学校の怪談 男女控室
今日は、中学の遠足。バスに揺られて山道を進んでいた。
「次に死ぬのはお前だー!」
「きゃー!」
「怖がりすぎだなあ女子は」
どうやら後ろの席で怪談をしていたようだ。
いいなあ。女子ってあんなに気軽に黄色い悲鳴あげられて。楽しそう。
「僕も参加したいな」
「いいよ。次は、俺が話す番だ」
やんちゃなクラスメイトが腕まくりする。かっこいいな。
「死後の世界の話」
つばをゴクリと飲む音が聞こえる。早いって。
「心中をした男女がいた。死んだ二人は手をつなぎながら閻魔様の前へ。
審判が下される。男は左の控室へ、女は右の控室へと進めと」
みんな瞬きもせずに聞いていた。
「そして、部屋に入ったら、男ばかり。なんと、この部屋は魂の性別で仕分けられる部屋だったのです。そして、列に並ぶと来世の肉体を男はゲットしました。おぎゃー。かわいい玉のような男の子です!」
そこまで語ると満足しきったような顔をして語りきった。
「え?終わり?」
「そうだよ?」
「怖い話でもなんでもないじゃんかー」
「いいだろ。お口直しにこんな話くらい」
「まあいっか。次⋯⋯」
と、やいのやいの言っていたその時だった。
「大変だ!バスが崖下に落ちる!」
ものすごいスリップ音の後の全身の衝撃。自分でも死んだとわかる打撲だった。
目が覚めると、見知らぬ暗い道を歩んでいた。
赤鬼が近づいてきて、ささやく。
「お前はバス事故で死んだ。閻魔様に審判を下してもらえ」
案内されるままに閻魔様の元へ
すると、「右の控室へ進め」と言われて、誘導されるがままの部屋に入る。
「失礼しまーす」
「あ、佐藤もやっぱり死んだんだ?結構、みんな派手に死んでるね」
「あれ?」
あたりを見渡すとクラスメイトがちらほら。
「あれ?男子は死んでないのかな?」
「あ、ここ、たぶん、怪談にも出てきた女子控室だよ。間違えたんじゃ?」
と、指摘されると別の女子が否定する。
「ううん。佐藤くんって、女子だと思う。体じゃなくて、物の考え方とか振る舞いから女の子オーラすごいもの。こっちに仕分けられて当たり前だと思うなあ。私は」
ぼ、僕、そんな風に思われていたの?!
「まあ、いかにも男子ってタイプじゃないものね。心が基準なら女子判定されても不思議ではないかもね」
うう。男の子たちのことをかっこいいと思ってたけど、はっきり言われてしまうと恥ずかしい。
そんなこんなしているうちに、クラスメイトの女子がほぼ全員、部屋にやってきていた。男子は僕一人だけ。
青鬼が手を振る
「名前を呼ぶやつから、来世の肉体に誘導するから着いてこい。佐藤和也!」
「はい!」
やっぱり、間違った部屋じゃなかったみたい。言われるままに着いていくと目の前が真っ暗になった。
来世の肉体を得られるらしい。すると、急に光が差し込む。
「おめでとうございます!珠のような女の子です!」
「おぎゃー!」
「かわいいですね。きっと美人に育ちますよ」





