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51 没落令嬢のリベンジ

 ◆◇◆


 俺は黒いジャージ姿。リビングのソファに座って、ニーナちゃんとゲームに興じていた。


 リビングの壁にかかった時計を見ると6時。

 麿莉奈が俺に「6時になったら味見をしに来てくれはりません?」と言っていた。


「ニーナちゃんはゲーム続けてて、すぐ戻るから」

「はいです」


 俺は立ち上がって、キッチンへ歩いていく。


 カウンターキッチンの奥、麿莉奈が立っている。ピンクのエプロン姿だ。胸元のハートマークがかわいい。


「ふふふんふーん」

 麿莉奈の鼻歌が聞こえてくる。料理を楽しく作ってくれているみたい。麿莉奈は手元を見ているので、俺の接近に気づいていない。


 くるりっ

 麿莉奈が奥の方を向く。

 後ろ姿が見えた。背中の肌が露出している。


 ん……?

 俺は何か違和感がしつつも、そのままカウンターキッチンの方へ歩いて行き、キッチンの内側に入る。


 カウンターの影に隠れていた麿莉奈の下半身が見えた。


 麿莉奈のお尻がプリンっとしており、エプロンから素足が伸びている。背中から足元まで真っ白な肌が露出。

 いわゆる裸エプロンを麿莉奈がやっている――!?


「あ、幸斗さん……」

 麿莉奈が振り返って、かああっと顔を赤くする。


「な、なんでそんな姿に……」

 硬直する俺。


 麿莉奈は作り笑いをして、俺の方に寄ってくる。


「ええと、セリフを言わなくっちゃ……ご、ご飯にします? お風呂にします? それともわ・た・し?」

 お約束のセリフを言い切った。


「いやいや、だからなんで裸エプロンなの?」

 俺は顔を背けた。


「そ、それは……幸斗さんに喜んでいただきたくて。ネットで調べたら、夫が妻にしてほしいことって出てきたので」

 麿莉奈に料理を頼んだら、裸エプロンで作ってくれているとは思わなかった。


「俺だけじゃなくて千紘姉さんもニーナちゃんもいるのに、麿莉奈は恥ずかしくないの?」


「ウチはもちろん恥ずかしいです。千紘さんにはキッチンに来ないようにお願いしてます。ニーナさんは来ないやろうし」


「と、とにかく、裸エプロンなんてしなくていいよ。部屋に行って、服着て来てよ」


「幸斗さん、ほんまにウチを召し上がってください。味見してほしいっていうのはカレーやなくて、ウチのことなんです」

 麿莉奈が色っぽい声で囁(ささや)いて、俺に抱きついてくる。麿莉奈と俺を隔てているのはエプロン一枚だけ。エプロンを剥ぎ取れば全裸の麿莉奈が現れる。


 味見をしに来てほしいっていうのは俺を呼ぶ口実で、麿莉奈は俺を誘惑しようと罠を仕掛けて待ち構えていたのだ。


「だっ大胆すぎるよ、麿莉奈は。この前のコスプレ大会ではバニーガールを恥ずかしがってたのに……」

「あの時のウチは甘かったです。桃香さんのブルマ、ニーナさんのビキニアーマーを見て、甘い気持ちが吹き飛びましたわ。氷室さんのTバックもすごかったし」


 エプロンの薄布越しに麿莉奈のおっぱいの膨らみが伝わって来る。


「だからって……裸エプロンは、ほぼ裸じゃないかよ」

 俺はしどろもどろ。麿莉奈はブラジャーも外しているんだ。


「バニーガール姿からお尻を出しただけの違いしかありませんよ。これくらいウチもやればできる子ってことをお見せしたいんです」

 麿莉奈はコスプレ大会での敗北感をリベンジしようとしているのだ。


「これくらいって……」

 俺的にはバニーガールの10倍くらいエロい。桃香の体操服ブルマの倍くらいドキドキしている。


 どこが麿莉奈に突き抜けたところがないだよ……麿莉奈は実家の家業を守るため、背水の陣を敷いている。没落令嬢が誰よりもグイグイ来る。

 

 ご令嬢は清らかっていうのは俺の思い込みだった。

 今どきはネットでなんでも調べられちゃうから、ご令嬢は不純な知識を身に着けてしまう。男に免疫のない子の方が、むしろとんでもなくエッチなことをしてくるんだな……

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