第二回オフ会
聞きたいことは山ほどあったものの、駅前で騒ぐのは迷惑だろうということで一旦予約していた店へ入ることにした。
「それで、本当にメサイアなのか?」
「ええ、そうよ」
疑心暗鬼になりながらも聞いてみると、平然とした様子で返事をしてくる。
「委員長はそんなに驚いてないわよね?」
「まぁ確信してたわけじゃないけど、薄々気づいてたものね」
「そうなんですか?」
「だって、あなたたちが初めてのオフ会をした後、メサイアとしてルシアンに相談を受けてるのよ?」
「お、おい! それは言うなって!」
「相談?」
二人には少し気弱になってたことを知られたくなかったんだが。沙織がその話を出した途端、目を輝かせながら彩花と鏡花は訊いていた。
「ええ、オフ会であった二人がクラスで仲が悪い二人だったからどうしようって。ゲーム内の仲は悪くなりたくないとも言ってたわね」
「へぇ……」
「そうなんですね……」
沙織の話を聞いてニヤつく二人。
「なんだかんだ言って私たちのこと好きじゃないですか?」
「本当よ! 裏ではそんなこと思ってたなんて」
「この際だからハッキリ言うけど、そりゃあ仲良い友達がいなくなったら嫌だろ」
「友達? カップルじゃなくて?」
「沙織は話がややこしくなるから黙ってなさい」
やっぱりこいつはメサイアだと確信できるような発言だった。忘れかけていたが、こいつは、二人から求婚されている俺を一番面白がっていたやつなのだ。
「こうやって、二人に面白がられるから話されたくなかったんだよな」
「えーいいじゃない。私たちは新しい一面を知れて嬉しいわよ」
「はい。もっと知りたいくらいですし」
「他の にもあなたたちが知らないエピソードもあるわよ」
「えっ本当!?」
「聞きたいです!」
「……でもそれだけで正体がわかるはずもないだろ?」
これ以上変な黒歴史を話される前に、強引に話を戻した。
「まぁ、そのエピソードはまた後でメール送るわね」
「はい!」
「楽しみにしてるわ!」
「本当に変なことは送るなよ」
「わかってるわよ——それで話を戻すけど、もちろんそれだけじゃ確信してたわけじゃないわよ。でもその後、あれだけ仲が悪かった司と清水姉妹の仲が改善されてるもの」
「まぁ、急に挨拶してきたもんな」
「あれは悪かったわよ……」
「それに、家具の材料集めから、今まで真面目だった鏡花さんも授業中ウトウトしてたし、明らか変だったわよ」
「なるほどなぁ」
沙織視点からだと、あからさまにわかる証拠ばかり提示されていたと言うことか。
そりゃあバレててもしかないか。
「だからオフ会を申し込んだのか?」
「まあ簡単に言えばそう言うことね。それでスッキリもするし」
「もし違う人だったらどうするつもりだったんですか?」
「もちろん直帰に決まってるでしょ。こう見えてネットには気をつけてるつもりだし」
「まぁ色々慣れてそうだよな」
「何よ」
「いや別に」
腐女子だもんな。そう言うところの対処の仕方はちゃんとしているという偏見がある。
「まあこれからは堂々とリアルの方も観察できるわね」
「厄介カプ厨出たな」
「でも委員長、学校でその話出さないでよね」
「私達は一応隠してますから」
「わかってるわよ。他の人がいない時だけにするわよ」
「ありがとうございます」
いまだに学校では二次元嫌いキャラを突き通している二人だからな。今更受け入れるのも変な話だし変えるのは難しそうだけど。
「もう堅苦しい話はよさない? せっかくだしパァーッと楽しみましょ」
「そうだな」
「休養も久しぶりですし」
「はっちゃけますか!」
そして、そこからはまるでゲームの中のようにいつも通りの会話を続けてオフ会が終わった。




