九話 「最強の魔法」
前回更新出来ず、すいません。
割とすぐにダンジョンの前に着いた俺達。
入ろうとする俺達の前に、何故か王女様がまた現れたのだ。
「あ、お主たちこんな所で何してるのじゃ?」
王女様はあくまでも偶然を装うらしい。
「王女様は何してるんですか? もしかしてダンジョンに入るんですか? だとしたら先にどうぞ」
俺はあえて譲ってみることにした。まぁどうせ俺達に付いてきたんだろうから先に入るわけないだろうけど。
「もしかしてさ! 王女様も響達と一緒に行きたいの? 響嬉しいなぁ……えへへ……」
響は王女様と行けることに喜んでるようだ。ぐぬぬ。俺にこの笑顔を止めることは出来ない。諦めて行くしかないのか。
「ま、まぁお主たちが、そんなに一緒に行きたいなら行ってやっても良いぞ? わしは別にどっちでもいいがな」
王女様はツンデレなのかな?まぁここは素直に応えておこう。
「あ、じゃあ響のためにお願いしますね」
「ま、まぁしょうがないの。行ってやろうではないか」
これで何故か知らんが、メンバーが増えてしまった。
「おい、お前ら早く行くぞ」
「そうじゃぞ。我とキャラが被ってる奴なんてほっといて早く行くぞ」
ノースさんとリンシアは早く行きたいようだった。
「よし! じゃあ行くか!」
こうして俺達はようやくダンジョンに入るのだった。
「なぁ、このダンジョンって何層まであるんだ?」
俺は知ってそうなリンシアに、ダンジョンの深さを聞いてみることにした。
「確か、このダンジョンは37層まであるんじゃなかったかの?」
その後に、ノースさんにも聞いてみたが、やはり37層らしい。ちなみにまだ37層に到達した人は居ないそうだ。
「まぁ、まだ1層目だし楽勝だろ。……って響はまだ隠れてるの良いとして、シャリオットまで俺に隠れるのかよ!?」
あんなに意気揚々とダンジョンに行こうとしたくせに、入ってすぐ俺の後ろに隠れはじめやがった。
「お前も、大変だな」
あれ?ノースさんからの優しい目線が……
「むっ。一応モンスターが現れたか。あれはスライムだな」
ノースさんが言った後、前方を確認してみると、2層へと続く通路まで、ぎっしりとスライムらしき生物がウネウネしていたのだ。
「なにあれ。気持ち悪……早く、倒そう」
俺は段々と近づいてくるスライムが人型になっていくことに気付いた。やはりキモイ
「あんな雑魚、我の魔法で一撃じゃ」
「おぉ! さすがリンシアだな!」
「リンシアちゃん、すごーい!!」
俺と響はリンシアのことをとりあえずめっちゃ褒めといた。一刻も早くスライム達を全滅させて欲しかったのだ。
ちなみに王女様は既に気絶して、眠っているので俺がおんぶして連れていくことになった。
「しょ、しょうがないのぅ……そんなに言われてはやるしかないではないか」
そう言って、リンシアは詠唱を始めた。
「世界を暗雲へと導く雷よ、我が魔力に魅入られし雷の精霊の力を持ってして、我が敵を滅ぼさん! 今ここに顕現せよ!!」
………ん?なんか長くないか?まさか俺達まで巻き込むんじゃ
「お、おいリンシア? まさか俺達まで巻き込んで魔法打たないよな?」
俺は恐る恐る聞いてみた。
「雷系の最強魔法‘‘ライトニング,,の威力など使ったことないから我にも分からん!!」
マジか。こいつ使ったことない魔法使おうとするのか。
「ノースさん!急いで俺達に防護をよろしくお願いします!」
ノースさんの魔法なら防げるかもと考えたのだ。
「ま、任せろ! 10秒で掛けるから!」
ノースさんも焦りながら必死で詠唱している。
「よし! お前ら全員に防護を掛けた。…多分これで防げるはずだ!!」
多分ついちゃってるよ…やばいわ。
と、ここでついにライトニングが発動してしまった。激しい落雷と共にダンジョンが光に包まれた。目を開けた先には………何も残っていなかった。2層へと続く階段以外は
「お、おお! さすがノースさんの魔法! これも耐えれるのか!!」
ノースさんの魔法が思っていたよりも強く、まさか防げるとは思わなかったのだ。
「だが、1回で壊れてしまった。さすがの威力だ」
ノースさんはリンシアの魔法に感嘆の声をあげた。
「ま、まぁさすがに我もあの威力は驚きじゃ。 すまんの……だが、全滅じゃ! ちなみに我は当分何も出来んからの」
最後にドヤ顔で言ってきたが、皆を死の危険に晒したので怒ることにした。
「全滅は良いけどよ。 さすがにあれはやり過ぎだ。響も怖がってるし、王女様も…まぁ元々気絶してるから良いとして、俺が死ぬ所だったわ。ノースさんは大丈夫だろうけど。」
リンシアは俺に怒られて割とショックを受けたようだった。下を向いてションボリとしている。
「ま、とりあえず進もうや。ようやく行けるだしさ!」
ノースさんはやはり凄い。この空気の中で皆を引っ張っていこうとするなんて。
「そうですね。 とりあえず行きますか!」
こうして俺達はノースさんに続いて、進んでいくこととなった。
何故か分からないが、順調にダンジョンが進んで行き、ようやく30層にまで到達した。
「もう30層か、なんでモンスターが一切出てこなかったんだ?」
なぜ俺たちがここまで簡単に進めたかと言うと、何故だが分からないのだが、1層からここまでモンスターが1体も出てこなかったからだ。……俺の予想では、リンシアの魔法の影響と思うんだが…
「俺的には、この辺の階層までは弱いモンスターしか居ないから、楽で助かったんだがな」
ノースさんは俺に対して笑いながら言っている。
この頃にはリンシアも全回復し、また魔法が使えるようだ。
「まぁ、多分……我の魔法の影響だろうな。あれは雷系の最強魔法、並大抵のモンスターだと逃げ帰るほどじゃ。 まぁ楽だったし良いじゃろ?」
確かに楽だったし、響は寝ちゃうくらい安心しきってるし、まぁこいつのおかげか。あ、王女様は2層に行く前に、ちゃんと王国兵に返しましたよ?ずっと気絶してたしな。
「まぁ早く進めたのはお前のおかげだしな。感謝するよ。ありがとう」
リンシアには一応感謝してるし、撫でて欲しそうにこっちを見てたから、撫でてあげることにした。
「ふにゅ……撫でられるのは良いものだな。お主はゴツイから嫌じゃ!!」
ノースさんも続けて撫でようとしているが、リンシアに拒否られてるようだった。
30層を話しながら進んでいくと、大きな扉を見つけた。
そこには丁寧にボス部屋と書いてあったのだ。
「ここからは進むにはボスを倒さなきゃ行けないのか。ただ30層のモンスターはこいつだけか」
俺はリンシアとノースさんを連れて、ボス部屋に入っていった。
そこに居座っていたのは……今までに一度会ったことのある奴だった。
やっぱりタイトル変えるべきですかね?主人公あんま召喚魔法使ってない…