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5 大好きなペリドットの瞳

 と、それからわたしはわたしの理想の男性について、隅から隅まで語りまくった。


 シアルト様はわたしの話をふんふんと、口を挟まず頷きながら真剣に聞いてくれた。……そんなところも素敵すぎる!


 そしてわたしが鼻息荒く話し終わると、少しの間のあと、


「ディライラの理想を教えてくれてありがとう。それで思ったんだけれど、ディライラの教えてくれた理想のタイプって、まさに僕のことなんじゃないかな」

「えっ?」

「少なくとも、僕は君だけを見て、君だけを愛して、君だけに優しくする自信がある。それにディライラがどんなわがままを言っても、たぶんかわいいとしか思えないよ?あ、でもわがままを言うのも、口が悪くなるのも、僕にだけにしてほしいな。君の願いは全て僕が叶えたいし、君の誰にも見せたことがない姿を知っているのも、僕だけがいいからね」


 えーーー〜〜〜!!!???


 彼のその発言に驚きすぎて、ちょっと言葉が出なかった。えっ?嘘でしょ……???


「……うそでしょう?!ほ、本当にそんなこと思ってるはず、ないわ!」


 すると彼は、わたしがもう大好きになってしまった、あの柔らかい微笑みを浮かべた。


「いや、本気だよ。あとは、僕の容姿や雰囲気が君のいう理想に近いといいんだけど…」

「まさに理想そのものです!!…だからそのまま、変わらずにいてください、お願いします!」


 わたしがつい被せ気味にそういうと、彼は瞳が見えなくなるほど目を細めて、心の底から嬉しい、とでもいうように満面の笑みを浮かべてくれた。その本当に嬉しそうな笑顔に、こちらもつい微笑んでしまう。


「あ!ディライラが笑ってくれた!初めてだ。嬉しい、可愛すぎる」


 ……シアルト様は、かわいいが口癖なの?なんでこんなにわたしにかわいいって言ってくれるの?それに、わたしにこここ、好、感?を持ってくれているみたいだけど、理由が本当にわからない。


「…あの、どうしてシアルト様は、わたしにかわいいって言ってくださるの?」

「ん?それはもちろん、君がかわいいからに決まってるよ」

「そ、そうではなくて。初対面なのに、こここ、婚約者になってほしいって…」

「ああ、さっき話した通りだよ。君に一目惚れしたんだ」

「……わたし、そんなの信じられないもの」

「うーん、じゃあどうしたらディライラは、僕が君に夢中だって信じてくれる?」

「シアルト様が、わ、わたしに夢中?!」

「ああ、君にすっかり夢中だよ。それを君にわかってもらいたいんだけど、僕はどうすればいい?」


 わたしはつい考え込んでしまった。でも、そんなのわたしにだってわからない。


「…わたしにもわからないわ。うーん、時間が解決してくれる、かも?」

「うん、僕もそう思っていたんだ。だから、ディライラ、僕と婚約しよう」


 ……結局、そこに行き着くのか。


 ……うん、でも、ここまできたらもう婚約しちゃってもいいんじゃない、ディライラ?彼の方から、こんなに言ってくれてるのよ?結婚までに、彼と本当にうまくやっていけるのかもっと吟味すればいいじゃない……シアルト様がどこまでわたしを愛してくれるのか、本当にわたしのことを好きなのか…。


 そうでなくとも、もうあんたは彼のペリドットの瞳に夢中でしょう?意地を張ってないで、素直になりなさい。彼以上の人、前世にだっていなかったんだから、きっとこれからだっていないわよ?



 ーーよし、決めた。わたしは、……


「婚約を受け入れます。これから、どうぞよろしくお願いします、シアルト様」


 そう言って、ぎこちないかもしれないけれど微笑んで見せる。


 彼は、満開のひまわりみたいに、眩しい笑顔で


「ありがとう。こちらこそ、これからよろしくね。ディライラを振り向かせられるように頑張るよ」


と、言ってくれた。


 ーーいやいや、もうとっくに、わたしの方があなたに夢中なんですっ!!


なんてことは、もちろん返せなかったけど。

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