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プロローグ:優希が野球をやめた
久しぶりの投稿です。今回は自分の趣味に走ってみました。
某野球漫画の夢妄想をしていたら、オリジナルキャラクターだけで話が盛り上がってしまったので形にしてみました。二次創作ではありません。
優希が野球をやめた。
その事実は本人の口から直接ではなく、監督の口から俺たちに告げられた。
「何でだよ!?」
立ち上がって抗議する俺に、全員の視線が集中する。
監督は動じることなく淡々と話を進める。
「受験に専念したいと言っていたので本人の意思を尊重したまでだ」
そして最後の一言は俺を牽制するように言った。
「けして俺がそそのかしたわけではない」
返す言葉が見つからない。その場が静まり返った。
隣に座っていた達也に「翔太、座れ」と袖を引かれ、俺はとりあえず腰を下ろした。
ミーティングはそのまま、何事もなかったかのように続けられた。
俺はおさまらない苛立ちや喪失感をもて余して、地面を叩いた。