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第二話 錯綜する思考 レナ・G・マグノリア編

 多分、今回のキャラ達が一番キャラが濃ゆい気がします・・・。う~ん。そこそこモブなのも交じってるのになぁ。(笑)

 レナは、一人でボーっと上空を漂う雲の動きを観察していた。と言いたい所ではあるが、実際の所。レナことレナ・G・マグノリアは、高校の校舎の中に、どういう訳か存在している山に建てられている、高台の広場の端っこにある手すりに手を置いて黄昏ていた。

 レナは、自分はどうしてこういう事になったのか、とてつもなく不思議に感じていた。ただ日本の文化を知りたくて、大学に入るより早い段階で中学の最後らへんで鳴らした後、高校に留学しに来ただけなのに。(ようするに中学の最後の最後から留学しに来た。)どうして、こんなクレイジーな事になったのよ!!!レナは、そう言いたい気持ちを抑えようとするあまりに、自分の世界に閉じこもってしまっていた。


 「ママ・・・。会いたいよ・・・。」


 家族が懐かしかった。数か月前に別れて一人で日本に来た。正直、家に帰りたい。もう嫌だ。こんな所で何もしないで帰るのはシャクに触るけれど、とりあえずもう逃げ出したい。なんで私がこんな目に合わないといけないのよ!!!


 「くそったれ!!!」


 レナは自分の失言に、思わず手を口に当てた。いつものくせで、女の子なのに「くそったれ」「くそくらえ」などの暴言をたまに言ってしまうのだった。ママにこれを口走る度に、お尻を思いっきり叩かれた。私の体系が、ボンキュッボンな体系をしているのは、ママの折檻のおかげだとレナは信じていた。じゃないと私のお尻がこんなに大きくなるハズが無いわ。ついでに太ももも。このお腹周りの周りには大きい。


 「おいで・・・。私の可愛い娘・・・。」


 すさんでいるレナの後ろで誰かの声が聞こえた。誰だろうと思い、後ろを振り返ってみると、そこには大きな男と小さな少女が立っていた。しかし、少女の身長はレナと同じくらいで163cmくらいなので、それを考えると、男の身長が高すぎるのだろう。見た感じでは、195cmくらいはありそうだった。この二人が親子であるようだが、その様子にレナは違和感を感じた。


 「何パパ?私、早く留学の手続きをすませたいのよ!!!」

 「ダメだよ。早く行動し過ぎても良い事なんて一つもない。ここは焦らずに、この場所をゆっくり堪能しようじゃないか。」


 2人の会話を見ていてレナは気づいた。彼らのような人種を見慣れているので違和感を感じていなかったが、そういえば、ここは日本だった。彼らはどう考えても、私と同じイギリスの人間のようだった。英語で会話しているが、英語のアクセントがイギリスなまりだった。私と同じような子がいて嬉しい反面、羨ましいとレナは思った。彼女は、この“ゲーム”に参加しなくていいのだから。


 「ねぇパパ。あそこに女の子がいるわよ!!!しかも、私達と同じ国の人みたいだわ!」

 「そうだね。ちょっと挨拶しようかな。日本語で。」


 2人はレナの存在に気づくと、何やらヒソヒソ話をしながらこちらに歩いてやって来た。レナは不振に思って、少しだけ後ずさると2人は、更に間を詰めて来て、ニコリと笑った。


 「こんにちわ。私の名前は、キャサリン・E・メローヴィング。隣にいるのは、パパのエリック・A・メローヴィングよ。よろしくね。あなたの名前は何ていうの?」

 「私の名前は、レナ・G・マグノリア。よろしく。あなた達もここに留学して来たの?」

 「えぇそうよ。勿論、パパは違うけれど。でも、一緒に住むの。パパはここに転勤する事になったから、丁度良かったわ。私って幸運ね。でも、どういう訳かママは来たがらなかったから、イギリスにいるわ。」

 

 うらやましい。レナが最初に思ったのはソレだった。うちの家族は、日本に来る事を頑として拒んだのだ。怖いくらいに。日本にでも恨みがあるのでは無いかと疑うくらいだった。しかも、私は両親ともに来たがらなかったのだ。けれどこの子には、父親が一緒だった。私にはいないのに。それがとても悔しいし悲しかった。ちょっとだけだが、殺意も沸いた。そして、無性に家に帰りたくなるのだった。家族に会いたい。


 「私の家族は、日本には来たがらなかったんだ。良いな。羨ましい。」


 レナはここで嘘をついてのしょうがないので、殺意が沸いたというのだけは隠して、率直な気持ちを告げた。そして、改めてこの2人の親子を見た。父親のエリックは、身長が高くガッシリしていて、まるで寓話などに出て来る、ベルセルクを思わせる風貌をしていた。しかし、彼の声音はしっとりしていて、尊大な雰囲気を漂わせていた。それに対して娘のキャサリンは、全く正反対で、とても華奢な体つきをしており、とてつもなく美しかった。しかも、見た感じで言うと、レナと同類でお喋りな印象を受けた。しかし、その声は透き通っていて、世界中の男をうっとりさせるだろう声音をしていた。そして、ここが重要。日本語うますぎ!!!

 レナもそれらの事を言われる事が多く褒められて、もっと褒めて!!!と調子に乗っていた時期もあったが、美しさも声の方も、私と一緒かそれを超える美しさを彼女は持っていた。むかつく事に、日本語のペラペラさも・・・。と、それだけ観察している事で、レナは改めて新たな事実に気づいた。この親子は明らかに、親子じゃないと思ったのだ。何故なら、父親がどうみても、20代の後半に差し迫るかどうかの年齢にしか見えなかったからだ。整形でもしてたら別だけど。


 「本当に親子なの?本当に親子だとしたら、とってもお父様は若いわね。」


 あまりにも若いので気づいた時には、レナはそう尋ねていた。「勿論よ。パパは若く見えるのよ。肌年齢も20代前半だったわよ。」レナの問いに、キャサリンは一瞬だけどうしてか顔をしかめたが、すぐに笑みを作って答えた。隣にいるエリックも「そうです。」とだけ答えて、ニッコリと微笑んだ。


 あまり納得出来なかったが、これ以上は聞くなと言われているようで、レナは背筋が凍りつくのを感じた。この2人には絶対何かある!!!とは思ったが、それは心の中にしまっておく事にした。


 「私は今から寮に戻るんだけど。あなた達、職員室に行きたいんだったら、校舎まで案内するけれど?私、2組だから、校舎の隣に寮があるんだ。」


 レナがそう提案すると、2人はしめた!とばかりに、その提案に飛びついて来た。その勢いに圧倒されたが、何とか笑みを作るとレナは、2人を職員室へと案内したのだった。レナは一人先に歩き始めた。


 そんな時、後ろの2人はレナには聞こえない声で話し始めた。


 「あれが、マグノリア家の子なの?思ってたより、普通じゃない。しかも、2組って・・・。」

 

 キャサリンがムスっとした表情で、そう言うと、エリックはダメだよと言って彼女をたしなめた。


 「あの子は重要になるんだからね。このゲームで、きっとキーパーソンになると思う。だからって嫉妬はいけない。僕たちは、この物語には必要な存在なんだから。我慢するんだ。お前にも、チャンスはあるんだからね。」


 エリックはそれだけ言うと、優しく自分の娘の頭をなでてやった。娘は、頭をなでられるのが好きなのだ。そうすると、いつも怒っていても、へにゃっとなって、アホな顔になる。


 「こ、今回だけなんだから・・・っ」


 キャサリンはフンとすました顔で、ソッポを向いた。そして、目を一瞬だけキラリと輝かせると、レナの横に飛び出して行き、彼女の腕にギュっと自分の腕をからめた。エリックは、呆れたように頭を抱えながらも、フっと微笑んだ。


 「キャサリンとレナ・・・。彼女達は、“本物”なのかな?」


 エリックはそう呟くと、小走りで前を突然走り出した2人を追いかけたのだった。




secret seen...



そんな3人の様子を後ろの方で木に隠れて見つめていた3人の生徒がいた。6組 飯本(いいもと) 涼太(りょうた)。4組 松本(まつもと) 達志(たつじ)。10組 大山口(おおやまぐち) 春香(はるか)の3人だ。彼らは、彼女達が立ち去るのを見届けると、高台の交流スペースの丸太の形をした椅子に腰かけた。


 「どう思う?達志。今の親子。」


 涼太は不安げな顔をして、達志にそう尋ねると、達志はフンと鼻をならした。ついでに、春香も一緒になって鼻をならした。


 「どうって。やっぱりって感じやん。俺らと同じような物が来るのは目に見えてたし。」


 達志がそう言うと、春香もその通りとばかりに頷いた。


 「そうそう。私達と同じだったね。母親の方がそうなのかもしれないけれど。深い事はよく分からないって感じじゃないかな。あーでも。両方って可能性もあるかな?だって、メローヴィングだしね。」


 春香が無邪気に笑ってそう言うと、まずいと言って涼太は彼女の口を手で押さえた。春香は苦しそうにジタバタともがき始めた。しかし、次第に息が出来なくなったのか、その抵抗もゆるやかになっていき、最終的には気絶しかけていた。


 「涼太。それ死にそうちゃう?」


 達志はスっと椅子から立ち上がると、顔を真っ青にして、春香の赤黒くなっていく顔をおそるおそる指差した。春香は抵抗を止めたせいか、口をあけっぱなしにして、ダラリとたれているので、せっかく可愛い系美少女で通っていると言うのに、すごく間抜けな上にブサイクな顔になっていた。

 達志の言葉に、涼太はハっと我に返って、春香の口から手を放した。春香はその途端、ブハっと息を思い切り吸い込んだが、もうすでに気絶しちゃっていたようで、ぐったりと倒れたままだった。


 「やっだ~。もう涼太ったら!!!」


 口元に手を抑えながら、達志はもう片方の手で、涼太の肩を思い切り叩いた。涼太はその攻撃力に、おもわず地面に倒れてしまった。しかも、片方の腕はあまりにもジンジンして痛いために、もう片方の手だけで立たなければいけない事になってしまった。


 「この馬鹿力!!!」

 「ごっめ~ん!!!」


 涼太は立ち上がって、顔に青筋を立てて、達志に怒鳴りつけたが、達志は体をクネクネさせて謝った。その達志の行動が、更に涼太の怒りを増幅させたが、いつもの事なので、涼太はため息を何回かついた後、落ち着きを取り戻して行った。


 いつも達志は、「俺オカマちゃうし。ホモちゃうし。」と言っている親友なのだが、言動と行動が違っており、先程も言っていた事から分かる通り、「やっだ~!!!」「ごっめ~ん!!」など、いちいちナヨナヨしい言動が目立ち、「この筋肉最高~!!!」とスマホに漫画のキャラの筋肉を称賛しているので、どっちだよ!!!と叫んで、つっこみたくなるキャラをしていた。しかも、結構な鶏頭をしていて、そこそこボケた発言をする。涼太自身も天然な気があるが、この親友といると、自分が至って真面目な普通な人間に思えて来るから不思議だった。

 ふとそんな事を考えている場合ではないと気づいた涼太は、その思いを振り払うかのように頭をブンブンと振ると、達志に向き直った。


 「それで、あの親子がどうしてここに?俺たち下っ端なんかと違う。貴族の家系の人間だ。しかも、マグノリア家のご令嬢もおひとり様で来ている。どうなっている?俺は何も知らないぞ。」


 涼太のその疑問に達志は困ったような顔をみせた。達志もそこまでは考えていなかったし、知らなかったらしい。


 「それを聞かれても困る部分はあるよねぇ~。あそこらへんは謎やし。まぁ、ゲームの中で探ってけばええんちゃう???ってアレ・・・。涼太。急いで春香を起こして逃げなあかん。あそこから誰かが来てるし。」


 達志の言葉を聞いて、涼太はその達志の言った方向を振り向いた。確かに、その方角からはマントを被った何人かの男がこちらにやって来ていた。多分、あの入学式の会場にとんでもない事をして現れた奴らのうちの数人に違いない。涼太は危機感を感じて、急いでいまだにグウの音も出ない様子で気絶して倒れている春香の元に駆け寄って、彼女を達志の力を借りて、背中にかつぐと急いで、逆の道から山道を下って行ったのだった。



secret seen end....



 田畑兼続編に続く-。

どんどんと新キャラを投入です。多分、平和パート?の度に、こ~んな不穏な空気をかもし出す伏線キャラを出していくんで、以後よろしくです。


 それにしても・・・。主人公以外の方がキャラは立ってる気がするなぁ・・・。


 まあ、そこは気にせず・・・。どんどんキャラを立てていこう・・・。って言っても、奴の出番はまだ無い!!!


 つらいなぁ・・・(;´Д`)

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