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『オレの生徒はお嬢様!?』  作者: 宇都宮かずし
第一部 オレの生徒は生徒会長!?
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第十局 ハッキング 02

『ただ、警視庁の刑事課だけあって、セキュリティーが結構厳しい。お前のノートでは難しいぞ』


 確かにウチのノートパソコンでは無理だろう――

 結構メモリーやハードディスクなんかは増設したが、元が数世代前のモノだ。限界がある。


 しかし……


「それは問題ない、いま最新PCの前にいる」


 そう、階段を駆け上がり辿り着いた先は、最新PCがずらりと並ぶラファール学院の視聴覚室だ。


『ほう、スペックは?』


 オレはPCを操作して、プロパティを開き、スペックを読み上げた。


 てか、なんだこのスペックは? たかだか高校の授業で、こんなスペックを使い切るのか?


『そのスペックなら十分だ。じゃあ、オレが先に入るから、後から付いて来てくれ』

「了解!」


 そう言って、オレは携帯をハンズフリーにして、PCの横に置いた。


 あとは、スピーカーから流れる指示通りにPCを操作して行くだけだ。



 しかし、なんて速さだ……オレもタイピングには、それなりに自信があるが、それでも付いて行くのがやっとだ……


『抜けた』


 そして、ものの五分程度でセキュリティーを抜けてしまった。そして、画面に映り出されるNシステムのデータ。


 本当にアッとゆう間だなぁ、おい……


『お目当てのナンバーは?』


 今朝見たリムジンのナンバーを告げる。お茶目な西園寺家のおかげで、覚えやすいナンバーで助かった。


 検索に次々とヒットしていく西園寺ナンバー。

 大きな車体なので、脇道や裏道には入りにくいのだろう。幹線道路を中心に走行している為、Nシステムにもよく引っ掛かってくれている。


 確か、響華さんがウチを出たのが七時少し前……


 検索結果の中から、七時以降のデータをハードディスクに落として行く。


 ……………………………………………………………………………………………………………………………………………………ダウンロード終了。


 さすが最新PC。早い早い。


「サンキュー、助かった」

『礼はいいから、試写会チケットを忘れるなよ。じゃあオレはリンカが待っているから行くぞ』


 そう言って、一方的に切られる電話。


 わかっている。お前を敵に回すほど、オレもバカじゃないさ。てか待っているのはシェルリじゃなかったのか?


 さて……


 オレはまたPCに向かうと、今度は地図検索サイトにアクセス。そして、先程のNシステムの結果と地図を照らし合わせていった。


 車が最後にNシステムに引っ掛かったのが、約三十分前。供託川に掛かる、供託大橋の手前。


 そして橋の先にある交差点――

 これを直進した場合と右折した場合は、またNシステムがあるが、それには掛かっていない。

 となれば、必然的に左折した事になる。


 しかし、左折した先にあるのは山林か――


 今度は検索サイトを開いて、その山林の地名を検索してみる。それで何かヒントや探す取っ掛かりが見つかればラッキーだ。


 そして、出て来た検索結果から一つ、面白いモノを見つけた……


「心霊スポット……?」


 某掲示板の記事だが、この山林には潰れた廃ペンションがあり心霊スポットになっているという。


 しかも記事を読み進めて行くと、何でもそこは1~2年前くらいから暴走族の溜まり場になってるらしい。

 なので、今では地元の人間はおろか、心霊マニアですら近付かないという……


 これは当たりか……


 とりあえず、第一目的地はここだな。もしハズレなら、この近辺を足で探すしかない。


「よし!」


 オレは廃ペンションの場所を頭に叩き込むと、履歴をクリアしてPCの電源を切る。

 そして手早く荷物をまとめ、視聴覚室を後にした。


 あとは、移動手段か……


 あれこれと考えながら校舎から外に出ると、オレは学院前の坂を一気に駆け下りる。


 なんだかんだ言っても、一度家に帰ってバイクで移動するのが一番だろう。

 正直帰るまでの時間も惜しいが、こればかりはしょうがない。


 オレは持っていたバックを右肩に掛けて、バスの時刻表を確認する――


「よ、四十分後……」


 おいコラッ! バス会社! いくら通勤ラッシュ時間を過ぎたからって、一時間に一本はねぇだろっ!


 ど、どどど、どうする? どうする……?


 仕方ない、ここはタクシーを拾って…………って、そんな金はネェーーッ!!


 バイトの給料日直前で、しかもどっかの放蕩長女が気軽に入院なんてするから、余分な金なんて有りはしないぞ!


 し、しかたない……非常に情け無いけど、ここは一度戻って美琴さんか緑先生に金を借りるしか――


「あれ~、友子さんじゃないッスか?」

「おお~っ! ホントにセンセみたいな格好しとるぞ!」


 そんな、情け無い決断を迫られていると、どこかで聞き覚えのあるバイクの排気音と聞き覚えのある二つの声――


「お、お前たち……」


 そして、振り返った先にいたのは、見覚えのある二人組みの姿があった……

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