても良いんじゃないかな?


 とにかく、本番は明日なのでみんな頑張ろうね!



 お読み頂きありがとうございます。


 『続きが気になるっ!』『エンジンのオーバーホールはどうしたの?』など、少しでも『!』と思いましたら

 【評価、ブックマーク】頂けますと、大変嬉しく思います。

 よろしくお願いします。

  

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ