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主人公の義兄がヤンデレになるとか聞いてないんですけど!?  作者: 玉響なつめ
第九章 だからいやだっつってんじゃん

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 結局のところ、数日後にはカーリーン王女の〝お迎え〟が来てくれる日が判明したので私たちはホッとした。


 正直そろそろシリウスの限界が近かったんだよね……一見わかりづらいんだけどさ……。

 もうそろそろ私も手綱を握ってられないよ。

 ご機嫌取りも楽じゃないんだけどね!


 大型犬に引っ張られる子供の気持ちを毎日味わっているんだよこっちは!


(まあそんなところもかわいいっちゃ可愛いんだけどさ……)


 惚れた相手ってなるとどうしてこうも感覚が違うんだろうね、不思議。

 これがもしルーラントだったらどつき回すぞとしか思わないんだけど。


 愛ってすごぉい!


「だから本当にもう落ち着いて欲しい。私の生命の危機を感じる」


「愛があるのに」


「愛はあっても肉体に限界はあるんですよ、王子様」


 色々苦労を強いると、その分こっちに補充を求めてくるタイプの男なんだよね……。

 私がいればそれでいいとか言ってくれるのは大変ありがたいほどの愛情だと思うよ?


 思ってはいるよ?

 ただね、相手の無尽蔵な体力についていくのって大変なんだからね?


 そこんとこ一応気を使われて過ごしてらっしゃる王子様にはわかんないかなあ、わかんねえだろうなあ!

 ごめんねリア充で! でももうちょっと余裕のあるリア充がいいな!!


「……まあ、あの二人が帰国すればシリウスの精神的負担も減るだろう」


「だといいんですけどねえ」


「そうでないとこちらも困る。魔獣狩りの際に八つ当たりでズタボロにされると素材としての価値が……」


「すっかり馴染んでるじゃないですかこっちの生活に」


「当然だ、アナベルの夫としてこの地に馴染まないでどうする!」


「あんたまだ結婚してませんよ」


 思わずサフィアン王子に突っ込んでしまったが、まあ不敬罪にはなるまい。

 口調が荒くなっただけで事実だし。


 そういう意味では私たちも結婚はしていないわけだけど……。


「……シリウスに結婚とかってあんまり関係なさそう」


「お前を縛り付ける公的な制度程度にしか考えてないんじゃないか」


「あり得る。というかそれだ」


 いや、いいんだけどね?

 逃げても絶対追いかける宣言もされているし(一応逃げる気は今のところない)、追跡魔法のかかった外せないチョーカー(呪いの品かな?)もあるから婚約状態だし。

 なんと言っても公爵家お墨付きな関係ですしね。ハハッ。


「……穏やかに暮らさせてくれるならこっちとしては文句もないよ」


「お前の基準の穏やかがおかしいんじゃないか? なあ」


「ものは考えようですよ、サフィアン王子」


 何もかもそういうことですとも。

 そうだと言えよ。


「まあ後はあの王女様が大人しく帰ってくれることを祈るばかりだ」


「……安心安全な昏倒薬、まだ在庫あるけど念のため渡しておこうか?」


「……もらっておこう」


 使わないのが一番だけどね!

 まあ、安心安全だから!!

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