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少し、騎士団長との距離が縮まった気がする・・・

毎回毎回言いたくはないが…( 一一)。。。。


お仕置きという名の、淫らな事をクロードに魂の世界でされて、


俺は腰やら言えない所やら痛くて仕方ないのだが。


そして、今、ベットでウダウダしていると、フィーネが朝の癒しを行うと言って部屋に来てくれた。


ベットに座る俺の手を取ってしばらくしてから、おもむろに。


「グリザス様。グリザス様の一番大事な事はなんですか?」


と問われてしまった。


「大事な事?それは…答えに困るな。」


「いいですか。一番大事な事は、お仕事をすることです。今日はグリザス様はこれから、お仕事ですよね?」


「ああ、そうだが。これから見習い達の剣技の指導を行う。」


「こんなに、腰と…ええと言ってもいいのかな…。お…」


慌ててフィーネの口をふさいで。


「頼むから言わないでくれ…」


ふさいだ口から手を離す。フィーネはぷくっと膨れて。


「言わないでおいてあげます。でも、一番大事なお仕事をするのに辛いですよね?

私の癒しは、疲れを取る事位しかできません。聖女様に頭を下げて治してもらいましょう。」


「それは絶対に嫌だ…。あまりにも恥ずかしい。」


「恥ずかしいと思うのなら、少しはイチャイチャを我慢した方がいいです。」


10歳の子供に説教を受ける俺って…


その時、扉が開いてクロードが鎧の掃除に訪れた。


「おはようございます。グリザスさん。フィーネ。」


フィーネはクロードに向かって。


「クロード様。グリザス様が具合が悪いって。イチャイチャしすぎです。」


「ああ、ごめん。昨夜はお仕置きをしていたんだ。だってさ。騎士団長とイチャイチャしていたんだよ。お仕置きしないとね。」


フィーネは驚いて。


「えええええ??三角関係ですかーーーー??」


グリザスは慌てて。


「違うっ。三角でも四角でもないっ。それにしても騎士団長は大丈夫だったんだろうか??

心配だ。」


クロードがニンマリ笑って。


「だったら、確認しに行きますか?ちょっとからかうって面白そうじゃないですか。」


いやその…ローゼン騎士団長、からかったら超不機嫌になるのではないか?


鎧を掃除して貰って、とりあえず剣技の授業が始まるので、クロードと共に王宮の庭に出てみれば、19名の見習い達が集まっていた。


グリザスは挨拶をする。


「おはよう。今日は2人一組になって、お互いに模造剣で打ち合って貰う。俺は各々回って指導しよう。」


ジャック・アイルノーツがクロードに声をかけてくる。


「お前の相手は俺しかいないだろう?」


「確かに。よろしく頼むよ。」


見習い達の中で、クロードとジャックは剣の腕前は突出している。


ギルバートとカイルが組んで、他の連中もそれぞれ組を作り、模造剣を打ち合う。


グリザスはそれぞれを見て、剣の振るい方、攻撃の仕方を指導した。


ふと、背後から声をかけられる。


「グリザス・サーロッド殿ですか?」


振り返ると見慣れない白銀の鎧を着た髪の短い金髪碧眼の男が立っていた。


「いかにも俺がグリザス・サーロッドだが。」


「俺はルイス・シャルマン。近衛騎士をしています。」


すると見習い達は手を止めて、皆集まってきた。


近衛騎士は騎士団の中のエリートである。30名しかなれないのだ。


高給取りで大抵の近衛騎士はプライドが高く、威張っている。


そして、近衛騎士が見習いの訓練の場所に来ることも普通はない。


グリザスは疑問に思い。


「近衛騎士がなんの用だ?ここは見習い達が訓練をしている場だ。用事があるとは思えないが。」


ルイスはグリザスに向かって。


「今年の見習いの中で、クロード・ラッセルという男が聖剣を持っていると聞いた。

是非。手合わせをしたくて、訪ねたのだ。許可頂けるだろうか。」


クロードは前に進み出て。


「俺がクロード・ラッセルです。近衛騎士さんになんて勝てませんよ。俺、見習いですし。

聖剣もオマケでもらったようなものです。」


ルイスは真剣な眼差しで。


「聖剣だぞ。ディオン皇太子殿下や、勇者ユリシーズ、ローゼン騎士団長と同格なのだぞ。羨ましい。凄い事ではないのか?君がいらないというのなら、俺が貰いたいくらいだ。」


クロードは慌てて。


「いらないだなんて言っていない。いいですよ。相手をしてあげます。聖剣を使った方がいいですか?」


ルイスは頷いて。


「俺もまともに勝負したい。」


グリザスは二人の間に割って入る。


「剣技の指導者として許可出来ない。クロードはこれから魔王討伐を控えた大事な身だ。ルイス殿だって討伐に参加するのだろう?何かあったらディオン皇太子殿下にどう言い訳する?ともかく、この勝負は許可しない。まことに申し訳ないが、帰って貰えないか?」


ルイスは仕方がないという風に。


「それでは、又の機会に…。失礼する。」


背を向けて去って行った。


ギルバートがその姿を見ながら。


「凄い迫力だな…あれが近衛騎士か…」


カイルも頷いて。


「入団式の時にも見たけど、本当に迫力あるよな。」


クロードがグリザスに礼を言う。


「止めてくれてありがとう。確かに、今、怪我をするわけにはいかないからね。俺も、そしてあの人も。でも、聖剣を持つって事は凄い事だったんだな…。例えオマケでもね。」


ジャックが腕を組みながら。


「俺だって聖剣に選ばれたかった。皆、そう思っている。騎士団にいるものなら全ての者が。」


クロードは胸を張って。


「選ばれたからには魔王討伐頑張るよ。」


ギルバートとカイルがクロードに向かって。


「応援してるぜ。」


「俺達でも出来る事があったら頼れよ。」


クロードは嬉しそうに。


「有難う。本当にいい奴らだな。」


それから、午前中の授業が終わったので、昼休みに入って、クロードが。


「それじゃ騎士団長の顔を見に行こうよ。」


と、グリザスを誘う。


「まずは昼ご飯を食べてきてくれ。どっちにしろ、ルイス・シャルマンの事を報告しておいた方がいいだろう。」


そして、昼ご飯を食べて来たクロードと共に、騎士団事務所のローゼン騎士団長の部屋を訪れた。


ノックをすれば、入れという返事が聞こえて。


ローゼンは執務室で、サンドイッチを食べながら、書類を見ている所だった。


クロードが呆れたように。


「騎士団長、お昼位、仕事を休んだ方がいいですよ。」


ローゼンは立ち上がって、ソファに腰をかけて。


「何だ?何用で来たんだ?」


クロードと共にソファに座る。


クロードは面白がって。


「昨夜のフローラのお仕置きどうでしたか?」


明らかにローゼン騎士団長は動揺しているようだ。顔が赤い。


冷静沈着な男と思っていたが、珍しい事もあるものだ。


ローゼンは咳ばらいをすると。


「くだらない。そんな事を聞きにきたのか?」


「魅了、かけてみようかな?」


クロードの言葉にローゼンはかなり慌てて。


「頼むからそれだけはやめてくれ。そもそも人間に魅了をかける事は禁止されていたはずだが?」


じろりとクロードを睨む。


クロードはにっこり笑って。


「冗談です。グリザスさんから報告を。」


グリザスは報告する。


「先程、クロード相手に、ルイス・シャルマンという近衛騎士が、真剣勝負を持ちかけてきた。剣技指導者として許可しないという事で、帰って貰ったが。今、真剣勝負で両方とも怪我をされたら困る。騎士団長からもルイス・シャルマンに注意しておいてくれないか?」


ローゼンは困ったように。


「まったく、近衛騎士はプライドが高いからな。グリザス。良い判断だ。クロード、今は大事な時だ。怪我には気を付けてくれ。」


「解りました。騎士団長。」


そして、ローゼンは思い出したように。


「そういえば、フローラから貰ったクッキーがある。クロード、お前にもやろう。」


「え?いいんですか?」


ローゼンはクッキーが入っているであろう大きくて可愛い袋と皿を持ってくると、クッキーを数枚、皿に開けて、残りの袋をクロードに渡す。


「味位は見ないとならない。こんなに沢山は食べられないからな。持って帰ってくれ。」


クロードは嬉しそうに。


「有難うございます。騎士団長は甘い物、苦手なんですか?」


「苦手では無いが、せっかく美味い物を貰ったのだ。一人で食べるより、見習い達が腹をすかせているだろう。皆で分けて食べてくれ。」


「ギルバートやカイルと分けて食べます。喜びます。」


ローゼンはグリザスの方を見て。


「お前も食べる事が出来れば…残念だな。」


グリザスは首を振って。


「いえ、お心だけで、有難う。」


厳しい人だが、ローゼン騎士団長はいい人だなと思う。


ローゼンは皿に開けたクッキーを一口食べて、


「なかなか美味い。香りがいい…」


クロードも袋の中のクッキーを一枚出して、齧る。


「本当ですね。まぁフローラの手作りじゃなくて、サラの手作りだろうけどね。」


グリザスがクロードに。


「フローラは作らないのか?クッキーを。」


クロードは笑って。


「公爵令嬢が料理とか菓子作りとかやらないよ。使用人が全てやってくれるし。

でも。騎士団長がお願いすれば、挑戦してくれるかもね。」


ローゼンは微笑んで。


「いや、どんなものが出来てくるか、そっちの方が怖いからな…。やめておこう。」


そう言ってから、グリザスに向かって。


「そういえば、以前、フォルダン公爵家でのお前のワインの飲みっぷりはよかった。今度、我が領地のワインを是非とも飲んで欲しい物だ。」


「ワインの産地なのか?騎士団長の領地は。」


「そうだ。一面葡萄畑で、沈む夕日に映えてとても綺麗だぞ。」


グリザスは想像した。


さぞかし、美しい光景なのだろう。


それにしても、クロードがいるせいなのか、今日の騎士団長は饒舌だ。

珍しい…。


クロードが羨ましそうに。


「いいなぁ。俺も早く酒を飲める年頃になりたい。

お酒が飲める歳になったら、騎士団長、一緒に飲みにいってくれますか?

グリザスさんも連れていきたいな。それとも、お洒落な食事処でフローラと4人で食事したい。」


ローゼンは頷いて。


「どちらも了解した。とりあえずは、食事処で食事か…グリザスは飲み食い出来ないだろうが…雰囲気だけでも楽しんで欲しい。」


何だか、4人で食事に行く方向になりそうだ… 俺も飲み食い出来ればさぞかし、楽しいだろうに…


クロードは考え込むように。


「高位魔法が俺も使えれば、空間を覆って、2時間位、グリザスさんを元の姿に戻せるんだけど…難しいんだよね。術式…。俺、もっと勉強して、グリザスさんも飲み食いできるように頑張るから。ね?」


「期待している。」


ローゼンは二人に向かって。


「これが友と言うものなのだろうか?」


グリザスはクロードと顔を見合わせてから、ポツリと。


「俺は騎士団長と友になりたい。もっといろいろな事を話せたらいいと思っている。」


クロードも頷いて。


「騎士団長と友っていうのはちょっと失礼な気がするけれど、良い関係でいたいと俺も思っています。あ、そろそろ行かないと。午後の授業が始まるんで。」


クロードと同時にグリザスも立ち上がる。


クロードがローゼンに向かって。


「それじゃ約束ですよ。食事行きましょう。勿論。騎士団長、奢ってくれるんでしょう?」


ローゼンは仕方ないという風に。


「この中で一番、給与が高い私が奢る事になるのだろうな。楽しみにしている。場所は私が探しておこう。」


グリザスもローゼンに向かって、礼を言う。


「有難う。俺も楽しみにしている。」


食事は出来ないだろうが、皆と一緒に話が出来るのがそれは楽しみで。


クロードが廊下を歩きながら、グリザスに。


「珍しいな…騎士団長、いつも不機嫌でカリカリしているのに…まぁ、フローラが一緒だったら、会話に困らないだろうな。」


「そうだな。あの騎士団長は友というものに、内心憧れているようだった。

友になれればよいと思っている。」


クロードが立ち止まり顔を近づけてきて。


「浮気は駄目ですよ。あくまでも友達関係でね。」


グリザスも負けじと。


「フローラ・フォルダン嬢と親しいようだが、クロード。お前こそ浮気はしないでくれ。」


「俺は、可愛い令嬢にいい匂いがするって、喜ぶ変態さんじゃありませーん。フローラとは幼馴染で、友達っていう感情しかないよ。」


「初恋の相手のくせに。」


「俺の心を読むな。」


「いつも俺の心を読んでいるだろう?」


思いっきり授業が始まっている時間になってしまったのでは?


騎士団事務所の廊下で痴話げんかをしてしまった。


クロードがかじりつくように俺の兜の口元辺りにキスをしてきて。


「ああ…何だか盛っちゃった。思いっきりグリザスさんにセクハラしたい気分。」


廊下の壁に押し付けられた。


鎧の腿を撫でながら、兜をずらして、骸骨の歯をむき出しにし、唇を押し当ててきた。


そして甘く囁いてくる。


「ねえ。口を開いてよ。ああ、グリザスさんの腰って…鎧の上からでも解る…

細いんだよね…」


腿から腰を触られる…そのまま、他を触られたら…


何だか変な気分になりそうで。


「クロード。授業を受けに行こう。俺はさぼりたくない。」


身を離すと、兜の口元をもとに戻して、先に歩き出す。


クロードはハァとため息をついて。


「まぁ楽しみはまた後でかな…」


二人は午後の授業に遅れて参加した。




ローゼン騎士団長の心が少し解れたのは嬉しい事だな…


皆で楽しい時間が過ごせたら…俺も嬉しい。




外はまだ冬…春はまだ遠く、冷たい風が吹いているのであった。


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