65 ニーナちゃんとお散歩
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翌日の夕方5時過ぎ。
アニ研の部活の後、ニーナちゃんと一緒に下校する。セーラー服姿で、銀髪ツインテールのかわゆいニーナちゃんと並んで歩くと俺は誇らしい気分になる。5月下旬なのでまだ日没前。
タワマンにはリムジンで帰ることが多いんだけど、今日は歩き。
今岡駅前の本屋さんに寄って、今週発売のマンガをどっさりと買った。俺が右手に持つ紙袋はずしっと重い。
「ゆきとさんと同棲しているとマンガが読み放題なのです」
ニーナちゃんはご機嫌。
「タワマンにいくらでもマンガを置いておくスペースもあるしな」
俺は超お金持ちな上に、タワマンには書庫もある。書庫の本棚は空っぽなので、マンガを数千冊は収納できる。
「あ、でもマンガ目当てって勘違いしないでほしいです。ゆきとさん目当てなんですからね」
ニーナちゃんはアニメで日本語を学んでいる子なので、ツンデレキャラっぽい言い方をする。
でもツンデレは「勘違いしないでください、マンガ目当てなんですからね」と言うところなので逆である。とても微笑ましい。
「俺もニーナちゃんと一緒に好きなだけマンガ読んで暮らせるのは楽しいよ」
1人で読んでいるよりも、家にオタク仲間がいる方が断然楽しいに決まっている。
やろうと思えば、プライベートマンガ図書館も建設できちゃう。まあそんなに読む時間もないから建てないと思うけどね。
俺の可処分時間を、女の子5人が取り合いしているから俺は忙しいんだよな。
「ゆきとさん、よかったらもうちょっと散歩していきませんか?」
「いいよ」
「やったです」
ニーナちゃんはとてもいい笑顔をする。
タワマンに帰ると、先に帰っている麿莉奈や千紘姉さんが俺を奪いに来るからね。なるべく帰る時間を遅くしたいんだろう。
「どこに行こうか?」
「わたしは古城公園に行きたいです」
夕方の公園なんてロマンチックだと思う。
イマイチ高で付き合っている男女は、古城公園の辺りを放課後に散歩するという話を聞いたことがある。ニーナちゃんは俺とちょっとしたデートをしたいんだな。
古城公園は、その名のとおりお城跡が公園になっている。今岡市は江戸時代に今岡藩の中心地で、お城があった。今でも石垣や濠が残っている。城跡の中はいっぱい木が植えられていて、春は桜の名所である。
駅前商店街を通り抜けて、ちょっと歩くと古城公園にたどり着く。
濠にかけられた橋を渡って、城跡の中に入っていく。
道の左右はうっそうと茂った林である。ときおりジョギングする人とすれ違うくらいで、人通りは少ない。ちょっとずつ暗くなっているので、街頭が灯っている。
「あ、あの……」
ニーナちゃんがおずおずと話しかけてくる。
「ん……?」
「ゆきとさん、できれば、手をつないでほしいのです」
「え、いいよ」
「ほんとですか!?」
ぱあっと明るい顔をするニーナちゃん。
「俺の方こそニーナちゃんと手をつないでいいのって感じだけど」
ニーナちゃんは男子の憧れの北欧から来た妖精さんだからな。
俺は左手をニーナちゃんに差し出す。
ニーナちゃんが右手で俺の左手を握る。
手をつないだらますますデートっぽい感じになる。
「ゆきとさんの手はおっきいのです」
ニーナちゃんは身長140センチの子だから、手も小さい。手を握るというよりも、つまんでいる形になってしまっている。
「俺が握ることにしてもいいかい?」
「あ、はい。ぜひ」
ニーナちゃんが許可してくれたので、俺は一度手を離して、俺がニーナちゃんの右手を包むように握る。
「俺の手の方が大きいから、こうする方が自然だよね」
「うれしいのです」
ニーナちゃんは1年くらい前に俺と出会った時から、俺を慕ってくれているからな。お嫁様候補になってくれているし、手をつなぐ段階まで仲が進展してもおかしくはない。
ここまでお読みいただきありがとうございます。10万字を超えたようです。
だんだん女の子たちと深く結びついていきますので、これからもお読みいただければと存じます。




