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第183話 緊急処置

 亜由美は背後から手を回し祐希に抱きついた。

 彼女の破壊力満点の膨らみが押し付けられ、祐希は限界に近づいていた。


「まずい、マズイよ」


 祐希は咄嗟に両手で息子を隠した。

 しかし、亜由美にはすべてお見通しだった。


「ごめんなさい。こんな状態にしてしまったのは……私のせいなんですよね。

 だから、その責任を取らせて下さい」


 祐希の脳裏に、あの夜の病室の記憶が鮮明に蘇った。


「祐希さん、バスタブの縁に腰掛けてもらえますか?」


「え、なんで?」


 祐希は、背後からピッタリと張り付いた亜由美の身体から逃れるように、無意識にその指示に従い、意図が読めないままバスタブの縁に腰掛けた。

 すると亜由美はしゃがんだまま祐希の前へ移動し、股間に顔を寄せた。


「祐希さん……あの夜と同じように、楽にして差し上げますから、手をどけて下さい」


 亜由美の有無を言わせぬ口調に、祐希が思わず手をどけると、はち切れんばかりの昂りが亜由美の前に現れた。


「このままだと身体に悪いですし、祐希さんも辛いでしょう。これは『緊急処置』なんです。

 処置させていただいてもよろしいですか?」


 祐希は、亜由美が性的な行為ではなく、緊急処置として行うことで、自分自身を納得させようとしていることに気づいた。


「お、お願いします」


 彼がそう答えると、亜由美はあの夜と同じように献身的な『処置』を開始した。

 静まり返ったバスルームに響く水音と、祐希の押し殺したような息遣いだけが聞こえた。

 祐希の目の前には、彼の息子を窮地から救おうと献身的に奉仕する亜由美の姿があった。

 バスタブに跪き、亜麻色のポニーテールと大きな乳房を揺らすその姿は、祐希にとって至福の光景だった。


「……っ」


 祐希の口から、堪えきれない吐息が漏れる。


「祐希さん……あの夜と同じですね……すごく、熱くて……

 それにこんなに硬くなるなんて……」


「亜由美、さん……だめだ、そんなこと……」


「だめじゃありません。……これは『緊急処置』なんですから」


 亜由美は上目遣いで祐希を見つめた。

 その瞳には、看護師の冷静さと、女性としての切実な献身が同居していた。

 同時に、亜由美は祐希の急所を滑らかに、そして正確に刺激していく。

 敏感な部分を円を描くようになぞりながら、手は一定のリズムで動かし続ける。

 水気を含んだ生々しい音が、バスルームに響いた。


 病院の暗いベッドの上で、布団越しに手探りで行われたあの夜とは、何もかもが違った。

 明るい照明の下、濡れた髪を肌に貼り付かせた亜由美が、自分のために尽くしてくれている。

 その光景は、祐希の理性をじわじわと侵食していった。


「……っ」


 祐希の脚が小刻みに震え、腰が思わず前に出る。

 亜由美はそれに合わせるように動きを速めた。

 しゃがみ込んだ彼女の豊かな胸が、激しいストロークに合わせてぷるぷると揺れる。

 極限に向かう感触と、視覚から入る強烈な刺激。

 エレベーターでの出来事から限界に達していた祐希の理性が、白く染まっていく。


「亜由美さん……もう、限界だ……っ」


「はい……いつでもいいです……っ」


 次の瞬間、祐希の身体が大きく跳ねた。

 祐希の全身に電撃が走り、今まで溜め込んでいたものが解き放たれ、頭の中が真っ白になる。

 亜由美はそれを全て受け止めると、ふぅ、と小さく息を吐いた。


 荒い息を吐きながら壁に崩れかかりそうになる祐希を、亜由美が正面から抱き止めた。

 素肌と素肌が密着し、互いの激しい鼓動が重なり合う。

 窓の外の嵐の音さえも、今の2人には遠くの出来事のようにしか聞こえなかった。


 激しい呼吸を整えようとする祐希の目に映ったのは、彼が解き放ったものを処理しながら、愛おしそうに微笑み自分を見上げる亜由美の姿だった。

 その潤んだ瞳を見た瞬間、祐希の中で辛うじて持ち堪えていた最後の理性の糸が、ぷつりと切れた。


(もう、無理だ――)


 祐希は亜由美の濡れた身体を強く引き寄せ、その唇を激しく塞いだ。

 先ほどのエレベーターでの口づけよりも、ずっと深く、熱を孕んだキス。


 貪るようなキスの最中、亜由美の細い腕が祐希の首に絡みつく。

 柔らかな胸が祐希の胸板に押し付けられる。

 限界まで焦らされ、解き放たれた直後の余韻と、目の前に全裸でいる亜由美の存在が、祐希の中に残っていたわずかな理性を完全に溶かしていた。


 さくらへの罪悪感など、今の彼の頭には微塵も存在しなかった。

 目の前で熱い吐息を漏らす亜由美を、ただ欲望のままに愛したい。

 自分のために健気に尽くしてくれた亜由美の極上の身体(ボディ)を、心ゆくまで味わいたい。

 そんな(おす)の本能が激しく暴走していた。


 息が詰まるほどの長い口づけの後、祐希はわずかに唇を離した。


「祐希……さん……っ」


 潤んだ瞳で見つめる彼女を見ながら、祐希は自分にとって都合の良い『大義名分』を引っ張り出した。

 そうだ今日一日、僕は彼氏になると言ったじゃないか。

 彼女自身が、最後まで責任を果たしてほしいと言っていた。

 だから、これは彼氏として当然の義務なのだ、と。


 その大義名分を免罪符にして、祐希は亜由美の身体を力強く抱き上げた。


「きゃっ……」


 不意に祐希に抱き上げられ、亜由美が小さく声を上げた。


「今日、僕は亜由美さんの彼氏だろ?

 だから……最後までその責任を果たすよ」


 祐希の瞳には、先ほどまでの戸惑いは完全に消え去り、一人の女性を強く求める強烈な光だけが宿っていた。

 その言葉に、亜由美は至福の笑みを浮かべて目を細めると、祐希の背中に腕を回し抱きついた。


 祐希は彼女を抱きかかえたままバスルームを出た。

 向かう先は、純白のシーツが敷かれたキングサイズのベッド。


『緊急処置』という建前は完全に崩れ去り、男としての本能をむき出しにした祐希は、後戻りできない一線へと足を踏み入れた。

10日間ほどお休みをいただいておりましたが、本日から連載を再開いたしました。

第1部も残すところ、あと数話となりました。

第2部ですが、4月からシェアハウスの人数が10名になるので、タイトルを変更して新たに書こうと思っています。

ですが、他の小説のプランもあるので、すぐではないかも知れません。


この小説、読者の反応がイマイチで、またコメントもなく、第2部を書くかどうかについては今後の読者の反応次第となります。

ひょっとしたら、このまま終了打ち切りになる可能性もありますが、そうならないようにしたいので、引続き応援のほど、よろしくお願いします。


※創作活動の励みになりますので、作品が気に入ったら「ブックマーク」と「☆」をよろしくお願いします。

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