79 桃香がNTRれる?3
◆◇◆
16時過ぎ。
ファミレスを出た桃香は、近くのハンバーガーショップに移動する。
1階の入口で、別のオッサンと待ち合わせる。55才くらいの油ぎったブタみたいな顔の男だ。
桃香は連続でパパ活をこなして稼ぐつもりらしい。
俺たちは近くで路駐して、様子を伺っている。
「男はバブル世代ですね。いつまでもイケイケドンドンで呆れた奴らです」
運転席の氷室さんが吐き捨てる。
超金持ちになった俺はお嫁様バトルロワイヤルをやらされている。金に物を言わせて、美少女を集めていると見なせなくもない。氷室さんが集めてきたんだけど。
だが俺は美少女5人から1人を選んで、その子の一生に責任を持たないといけない。
パパ活で女子高生の束の間の快楽を買うのとは次元が違うのだ。
そもそも俺は千紘姉さんと暮らしたくて、他の女には興味なかったし。
とにかく俺は金で桃香を買うオッサンとは違うと言いたい。
桃香とオッサンはカウンターで、飲み物を頼んで席につく。
またしても桃香はオッサンに笑顔を振りまいてお接待する。
バブル世代と俺たち高校生の話が合うはずがない。
日本の景気が良かった時代なんて、もはや伝説の世界の出来事だ。
バブル以前の世代のバカ騒ぎのつけを、俺たちは押し付けられて、不景気しか知らない。貧しくなっていく一方だ。
きっと桃香は「そうなんだー」、「ヤバい」、「マジー」とか適当に相槌を打っているだけだ。早く時間が終わらないかなと思ってるはず。
桃香は苦行に耐えて、バカバブル世代から金を奪ってくれているんだな。偉い子だよ。
俺はそう思わないとやってられない。
正直、尾行に飽きて来た。
ハンバーガーショップでは、人目があるからオッサンが桃香にエロいことをする心配はない。
オッサン相手に媚を売る桃香を見ていたくないのもあって、俺はスマホをいじっていることにした。
「もう尾行を止めて、帰ったらどうですか?」
氷室さんが聞いてくる。
これ以上は止めた方がいいと匂わせている。
これから、だんだん夜になっていく。オッサンと駄弁っているだけでは済まない事態が発生するような気がする。桃香がラブホテルに行くとか……
「いえ、最後まで見届けます」
俺はスマホに目を落としながら答える。
桃香に動きがあったら、また視線を向けるつもりである。
◆◇◆
18時過ぎ。薄暗くなって来た。
桃香はハンバーガーショップを出た。バブルのオッサンはまだいる。
2人で外を歩き始めた。
今岡駅前の繁華街を歩いて行く。
氷室さんは車を路駐させたまま。
タブレット上の地図に桃香の位置が表示されているので、追跡しなくてもいい。
「JKお散歩かよ」
俺は桃香を目視できなくなったことで心配になる。まさかオッサンと手を繋いでないだろうな。ハンバーガーショップを出て、桃香の姿を見えていた範囲では手を繋いではいなかったが。
男が女子高生に金払って一緒に散歩して、買い物したり、ご飯食べたりするのがJKお散歩。
「東京だとJKお散歩が売春の温床だとして、取り締まりが強化されてます。女子高生が補導されますが、地方ではどうですかね」
氷室さんが俺の不安を煽る。
繁華街をひと回りして高架をくぐり、駅裏に行けばラブホがあるのを知っている。
「まさかセーラー服のまま、ラブホには行かないよな。さすがにオッサンは捕まるだろ」
俺は自分を落ち着かせようといい聞かせる。
18才未満の女子と淫らな行為をしたら青少年保護育成条例でオッサンは逮捕される。桃香はセーラー服のままだった。さすがにオッサンもやらないと思うけれど……
「桃香様とオッサンは焼肉屋に入りました。晩ご飯のようですね」
氷室さんが教えてくれる。
ホッとした。
「桃香は飲み食いしてばっかりだな。ご飯を奢らせて、しっかりしていると言えばしっかりしているけどさ」
俺は桃香がよく食べるから、あのデケェボディが育っているんだと納得する。ああ……俺がいくらでも食わせてやるのに。
…………
1時間ほどで、桃香とオッサンが焼肉屋を出る。
タブレットで桃香の行き先を見ていると……
高架下をくぐって、駅裏へ。ラブホコースじゃん
「氷室さん、車を出して下さい。さすがに止めないと」
俺は焦りまくり。
「ほっとけばいいじゃないですか。桃香様の本性がわかって、早くもバトルロワイヤル1人目の脱落者ですかね」
氷室さんは突き放す。
「いいから、駅裏に回って下さい」
「はいはい、わかりましたよ」
車が動き出す。
いったい桃香はどうするんだよ……




