表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『オレの生徒はお嬢様!?』  作者: 宇都宮かずし
第一部 オレの生徒は生徒会長!?
20/137

第十局 ハッキング 01

 送信っと――


 走りながら作成したメールを姉さんに送信する。

 長年使い込んだガラケーだ。簡単なメールなら手探りで作成出来る。


 とりあえず、荷物を取りに一度職員室へと向かったオレ。

 しかし、職員室の前で意外な人を発見――


「おにい……じゃなくて南先生っ!」


 おいおい、職員室の前でお兄ちゃんは勘弁してくれよ。


「どうしたの真琴ちゃん、まだ授業中でしょう?」

「先生が呼び出されたから心配で……何かあったの?」


 いや、心配はありがたいけど、職員室の前で待ち伏せなんて――

 と思ったが、職員室を覗くと授業中ということもあり、中は無人だった。


 立場上、あまり誉められた行為ではないけど、ちょうど良かった。


「ちょと待ってて……」


 そう言って真琴ちゃんを廊下に残し、オレは職員室に入った。そして自分のロッカーから、バックを取り出すと、すぐに廊下へと戻る。


「これ、約束のブツ」


 そう言って、バックからナプキンで包んだ大きめの箱を取り出した。


「えっ? これ……お弁当? 本当に作って来てくれたの?」


 そりゃあまぁ約束だからね。


 でも……


「ごめんね。急用が出来て、すぐに行かなくちゃいけないから、オレは一緒には食べられないけど――」


 そう言って、包みを手渡した。

 しかし、真琴ちゃんの表情は晴れない。


「急用って何……? 大丈夫なの?」


 真琴ちゃんにこんな顔をさせるのは辛いけど、今は急がないと。


「大丈夫だよ、ちょっと出掛けてくるだけだから」


 オレは、そっと真琴ちゃんの頭を撫でた。


「帰ってきたらちゃんと話すから。それと、早く授業に戻りなよ」


 そう言い残して、再び廊下を走りだす。


「ちょ、お兄ちゃん!」


 背後から聞こえる真琴ちゃんの声――だから、ここでお兄ちゃんは勘弁して下さい。


 そんな事を思っていると、握っていた携帯が震えた。

 メールの着信で発信者は姉さん。中を確認すると、ディスプレイに表示されたのは『OK』の二文字。


 さすが姉さん、仕事が早い。これで仕込みはOKだ。


 オレは角を曲がり、階段を駆け上がる。目指すは4階、視聴覚室だ。


 走りながら再び携帯を操作するオレ。最近の発信履歴から目的の名前を探し出す。

 探すのは『九連正純(くつらまさずみ)』という名前。


 以前、ガンオタサイトのオフ会で知り合ったのだが、結構気が合って、その後も連絡を取り合っている。

 しかも、コイツにはとんでもない特技があるし――


 程なくして、お目当ての名前を発見。すぐにコールをする。


 しかし、こんな時間に起きているか? 夜型人間だからな、アイツ……


 そんな心配をよそに、コール5回で電話が繋がった。


『もしも……』

「良かった、起きていたか?」

『ああ……てか、昨日は徹夜でアキバに並んでいたからな。今、帰って来たところだ』


 相変わらずのニートぶりだな、コイツは……


『でっ、何の用だ?』

「手伝って欲しい事がある」

『ダメだ、シェルリがオレを呼んでいる』


 シェルリ……? あぁ、今日はマックスフロンティアの限定ブルーレイBOXの発売日か……


 しかし、その程度なら想定内だ。


「とっておきの情報がある」

『一応聞こうか?』

「GのOVA、劇場化の話しだ」

『何っ! OVAというとUG(ユニゴーン)か? 情報元(ソース)はっ!?』


 よし、食いついた!


 更にオレには、さっき姉さん経由で仕込んだ切り札がある。この勝負貰った!


「サンナイツの人事部長様からの情報だ。まず間違いない……しかも、関係者オンリーの試写会チケットが手に入る予定がある」


 試写会チケット……

 これがさっきメールの内容。姉さん経由の仕込みだ。


『何だっ? 何をすればいいっ!? 今のオレは、北の軍事基地にハッキングして、核を自爆だってさせるぞ!』

「んな事させるな!」


 しかし、欲望に忠実な奴は扱いが楽でいい。


 自分で言っていたが、コイツの特技はハッキング。自他共々に認める天才ハッカーだ。


『じゃあ、何をすればいい? オレに頼むという事はハッキングなんだろ?』

「話しが早くて助かる。ハッキングを手伝って欲しい」

『侵入先は?』

「Nシステムのデータが見たい」


 自動車ナンバー自動読取装置、通称Nシステム。


 日本の幹線道路に警察が設置する、自動車のナンバープレートを自動で読み取る装置であり、そこを通過した車両は全て記録される。


『Nシステムと言う事は、管轄は警視庁の刑事課か……』

「出来るか?」

『それは問題ない。この前一度入ったばかりだからパスも分かる』

「入ったってNシステムにか?」

『ああ、ウチの一番上の姉貴に頼まれてな。なんでも旦那が浮気しているみたいだから、足取りを調べて欲しいって』


 人の事は言えんが、そんな事の為にわざわざ警視庁にハッキング仕掛けるか普通……


『結果は真っ黒。残業中のはずの旦那の車は、ホテル街に消えて行きましたとさ――』

「それは、後が大変だったろ?」

『いんや、姉貴に報告する前に旦那に報告したからな――おかげで、欲しかったリリカルフェイトのDVDBOXがロハで手に入った』


 コ、コイツは……


 まぁ、敵に回すと恐ろしいが、味方にすれば頼もしいと思っておこう――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一日一ポチお願いしますm(_ _)m
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ