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第36話 嘘から出た真(1)

 日曜日の朝7時。

 祐希はベッドの上で目覚め、昨夜の明日奈との衝撃的な初体験を思い出していた。

 いつかは女性と一夜を共にすると思っていたが、その相手がまさか明日奈だとは思いもしなかった。


 血は繋がっていないとは言え、義姉と義弟という禁じられた関係に、祐希は少なからず背徳感を覚えた。

 自分から望んだわけではないが、義姉のあまりにも魅力的な身体の誘惑に負け、関係を持ってしまった。

 明日奈との交わりは、祐希に想像を遥かに超える快感を与えた。

 昨日のことを思い出すたびに、もう一度明日奈を抱きたいと思った。


 明日奈は来月もまたしようねと言った。

 しかし一度火を点けられた性欲を、その時期まで抑えられるか、祐希は自信が持てなかった。

 それと同時に祐希は、明日奈に惹かれ始めている自分に気付いた。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 祐希が身支度してラウンジに出ると、明日奈とさくらが2人仲良くダイニングで朝食をとっていた。

「お、おはようございます」

 祐希は、2人に挨拶した。


「祐希君、おはよう」

 明日奈が振り返り、やけにスッキリとした笑顔で祐希に挨拶した。


「祐希さん、おはようございます」

 さくらも振り返り、祐希に爽やかな笑顔で挨拶した。


「祐希さんの分の朝ご飯も作りましたから、一緒に食べませんか?」

 さくらは、自分の隣の席へ祐希を手招きした。


「えっ、いいの? なんか申し訳ないな」


「いえ、1人分作るのも、2人分作るのも同じですから」


「いいわねぇ祐希くん、朝ごはん作ってもらえるなんて…」

 さくらは祐希にボディガードしてもらう代わりに、朝ごはんを作ると約束してくれた。

 しかし、休みの日まで作ってくれるとは思っていなかった。


 祐希はさくらの隣のスツールに座った。

「今、ご飯とお味噌汁よそいますから、ちょっと待ってくださいね」


 さくらが用意した朝食は、炊きたてのご飯、長ねぎとなめこの味噌汁、卵焼き、焼き鮭、納豆、沢庵といった完璧な和食メニューだった。


「うわ~、すごいな。

 朝からこんな和食が食べられるとは思わなかったよ。

 さくらさんって、料理上手なんだね」

 祐希は明日奈との昨夜の一件を知るはずもないさくらの、屈託のない笑顔が眩しかった。


「ホントねぇ、さくらちゃん、いいお嫁さんになりそうね」


「いえ、母と祖母から仕込まれただけですから…」

 2人から褒められて、さくらは満更でもなさそうだった。


「いただきま~す」

 祐希はさくらが作ってくれた朝ごはんを食べ始めた。


「うん、とても美味しいよ。

 特に卵焼き、味付けが絶妙で僕好みだな」


「いいな~、私にも誰か朝ご飯作ってくれないかなぁ……」

 明日奈が羨ましそうに言った。


「あの……よければ、明日奈さんの分も作りましょうか」

 さくらが慌てて言った。


「さくらちゃん、冗談よ、そんなことしてもらったら(ばち)が当たるわ。

 私も一応女なんだから、自分の分は自分で作るわよ」


「そ、そうですか」


「さくらちゃん、ありがとね…、気にかけてくれて」


「あ、いえいえ」


「そうそう。

 祐希くんに一つお願いがあるんだけど……」


「えっ、なんですか?そのお願いって…」

 昨日からお願い続きだなぁ、と思いながら祐希は聞いていた。


「祐希くんに、このシェアハウスの管理人をお願いしたいの……」

※創作活動の励みになりますので、作品が気に入ったら「ブックマーク」と「☆」をよろしくお願いします。

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