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第二話 錯綜する思考 羽元香織編

 1組所属の羽元香織は、隣でよく分からないが、クククと気持ち悪い笑みを浮かべている14組の立命公使と共に、廊下でたそがれていた。

 それにしても、この人は私に何のようがあって声をかけて来たんだろうか。香織は首をかしげながら、隣にいる未だに気持ち悪く笑っている公使をチラっと見た。公使はその視線に気づいたのか、突然、ハっとするような美貌の真顔になり、好青年のような笑みを浮かべた。


 「どうかした?羽元さん?」

 「え・・・え~と。な、何でもない!」


 いきなり声をかけられたので、香織は驚いてそんな返事を返してしまった。実際は、何かあった処では無かった。この男が、自分に話しかけて来るとは思って無かった。お前のさっきの笑みは無理。何で私を呼び出しといてきもい笑みを浮かべ続けていたの。話しかけるの遅っ!!!とか言いたい事はやまほどあったのだが、好青年の笑みを見せられると言いたい事もしぼんでしまったのだ。どういう訳か、胸の中がトクトクと脈打っているのを感じた。


 「嘘だね。まあ、それは良いんだよ。君は1組だよね。って事は播磨君を知っているかい?」

 「当たり前でしょ!同じ組なんだよ。ついでに言うと、海神大河も知ってるよ。何でそんな事聞くの?」

 「別に。興味があっただけ。」


 何なのこの人。それが、香織の感じた公使に対する評価だった。めんどくさい人に呼び出された物だ。数時間前に、下駄箱を覗いてみたのが運のツキだった。それにしても、彼は私に何の話があるのだろうか。まったく、その核心には迫れてないが。自分から、話をふるのだけは辞めておきたいと香織は思っていた。


 「うーん。そうだよね。君的には、俺が君に何の用だこの野郎!!!このきも男!って感じだよね。しょうがないから、今から説明するよ。」


 

 香織は内心ギクリとした。この男、私の心が読めるのだろうか。その内容は、完全に香織の思っていた事その物だったのだ。香織は公使をジっと見つめたが、彼は全く意に返してないようで、ニコニコとほほ笑んでいる。見透かされているならば、もういちいち良い顔をしなくて良いと香織は判断し、ニコリとほほ笑んだ。


 「そうだね。確かにその通りの事を思ってた。というか、一字一句全く間違いが無いくらいだよ!それで、私に何の用なのか。説明してくれるんだよね?」


 香織は笑みを張り付けたままそう聞くと、公使はやや笑みを引きつらせたが、つらつらとテンポよく説明し始めた。


 「君は一組だからってのが一番の理由かな。だって、この学園では学力だけがすべてだ。他の一芸に秀でた子は、他のクラスにいる事が多い。例えば、田畑君みたいな人だ。ようするに、僕は一芸ひいでた人間じゃなくて、普通の子と組みたかったんだよね。それで、このゲームの中で一芸にひいでていない普通の子が君って訳だ。一芸にひいでているのは僕一人で良いからね。これでだいたい言いたい事が分かったかな?」


 さっぱりだと言いたいところだが、ある程度分かってしまったので、香織は腸がにえくり返りそうな気持ちになった。ようするに、私は平凡な馬鹿女だと言いたいって訳だ。怒りのせいか逆に頭がさえて、ふとある事に香織は気づいた。


 「待って。って事は、播磨君に興味を持ったのって、それが理由?」


 香織がそう聞くと、「その通り」と言って、公使は指をパチンとならした。


 「その通りだよ。羽元さんはさすがだ。頭の回転とかだけは良いね。」

 

 それって誉めているのか。とツッコミと入れたい処だが、香織はグっと堪えて、「それで?」と話しをうながした。その香織の反応に気をよくしたのか、公使は余計なことを言う事なく話の続きをし始めた。チョロイな。


 「ええとだね。俺の予想だと、他の人たちはもうすでに、班が出来上がっている。唯一参加できていないのは、1組の二人と海神大河だ。彼を引き込みたいが、しかし、海神大河は一人を好むだろう。という訳で、親友同士の播磨姜維を使って誘いこもうと思ってる訳。君もあぶれているし、かわいそうだから、入れてあげようって算段かな。」

 「なるほど。私は別に良いよ。播磨君にも、寮についたらそれを話してみる。」


 香織の反応に、公使は飛びつきそうなくらいに喜んだ。全く癪にさわる人だけれども、頭も良いのは良いけれども、ちょろいな・・・。と香織は内心声高らかに笑った。



 「助かるよ。それじゃ、俺は自分の寮に戻って、作戦を練ってくる!じゃぁ!海神大河の方もよろしく!!!」


 公使はそう言いながら、廊下をかけだしていった。嵐のような人だなぁと香織は思いながら、フフンと笑った。


 「立命公使。私。播磨姜維。海神大河。私の思った通りの構図ができそうね。でも、海神大河はどうかしら。あの人、私の予想では、やっぱり“独り”でいるんじゃないかな。」


 香織は一人でそうボソっと呟くと、またフフンと笑いながら、廊下をスキップで進んで行ったのだった。


 高田勇編に続くー。

香織ちゃんは、結構普通ですが、裏がありそうですね。。。

さぁ、これからどうなっていくんでしょうか・・・。

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