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第五十二話『プレマッチへ』


「あらら……行っちゃったわねえ? 質問がどうとか言っていたけど、良いのかしらね?」

 肩をいからせながら学食を出ていくシモーヌを見送り、翔華がつぶやいた。

 しかし、綾香は嘆息するのみである。

「……後からまた聞きに行くんじゃないか? それより、七対七のクラスマッチなんて、ほんとにやるのか?」

 少し堅い口調で問いただす綾香。しかし、翔華は気にした風でもない。

「もちろんよ。月末の『クラス対抗戦』のプレマッチみたいなものね。ま、シモーヌちゃんの意図からは外れるだろうけど、週末開催って事にするわ。七組も八組も今日初めて動かす子ばかりだしね。後、アキとウエストロードは出場禁止ね」

「わかりました」

「妥当なとこだねい」

 翔華の言葉にうなずくアキと苦笑いするクリス。

 それにうなずいた翔華は、ふと、何事か思案し始めた。

「そうねえ。あたしのポケマネから何か賞品も用意しましょうか。その方がみんなもやる気になるだろうしね」

 それを聞いてひばりが目をしばたたかせた。

「よ、良いんですか? 賞品だなんて」

「ん? 良いわよ? せいぜいがレジャーランドの優待券とかぐらいだしね。まあ、ほんちゃんのクラス対抗戦を盛り上げるためみたいなものだしね」

 心配げなひばりに翔華が笑って答えた。

「ともあれ、初実習でがんばって操作練習なさいな」

 そう言いつつ、翔華は白衣を翻しながら去っていった。




「なんだか大げさなことになったなあ……」

 嘆息し、背もたれに体を預ける綾香。そんな彼女にひばりが笑いかけた。

「けど、練習する時間ができたんだし、良いんじゃない?」

 だが、綾香は眉根を寄せたままだった。

「いや。今回に限って言えば、良くはない」

「ふぇ?」

 言い切る綾香に、ひばりは?マークを飛ばし、周囲の人間が注目した。

「今日、この後の授業で対決すんならあたし達の勝率は高かったんだ。考えてもみろよ。アキのリンクネット歴にかなう奴はいないだろうし、クリスの姐さんも去年の蓄積がある。加えて今朝の騒動のおかげであたしとひばりはある程度動かして経験を積んでる。シモーヌの奴はともかくとして七組の連中は初めての奴ばかりだろうし、あたし、ひばり、アキ、クリスの姐さんの四人で勝てたと思うんだ」

 綾香の言葉に、ひばりは小さくうなずいた。

「けど、対決までの時間が延びてしまうと、あたしや綾香ちゃんのアドバンテージが無くなっちゃう。それにさっきの理事長さんの言葉から、クリスやアキちゃんが参加できない。あたし達八組の有利な点が無くなっちゃってるね」

「そういうことだ」

 ひばりの言葉に綾香はうなずいた。

 その彼女の横合いから、両手に空になった食器とトレーを手にしている。鷹久が声をかけてきた。

「どちらにしても、まずはクラスのみんなに説明して、メンバーを選抜しないとね。これ、片づけてくるよ」

 そう言って、彼は返却口へと向かった。

 それを見送った綾香はひばりの方を見た。

「なんにしても、みんなに説明して協力を仰ぐとこからだな!」

「そうだね」

 気合いを入れたらしい綾香に、ひばりは笑顔で応えた。

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