第14話 主従関係
side 狂信者
さて、ギルドでの一件の後のお話。
しれっと帰ろうとするテーレさんをなんとか引き留め、実行犯のテーレさんには責任として怪我人の搬送と治療をお願いしつつ、私が始末書などを書いて事件を『ちょっとしたケンカ』という範囲に収めることでどうにか大きな問題にせずに宿には帰ってこられましたが……テーレさんの様子がおかしいように感じられますね。
吹っ切れたような、妙に上機嫌なようにも見えますが……先程の強引な行動はむしろ不機嫌な時のもののようにも感じられますし。
「テーレさん。お尋ねしても?」
「うん? なに?」
「あの行動の意図を確認したいということです。周囲を唖然とさせることであの場を穏便に収めるには有効な手だったことは結果を見ればわかりますが……テーレさんはよかったんですか? そのために、私とその、唇を重ねるというのは」
「ふーん、ディープキスとは言わないんだ」
「ああ、やっぱりキスだったのですか。もしやとは思いましたが」
『もしや』といっても、内心で想定した確率的には六分の一か二くらいの仮定でしたが。
「何その反応。まるでキスの内には数えないような下手なキスだったみたいで心外なんだけど」
「これは失礼。あまりに急だったもので」
最有力の説として天使の文化に特有な儀式的行為か何かだという線をずっと考えていました。『オズの魔法使い』のドロシーさんへの魔女による祝福然り。性的なものとは根本的に違うものかと。
まあ、キスだとしても人間と天使では重要度の認識が違う可能性は大いにありますが。人間が犬に口周りを舐めさせるのもキスと言えば濃厚なキスと言えなくもありませんし。
「ふーん、一応、ベテランの女スパイくらいの熟練度のスキルだったはずなんだけど。感想は特にないの?」
「そうですね……おそらく快楽系統に分類されるべき刺激が発生したのは確かですね。しかし何というか、不意打ちで口に極上のお菓子を放り込まれたようなものでしょうか。驚いてよく味わわずに呑み込んでしまった感じですかね」
「そう……じゃあ、今度はちゃんと確かめてみる?」
テーレさん、顔が近いです。
というか、この部屋に入ってきた時からテーレさんとの距離が異様に近いのですが。
さらに迫られるともはや捕食寸前、壁ドンならぬ床ドンに近い状態です。
「私さ、よく考えたんだよ。あなたはなかなか私の思い通りに動いてくれない。無駄に頭が良くて、理屈っぽくて、しかもそれが変に屈折してる。言うことを聞かせるにしても、素直に受け入れるくせに妙なところでこだわって予想外のことをする。何が悪いのか考えたよ。それで思ったよ……じゃあ、何も考えられないようにしちゃえばいいかもってね」
ふむ、なるほど。
これはあれですね。私は知らない内にテーレさんに我慢を強いていたようです。
要反省です。この局面を切り抜けた上でまだ反省できる思考力があれば。
「私が積極的に転生者を傷付けるのはダメだけど、傷付けるんじゃなきゃ、気持ち良くするなら大丈夫だよね。どうせだから、スキルレベル200の技でドロドロに理性なくなるまで弄くり回して、私に依存させて、一人じゃ何も出来ないようにしちゃえばいいよね。勝手なことなんてしようと思わないようにしちゃえばいいよね。全てはディーレ様のためなんだから」
これは……どうしましょうかねえ。
様子のおかしいテーレさんを突き飛ばすのは簡単……ではありませんが、この状況を崩して逃げるのは不可能ではありません。
しかし、『全てはディーレ様のため』ですか……
「うーむ……はい、いいでしょう。テーレさんがそれでより幸福になるというのなら、それもいいでしょう。どうぞお好きなように」
なら、抵抗は別に必要ありませんね。
私がテーレさんの思惑通りに動くようになるかはともかく、負担をかけてしまった反動がこれだというのなら、甘んじて受け入れるのも悪くないでしょう。考え方によっては合理的な方法と言えますし。
まあ、私も主導権はともかく、テーレさんが初めての相手ということに関しては全く文句はありませんし。
「……嫌がらないの?」
「前にも言った気がしますが、私はテーレさんを本気で信愛していますので。曲がりなりにもそれだけ本気の愛を送り返していただけるならそれはそれでありかと思いまして」
……おや?
テーレさん、どうしました? 力が弱まりましたが。
何ですかその意外そうというか虚を突かれたかのような表情は。
「……受け入れ早すぎ。萎えた。クエストまで寝る。おやすみ」
……そうですか。
そういえば、テーレさんは私が嫌いでしたね。
だったら、無理をする必要もないでしょう。残念に思う部分もありますが。
「わかりました。では、時間になったら起こします。しばしの間、よい夢を」
不貞寝してしまったテーレさんに布団を軽くかぶせ、退室します。
据え膳喰わぬは何とやら……とは言いますが、肉体的にであれ精神的にであれ、休養を欲している女性の安眠を邪魔するくらいなら恥知らずで十分ですしね。
いやはや、それにしても、テーレさんの愛を受け入れるかどうかは別として、服を脱がされることがなかったことにはほっとしています。
危うくバレるところでしたが……期せずして、『完成度』が確認できたということは幸運だったと見るべきでしょう。
女神ディーレの加護に感謝を。
はてさて、光陰矢の如し。
時は過ぎ去りクエストの時間です。
待ち合わせ場所の鉱夫小屋に集合しましたが……
(盗賊が利用しているらしい坑道の、街の外から侵入するモンスターの調査。仕事としての重要度は高そうなのに、専門の冒険者や兵士はいないんですかね?)
失礼かもしれませんが、全体的に味方の戦力が貧弱なように感じます。
私とテーレさん以外に六人、一応帯剣はしていますが、狭い坑道ではロングソードより短剣やナイフのような取り回しのいいものの方が良さそうな気がしますが。
ちなみに私の武装はテーレさんが見繕ってくださった鋼の警棒と、投擲用の石が詰まった皮袋です。私が刃物を持つのはまだ早いとのことですので。
確かに、慣れていない人間が刃物を振り回しても自分を傷付ける可能性が高いですし、相手に当てるのを躊躇って動きが悪くなるくらいならただの棒の方がまだ勢いよく振るえるというもの。
まあ、警棒は主に防御用ですが、本気で振るえば目なり喉なりに当てて相手を沈黙させることも可能です。
今までの訓練でも、石を投げて逃げながら疲れさせて動きが遅くなったところを狙うというやり方でした。
まあ、石を投げている段階で逃げられることもありましたが、生き残りを優先するなら相手を瀕死まで追い込まず逃がすというのも合理的な戦法の一つと言えます。
今回のクエストでも、最優先は『調査』。
具体的には、鉱夫たちが見たというゴブリンらしき影についての事実調査で、発見したら無理に討伐せずともよく、場所を明らかにした後に撤退が推奨されています。
これは、ゴブリンというのが背丈の小さな鬼のようなモンスターで狭い場所での交戦では人間の不利になりやすい相手だからとか。存在が確定したらゴブリンの嫌がる臭いのする煙で燻すなどして外に追い出して囲んで殺すそうです。
まあ、実際にゴブリンが見つかることは少ないらしいですが。
あとは、もしも盗賊と遭遇したら、その場合でも戦闘はできれば避けるように言われています。過去には用事で調査中に坑道に入った鉱夫が盗賊と勘違いされて問答無用で斬り殺されてしまったという痛ましい事件もあったそうなので。
そう考えると、この冒険者の装備が坑道専用になっていないのも、坑道での戦闘がまずないからということかもしれません。
まあ、テーレさんは素手でも十分強いので関係ないと思いますが。
「全員揃ったな! 今回のクエストでパーティーリーダーを務めるバルザックだ! 楽な任務だと聞いている者もいるかもしれないが、不測の事態はいつでも起こりうる! 油断せずに取り組んで欲しい!」
そうこうしている内に、全員の集合が完了したようですね。
バルザック氏を含めて全員で9人、狭い坑道では三人組を三班と言ったところでしょうか。仮に前後、あるいは脇道のどれかから想定以上の集団に追い立てられても一班が道を塞いで残りが撤退に集中できます。調査任務なら丁度いい人数です。
しかし、そうなると予め班分けを決めておく必要が出てきますね……
「バルザック隊長、よろしいでしょうか?」
「なんだ……おお、噂の異名持ちか。どうした?」
「このパーティーの人数だと非常時は複数班に分かれるものと思いますがその際の班分けは……」
「ああ、もうこちらで決めてある。この表の通りに分かれてもらう。文字の読めない者は周りの者か俺に聞け」
……やはりですか。
テーレさんは先頭の第一班、私は後方の第三班。
先頭は危機対応と撤退時の後詰めを担当することになるために比較的能力の高い冒険者が割り当てられ、逆に非常時に安全な可能性が高い後方には、私のようなモンスター討伐数の少なめな冒険者が割り当てられているようです。
そして、バルザック氏のいる中央は前後の状況を見て全体の動きを判断する司令塔。
おそらく、バルザック氏との付き合いが長く他のサポートができるメンバーが集められています。
「ギルドでの騒ぎのことは聞いた。確かに、お前たちのチームワークがいいことも、ただの仲間以上の関係であることもわかっている。だが、クエスト中は切り離して考えろ」
ふむ、どうやらギルドでのことはテーレさんを奪おうと剣を振るってきた彼を私とテーレさんが連携して倒したように認識されているようです。私としては致命傷を防いでさしあげただけなのですが。
しかし、困りましたね……
「すみませんが、テーレさんは今日気が立っているようで、あまり目を離したくはないのです。班分けを変更していただけませんか?」
「異論は認めん。バランスを考えて決めた班分けだ。プロの冒険者を目指すなら、普段の人間関係を仕事に持ち込まないようにする術も憶えろ」
ダメですか。
これは、ノーツ女史の言っていたギルドの方針も絡んでいそうですね。私とテーレさんのペアで固定せず、他の冒険者とのパーティーも経験させるという話でしたが、その心遣いは今の私たちには少々都合が悪いのです。
今ならまだ、クエストの放棄もできなくはなさそうですが……それはそれで、後々面倒なことになりそうです。リスクによってはそちらの面倒を受け入れてでも、場合によってはクエスト参加を辞退することも考えるべきかもしれませんが……テーレさんの意見も聞いてみますか。
「テーレさんはどうですか? 先程から坑道の入り口をじっと見ているように見えますが。気になることでも?」
「別に……心配しなくても、どこから敵が来ても私が排除するから大丈夫だよ。まだ大した活躍もできてない内からギルドに楯突くわけにはいかないし」
「そうですか……では、これでいきましょうか。何事もなく調査が終わればそれに越したことはありません」
テーレさんが大丈夫というのなら、大丈夫だということにしておきましょう。
少なくともテーレさんが自発的に嘘をつくことはないはずですしね。
「では、バルザック隊長。指揮の方、よろしくお願いします」
side バルザック・ジップス
調査は順調だ。
班分けの時には少しばかり抵抗してたが、意外にも別の班に分けられてもそれ以上の文句は言わなかったな。
『測定結晶』を割った新人の噂は少しは聞いていた。
いや、少しと言う程度しか聞かなかった。
俺も冒険者をやって長い。
今ではギルドで頼まれて新人の教育を兼ねてパーティーリーダーを依頼されることもよくある。
だから、時々いるという『才能のありすぎる新人』については詳しい方だと思ってる。目の前に現れるとは思っていなかったが。
そういうやつは、大抵冒険者ギルドに入ると短期間でとんでもないことをやらかす。勝手に盗賊団にケンカ吹っ掛けたり、モンスターの群れと戦ったり。才能やら能力やらに任せて、手っ取り早く力を付けようと派手に動く。
高い報酬もアイテム発見も望めない地味なクエストはあまりやりたがらないし、ギルドのベテラン冒険者が相手でも命令を受けるのを嫌う。
実際、こいつと同時期にギルドに来た別の新人は才能があるのを鼻にかけてほとんどギルドに顔を出さずに森でモンスターを狩りまくっているらしい。
だが、今回調査クエストに参加したこいつはいきなり異名を与えられるような才能がありながら、それを見せつけようとはしない。もしかしたら、その才能の使い方自体をわかっていないかもしれないが、とりあえずは平然と下積み期間をこなしているように見える。
俺はギルドの受付嬢としてこいつを担当しているリックスから、密かに頼まれていることがある。
まあ、実際にはリックス個人だけの話じゃなくてギルドの上の方からの方針らしいんだが、こいつがいつも一緒にいるテーレという冒険者。あの少女を引き離してクエストに参加させるという頼み事だ。
今のところは、安全かつ着実に実力を伸ばしているようだが、いつまでもそれでは困る。
それに、もしかしたらあのテーレという少女はこいつの才能を自分の専属パーティーとして独占するために外の冒険者との交流を避けさせているのかもしれないとも言われている。
ギルドとしては、せっかく才能があるなら経験を積ませて、どんな状況でも簡単に死なないように育てたい。この班分けはそのためにギルドから指示されたものだ。異論を訴えられても俺には変える権限がない。
まあ、坑道のゴブリン発見報告というのはよく聞く話で、簡単な調査なんだがな。そういう報告がよく来る理由も、本当はわかっている。
だがまあ、経験の浅い連中に洞窟での動き方や緊張感を教えるための訓練として、本当にゴブリンがいるかもしれないと思わせてクエスト扱いで受けさせてるんだが。
本当は洞窟用に取り回しの良い武器や蛍光岩では見通せない距離を見るための灯りを持って片手が塞がっていても使いやすい道具を用意するべきなんだが、そういうのがない状態での不便さを実感させるのも目的の一つだ。
期待の新人コンビは見たところ、その程度は弁えているらしいな。
短めの鋼の杖……いや、棍棒と、投擲用の石の袋、それに短剣。どれも、狭い場所での取り回しで苦労しない武器だ。
他は、普通にロングソードを持ってきてる奴が多いか。確かに普段なら状況に応じて汎用性がある装備選択ではあるが、地下では振り上げたら天井や梁にぶつかって動かせなくなる可能性は高い。
まあ、何はともあれ、クエストは順調だ。
何もなければ、決められたルートを一通り確認して外へ戻り、持ち物や振る舞いの注意をして俺の教育クエストは完了。その予定だ。
そもそも、この坑道で何かヤバいことが起こるのは、本当にまずあり得ないんだが……
「バルザック隊長。そういえば先程の説明で気になったことがあるのですが、質問してもよろしいでしょうか?」
「なんだ? ここはもう危険地帯だ。くだらない話に注意を割くのはよくないぞ」
「申し訳ありません。しかし、今の内に確認しておかないと後が怖いので」
「……なんだ?」
「バルザック隊長の言っていた『不測の事態』はどこまでを想定しての言葉ですか? もちろん不測である以上、想定の中にないことへの対応も含まれるのだと思いますが、このクエストにおいて、バルザック隊長はどこまでの『事態』に対して対策を持っていますか?」
「……どういう意味だ?」
「たとえば、この坑道を利用していると言われている盗賊との鉢合わせはどうでしょう? 戦うならゴブリンより手強い相手と思いますが」
問いかけのタイミングは遅めだが、常に『もしも』を考えることができるタイプというのは冒険者として悪くないな。未来有望な称号持ちであれば、その内パーティーの指揮を取ることもあるかもしれないしな。
「盗賊を発見したら交戦は極力避けて撤退だ。どちらも、殺し合ったところでそのリスクに見合うものは得られない」
「不文律の中立地帯のような扱いですか。まあ、視界も悪く足場も不安定な鉱山の中で必要のない争いをしている内にうっかり鉄鉱石を掘り出した穴に転落して事故死というのはつまらないですからね。しかし、もしもあちらが本気で退路を塞いで殺しにかかってきたら……このパーティーで、生還できると思いますか?」
「……その本気、というものの度合いにもよる」
あり得ない話だ。
だが、仮にそれを想定したら……
「そうだな……こちらは9人。狭い坑道では数の差はあまりあてにならないが、それでも相手が一方向から5人以上来られたら、そのルートは使えない。前後両方から5人、合計10人いたら勝ち目はないかもな」
「その場合はこちらも死に物狂いになるのであちらの損失も大赤字ですか。では、罠が張られていた場合はどうなりますか?」
「……罠、だと?」
「暗く、狭く、そして確実に通るルートが確定している。これほど罠を仕掛けやすい条件もなかなかないのでは?」
こいつ……何で、そんなことを聞いてくる?
いや、何故、このタイミングで……世間話などできる空気ではないのに、それを尋ねてくる?
「おい……報告しろ。何か、異常を感じたのか?」
「異常というほどでは。しかし、些細なことでいいというのなら……そうですね。バルザック隊長。ここに来るのは初めてですが、急に大きめの石が増えた気がしまして」
「石?」
「よく人が通るルートにある石は自然と押しのけられるなり取り除かれるなりして邪魔にならない位置へ移動するものですが、ここはいつも通るルート、鉱夫が利用しているルートだという割りに、ここまでより大きめの、妙に湿った色の石がたくさん転がっているように思ったので。まるで、この付近で壁を一度掘り返して何かを埋めたかのように」
「……っ!」
壁を注意して見る。
確かに注意してみれば、壁の窪みの中に妙に新しいものがある。
何かが埋まっている、いや、埋め込まれている!
そして、その隙間から強い光が漏れ出した。
「全員そこの柱から離れろぉお!」
「テーレさん! 可能な限り大勢護ってください!」
こちらが気付いたことに気付かれた。
爆発する。よりにもよって、パーティーの側面に土石の散弾が襲い掛かる。
「くっ……」
間に合わなかった。
いや、間に合ったのか。爆発は中央の第二班と第三班の間。トラップで一網打尽にされないように班ごとに距離を置いて移動していたから、前後の分断で済んだ。
パーティー全員が通過した後ならば、完全に退路を塞がれて全滅だった。
「くそが……気が弛んでたのは俺の方か……」
爆発の威力が大きすぎた。
壁と天井の一部が崩れて坑道が塞がっている。爆発音で耳鳴りがする。
だが、感じる。逃げ場を失った俺たちの方へ、大勢の気配が近づいてきている。こちらは爆発のダメージから立ち直れていない。
だが……一人だけ、ふらつくこともなく立っている。
両手に、オレと同じ第二班だった二人を掴んで。
「……ただ『全員護れ』だったら、位置的に実行不可能で無視できたのに。『可能な限り』なんて付けられたら、限界までやらなきゃいけないじゃない」
「テー……レ? 第一班は……無事だった、のか?」
「運悪く、私の横にいた人はもろに衝撃を受けて倒れてる。距離的に死なないだろうから後回しにしたんだけど、自分で自分を守れるだけの実力はなかったみたいね」
近づいてくる盗賊を前に、倒れた俺たちを背中に護るように短剣を鞘から抜く。
溜息と……どこか、獲物を見つけた獣を思わせる獰猛な笑みを口許に浮かべて。
「じゃあ、命令通りに。手段を選ばず『可能な限り』護ることにしましょうか」




