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第5話 男女比1対9の共同生活

 夜9時過ぎ、シェアハウスの住人全員が揃ったところで、明日奈が祐希を紹介してくれた。

 ラウンジに勢揃いした8名は、驚くほどの美人揃いだった。


「明日奈さんの義理の弟の篠宮祐希と申します。

 星城大学の2年です。

 一浪しているので年齢は20歳です。

 お世話になりますが、皆さん、よろしくお願いします」


 挨拶が終わると、全員が拍手で歓迎の意を示した。

 顔を上げると一人の少女が祐希に声を掛けた。


「え、本当に祐希兄ちゃんなの…?

 私のこと覚えてる…」


 それは腰までの長さのサラサラの髪をツインテールに結んだ美少女だった。


「ええっと、どこかで会ったこと…あるかな?」


 こんなホワイトグレーの髪のツインテール美少女…会ったことはないはずだ。

 でも、顔立ちは、どこか見覚えがある…


 祐希は必死に記憶を辿り、ようやく一人の少女を思い出した。

「えっ、も、もしかして…ユキミク?」


「そう、未来よ、祐希兄ちゃん」


 それは祐希の幼馴染、結城未来(ゆうきみく)であった。

 彼女は小学校5年まで隣の家に住んでいた1つ年下の幼馴染だ。

 確か父親の仕事の関係で東京へ引越したと聞いた。


 あの頃は、実の兄妹のように毎日お互いの家を行き来して一緒に遊んでいた。

 あどけない少女だったが、こんな美人に育つとは…


 当時は名前が似ていたこともあり、北海道で有名な某キャラクターにちなんで「ユキミク」と呼んでいた。


「こんな所で、ユキミクに会えるなんて、奇跡みたいだ…」

 偶然の再会に祐希は興奮を隠せなかった。


「え~っと、祐希くん、悪いんだけど…

 積もる話は、みんなの紹介が終わった後にしてくれる?」

 幼馴染との感動の再会を明日奈がストップし、住人の名前と年齢、職業を簡単に紹介してくれた。


 明日奈の紹介と、祐希の第一印象を心の中で整理すると、この「ヴィーナス・ラウンジ」の住人たちは、こんな感じだった。


【シェアハウス「ヴィーナス・ラウンジ」住人】

 ▼1階

 管理人室:篠宮明日奈(27歳)/シェアハウスオーナー兼管理人。亡き兄の妻で、祐希の義姉。

 0号室:篠宮祐希(20歳)/星城大学2年。


 ▼2階

 1号室:菅野怜奈(24歳)/気象予報士。落ち着いた雰囲気の、知的なお姉さん系美女だ。

 2号室:天野瑞希(23歳)/OL。少し強気な視線が印象的な、姉御肌の美女。

 3号室:真城朱音(21歳)/大学生。小麦色の肌が眩しい陽気な美女。

 5号室:早乙女さくら(18歳)/大学生。まさに清純派といった雰囲気の美少女。

 6号室:伊東瀬奈(19歳)/大学生。ミステリアスな雰囲気の美少女。

 7号室:岸谷琴葉(19歳)/大学生。すっぴんが綺麗な美少女。

 8号室:結城未来(19歳)/大学生。快活なツインテール美少女。

 10号室:早見里緒奈(22歳)/大学生。色気ムンムンのセクシー系美女。


 みんな個性的な美女揃いだが、名前と顔が一致するまで、しばらく時間がかかりそうだ。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 かくして祐希のシェアハウスでの共同生活が始まった。

 18歳から27歳の独身美女9名と20歳の童貞男子の共同生活が平穏無事に済むだろうか?

 祐希の義姉である明日奈はともかく、他の8人にとって、20歳のイケメン男子と来たら興味が湧かないはずはない。


 明日奈によるメンバー紹介が終わると、祐希の元へ女子が集まってきた。


「ねえねえ祐希くん、私、里緒奈。

 改めてよろしくね。お腹空いてない?

 ピザがあるんだけど、一緒に食べない?」

 早見里緒奈はタンクトップにショートパンツという肌の露出が多めの服装だ。

 Gカップはあろうかと思われる胸の谷間を惜しげもなく露わにし、まるで祐希を誘っているかのようだ。


「ありがとうございます。それじゃお言葉に甘えます」

 ちょうどお腹が減っていたので、祐希は里緒奈の好意を受けることにした。


「あたし冷蔵庫から飲み物持ってくるね。

 祐希くん、コーラと烏龍茶どっちがいい?」

 そう聞いてきたのは真城朱音である。

 健康的な小麦色の肌にTシャツとホットパンツというラフな服装で、胸の大きさは里緒奈よりやや小さめのFカップというところだろうか。


「えっと、コーラでお願いします」


「祐希兄ちゃん、私のフライドチキンも食べて」

 結城未来が某ファストフードのフライドチキンを差し出した。

 未来はベージュのキャミソールにショートパンツ、上に薄手のボーダーパーカーを羽織っていた。

 未来はスリムな体型だが、出るところはしっかりと出ており、胸はDカップくらいだろう。

※創作活動の励みになりますので、作品が気に入ったら「ブックマーク」と「☆」をよろしくお願いします。

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