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電脳狂戦士 現代ダンジョンに挑む  作者: saikasyuu
電脳狂戦士 指導する
75/892

吟遊詩人(解説のみ)

「うーん。やっぱりこうなったか」

「まぁ予想通りだな。後で頼むぞ」

「・・・あ、だから俺呼ばれたのか!?」

「当然だろ。タダでここに招待するなどありえない」

「あらそ」


これ俺が来なかったらロメがやることになってたのか。まぁ何でも良いけど。


拳法少女VSマスターランクは、最初の予想通り拳法少女の勝利。

マスターランク側・・・『乱ベル』は女に弱いというか・・・苦手と言うか。

腕だけ見れば十分高ランクに入れるんだけど、女に対しての勝率がカス過ぎてなぁ。

人口割合的に野郎の方が多いゲームだから何とかなってるけど。


「次はガンマン?こっちも割と珍しいけど」

「彼はうちのホープだな」

「・・・は?マジ?そんなの来たの?」

「私も驚いた」

「えぇ・・・」

「あー。こいつら広報というか、他に宣伝とかしてないんで人が集まらないんですよ」

「お陰で我々は通年人不足だ」

「えーっと。なら良かったんですよね?」

「とても嬉しい」

「じゃあ文屋さんもビラ配りとかしたらいいじゃないっすか」

「その前にお前がうちに来るのはどうかな?」

「お断りっすねー」


ロメは気まぐれだからなぁ。定期的に記事作ってる連中とは合わないだろ。

今回だって気が向いたから来たとかだろうし。


「ふむ。では貴女はどうかな?」

「・・・へ?私ですか?」

「うむ」

「おい文屋」

「良いだろ別に。それに君から取りたいわけではない。むしろ君のせいというか」

「は?」


文屋。まさかここで日坂さんを勧誘したがった。

だがそれが俺のせいとはいったいどうして?


「お前の記事を書けと各所からうるさいのだ。特に一部」

「マジですまん」


あー・・・多分、あの研究会とルミだろうなぁ。

特に研究会の連中は単に俺のファンクラブみたいになってるし・・・


つまり日坂さんが勧誘されたのは俺に関する記事を書くためと。

まぁ俺イベント系の奴以外は断ってるからなぁ。

近くにいる人なら、質問状さえメッセージで送ってしまえばそれをまとめるだけでいいし。


「バイトでもいいので受けてくださると・・・」

「あ、これマジで困ってる時の顔です」

「サングラスで分からないんですけど・・・」

「そのうち慣れます」


文屋はサングラス外した方が良いと思うんだけどなぁ。


「えーっと。じゃあ蒼君だけなら」

「本当k」

「近寄るな」

「ぶっほ・・・師匠流石に大人げないっすよ」

「知るか」

「あははは・・・」


とりあえず話はまとまったということで。そろそろ観戦に戻りたいのだが?


「では後でお前宛に質問を送るか」

「いや俺にかい」

「その方が手綱を握りやすいだろう。あとログインの時間的にお前の方が頻繁に見るだろうからな」

「あー。それもそうか」


じゃあ今度メグさんにメッセージ丸ごと送ればいいか。


本当に話が纏まったので観戦へ。


「次の相手はガンマンVSアーチャーだ」

「弓兵か。アルチャ氏?」

「彼女は捕まらないから無理だ」

「やっぱりか。となると・・・誰だ?」


弓は結構ダイレクトに使い手の腕に戦力を依存する。

その為使い手と呼ばれるほどに熟練した者は少ない。

でもいないわけではない。何しろ人気武器ではあるからな。


だからこういう品評会というか、文屋の品定めに呼ばれるような使い手となるとちょっと数がいて分からない。

それでも剣とか槍とかの、もっと使いやすくて人気の武器に比べたらマシだけども。


「誰だと思う?」

「ロメー?」

「知らないっすよー」

「は?マジ?」

「今日は教えてないからな」

「マジかー」


ロメに聞いたらすぐと思ったらこっちもダメと。そうなると実は意外な人選なのか?

うーむ。マジで誰だ。この手の会に向いてそうな弓兵・・・


「猫・・・は違うだろうし。あ、精霊使い・・・は無いか」

「精霊使いは彼を見るのには合わないな。ふっ、分からないようだな」

「さっぱりだなぁ。マジで誰だ」

「吟遊演歌だ」

「・・・はぁ!!??」

「吟遊・・・演歌?」

「二つ名の事っすよメグさん」

「あ、蒼君の『狂戦士』みたいなやつ?」

「そうっす。でも本当に珍しいっすね、こういうのに来るの」

「新曲が出来たとかでな。試しの場所が欲しかったようだ」


『吟遊演歌』

吟遊詩人が演歌を歌っていると考えれば想像つきやすいだろう。

現実では身内が演歌歌手だったとかで、そのリズムで戦ったところドンピシャだった。

結果、元々使っていた弓も相まって二つ名として『吟遊演歌』と名付けられた。


「どんな戦い方をする人なんですか?」

「基本は歌・・・演歌によるバフとデバフをばら撒くタイプなんすけど、ソロだとプラスで矢も撃つっすね」

「観客として味方がいる方が力を発揮できるタイプだな」

「へぇ。本当にいろんな方がいるんですね」

「アークの醍醐味とはまさにそこだからな。蒼も昔はよく世話になっていたな?」

「頭上がんない一人だわ・・・」


そう。実は彼はアルチャ氏と同じなのだ。

こうして思うけど、アルチャ氏と言い弓使いに頭上がらないこと多いな俺。

まぁそれだけ初心者のころお世話になったって話なんだけど。


「ちなみに『ざぶざぶ』さんって言うんす」

「みんなざぶさんって呼んでる事が多いですかね」

「・・・あの。それってあの某有名演歌歌手の」

「そこから取ってるらしいっすよ」


それが戦闘スタイル決める前からそうなんだからもはや運命だよなぁ。


それにしてもまさかざぶさんが出てくるとは。来てよかった。

ちょっとちゃんと注目してみないといけないな。


コロシアム内にプレイヤーが転送されてくる。

片方は映画でよく見るようなウェスタンスタイルの服装で、腰に二丁の拳銃をぶら下げている。

対するさぶさんは青い着物に数本の弦が張られている弓を持っている。


「あの弦で音を出すんですよ。まぁそこは本当の吟遊詩人っぽい感じで」

「おー。それっぽいんだね」


顔も濃いから余計にそう思うだよな。


ふむ。見た感じだが相性は恐らくガンマンの方が良いか。

ぶら下げている拳銃を見るに一発の威力が高いタイプ。代わりに連射は効かない。

貫通と破壊力に特化されたか?アメリカのって考えるのなら、それこそ早撃ちだろうし。

取り回しは考えず、一撃で倒すのが狙いならデメリットは無いようなものだ。


「バフ撒く余裕は無いかな?」

「でも新曲って言ってたんで多分やるっすよね」

「だろうなぁ。うーむ。どうするのやら」

「・・・そういえば、どうして新曲なんですか?」

「はい?」

「いや。アビリティでバフ?をするんですよね?なら曲は関係ないんじゃ」

「あー」


メグさんにはまだこのゲームの詩人の説明をしてなかったな。


「実はこのゲーム、無駄に凝ってる部分がありまして」

「はぁ。まぁそれは何となく」


PvPのゲームだってのに猫カフェとか無駄に実装するレベルには無駄に凝っている部分がある。


そしてそれは、吟遊詩人のロールプレイにも存在している。

それが『編曲システム』だ。


「へ、編曲?」

「元々あるバフデバフの曲を編集できるんですよ」

「曲のテンポ、歌詞などで効果も変わるというな」

「え、えぇ~?それ、何か大変そうですね」

「いや。基本曲はそのまま使っても問題はないんですよ」


ただ編曲を行うと効果が変わるというのが味噌なのだ。

例えば、ある特定のデバフに対して対策をしてきたプレイヤーがいたとする。

それに対してデバフ曲を使うと、当然だが対策されたものは弾かれる。


でもデバフ曲は、いくつかのデバフ要素を重ねることが出来る。

リズムと音階、歌詞の組み合わせでその部分を一気に纏められるのだ。

まぁ意味があるか無いかで言えば無いんだが。


「無いんですか!?」

「デバフの対策をするくらいなら自分の性能上げた方がマシなんで」

「それはそうっすね」

「だが一曲でデバフをまとめて掛けられるのは魅力の一つではある。実際チーム戦でいるのといないのとでは大違いだからな」


まぁお世話になってた俺があんまり意味ないっていうのもあれなんだけど。

でも編曲自体がそこまで需要が無いのはマジだ。

何せ使える人が少ないからな。それこそざぶさんとかの一部の人しか編集しない。

そして編集したものはネットに公開されることが多い。

すると他の吟遊詩人プレイヤーはその公開されたものを使うことが多くなる。

自然と編曲システム自体を使う人は減るわけだ。

同時に効果を発揮すること自体は必須だし、強力だから必要なんだがなぁ。どうしてこうなった。


「お、始まるな」

「傾聴するとしよう」

「・・・あ、もしかして緑茶とかの方が良かったかな?」

「いや演歌だからって飲み物限定する必要はないっすよ?」


何ならざぶさんは緑茶嫌いだしな

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― 新着の感想 ―
[一言] そういや昔ザブって洗剤がありましたね… 調べてみたら1960年から2000年前まで40年のロングラン商品で驚き
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