表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Lost19 底辺の隊長と呼ばれた男  作者: JHST
第一章 色なし
20/119

⑫大人の対応

「その………ご迷惑でなければ隊長についていっても宜しいでしょうか。幸い自分はこの後の用事は特にないので」

 視線を合わせられず、両手の指を擦り合う様にエコーが呟く。

 

 だがそれでもタイサは彼女に気を遣いながら、申し訳なさそうにゆっくりと手を左右に振る。

「いや、すまないが教会へは一人で行く事にしているんだ」

「そう………ですか。残念、です」

 これが初めてではない。エコーは何かとタイサを気遣い、よく声をかけてくる。底辺の隊長と揶揄されながらも、騎士や同僚、友人として接してくれる彼女の行動は、タイサにとって嬉しくもあり、また十分に報いてやれているのかと、時折申し訳く感じていた。


 タイサは褐色の肩に手を置くと、すまなさそうな表情をそのままに頬を緩ませる。

「俺がいつも行っている教会は北地区(スラム)にあってだな………あまり夜遅くに女の子を連れていく場所じゃない。もしお前に何かあったら、俺は妹に怒鳴られちまうよ」

 槍と盾を振るい、蛮族を打ち倒してきた騎士に対して送る言葉の正しさへの疑問を抑えつつ、タイサは『あぁ』と、何かを思い出したかの様に視線を空へと向けた。


「そう言えば騎士団本部の近くに新しい店ができたとか………ほら、前に話してくれただろう?」

「え、あ、はい」

 話を変えられエコーはきょとんと眼を大きくして顔を和らげる。

「今度、その店に案内してくれ。何なら明日の昼でもいいぞ?」

「で、では明日の昼で!」

 エコーは姿勢を正し、直立してタイサの代案を受け入れた。

「分かった分かった………いつも悪いな」

 気を付けて帰れよとエコーに念を押して会話を閉じると、踵を返して夜の道を一人で歩き始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ