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41 夜のお勤め

「あなたたち、何をやってはるんです!?」

 背後で麿莉奈の声。


 振り返るとドアのところで、黄色のパジャマの麿莉奈と青いパジャマの藍が立っている。

 騒ぎを聞きつけてきたみたいだ。


「幸斗先輩が早速、女子を食べようとしてますね。しかも二人同時なんて。変態です」

 藍が勝手に状況分析。


「違うわー 桃香とニーナちゃんが勝手に入ってたんだから」

 俺は強く否定。


「いけませんよ、抜け駆けは」

 麿莉奈が桃香たちをたしなめる。さすが優等生。


「そうだそうだ」

 俺は助かった気分で、頷いてしまった。


「やるなら順番を決めて一人ずつにしてください」

「そうだそうだ、ん?」


「夜のお勤めは、妻の務めです。ウチだって幸斗さんに処女を奪われるのは覚悟しています。体の相性はとても大事なことやから、結婚前に確認しはるのは当然」

 麿莉奈は真っ赤な顔で、とんでもない発言をする。


「待って待って」

 俺は麿莉奈の方を向いてわちゃわちゃする。


 ついつい優等生の麿莉奈なら一緒に寝るのを禁止してくれると思ったが逆だった。むしろ推奨してる。


「みんな処女を失うわけやから、順番を決めて公平にしましょう。二人同時なんてとんでもないですわー」


「俺はそんなこと考えてないから」

 恥ずかしさでいっぱいになる。藍はニヤニヤしてるし。


「何の騒ぎですか?」

 氷室さんがひょいと顔を出す。


 いつものスーツ姿で、女王様のボンテージは着替えている。


「女の子が俺の部屋で寝るって言うんだよ」


「え……いいじゃないですか、何の問題が?」

 氷室さんまで、おかしいのは俺の方だという口ぶり。


「だ、ダメだよ。そんなエッチなことは」


「照れるのは男の子らしいですが、幸斗様はこのタワマンでは王様です。えらそーに毎晩お抱きになる子を召し出せばよろしいのです」


「そうやわ」

「えへへ、ハーレム、ハーレム」

「幸斗先輩に自分も処女を奪われるんだ……」

「わーい、氷室さんも許可したから、ゆきとさんと寝られるんですね」

 女の子たちが勝手なことを言っている。


 千紘姉さんは風呂入っているのか、いない。千紘姉さんがいたとしても、止めてくれるかはわからないが。


「結婚前にエッチはダメですって。大事な娘さん達をお預かりしているんですよっ」

 俺は狼狽(うろた)えまくり。

 普通エッチを拒否するのは女の子のセリフなんじゃないかと思う。


「今どき何をおっしゃるんです。婚前交渉は普通で、親も了解しています。体の相性はとても大事。夜の営みの不満は離婚原因の多くを占めていますから、ちゃんと確認しておかないと」

 離婚弁護士はもっともらしい感じで語る。親が了解してるって本当かよ……


 うう……

 男子高生と同棲する時点で、みんな当然エッチありだと思ってたのね。

 俺の方はエッチなしだと思ってたのに。


「みんな、幸斗さんに抱いてもらう順番を決めましょうよ」

「はいはーい。わたしの初めてを捧げるです」

「またジャンケンだな。しっかし、さっきから何でもジャンケンだよなー」

「幸斗先輩、やさしくして下さいね……」

「千紘さんはまだお風呂だから、氷室さんが千紘さんの代わりにジャンケンして下さい」


 ……お前ら処女喪失の順番をジャンケンで決めるつもりか。カジュアル過ぎて、ムードってものが全然ない。


 俺は初めての相手は千紘姉さんだと思ってたから、抵抗感が半端ない。ジャンケンで千紘姉さん以外が最初になったらどうしてくれんだよ。

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