デート開始
ちょーっと来週から忙しくなりそうでまた投稿頻度がどうなるか不明になりそうです。
しかも長くなりそうなので4か月くらいどうなるか・・・
毎日投稿は続けないので頑張りはしますが。
在宅ならこうもならないんですけどねぇ・・・
(は、はぁぁぁぁぁ・・・な、なんで蒼に会うだけなのにこんなに緊張しないといけないんです???)
駅前の街路樹。
その物陰からこっそりと宗次の事を見ている女性がいた。
事の始まりは二日前。
恒例のオンライン雑談の中で軽い感じでデートに誘われたのがきっかけだ。
ぶっちゃけマナは宗次と会うこと自体は問題ない。
いつもゲームで遊んでいるやつの延長線上でしかないと思っていたからだ。
だがよくよく考えてみた。
現実で二人きりと言うのは初めてではないかと。
そもそもオフ会と言う名の初邂逅が去年の初夏。
その時は日坂巡という、その時はまだ宗次のチームメンバーというだけの女性がいた。
なので二人きりで会ったことは無い。
別にそれまでも会いたくなかったわけではなく、純粋に予定が合わなかっただけだ。
それでも二人きりで会うこと自体はまぁ特別何かを意識することなく、普通に遊んで終わるだろうと。
そんな考えはあった。何せ相手はあの蒼セカンドだ。
浮ついた話なんてなるわけが無いし、こちらに無理矢理なにかをすることもない。
そんな信頼があった。
つい先日までは。
(あ、ちゃんとオシャレしてくれるんですねかっこいいかも・・・いやいやいやいやそうではなく!!)
状況が変わったのは三月末に行われたアークオリンピアでの大会でのこと。
宗次と全力でぶつかり合い、彼に自身の気持ちと怒りをぶつけたあの試合後の話。
敗北した自分に対して、いきなり宗次は告白してきた。
それも断れても諦めるつもりはなく、絶対口説き落とすという宣言付きで。
マナとて一人前の女性だ。当然恋愛経験もあるし、交際していた時期だってある。
だがそれは所詮学生の。それも中学高校生レベルの話でしかなかった。
結婚を前提に、何て話になるわけもない。
でも宗次は違う。一度捕まえたらまず逃がすことは無い。
もし付き合う事になったのなら、そのまま結婚まで一直線だろう。
相手が複数いる男なのでどういう形での婚約になるかは不明だが。
待ち合わせの時間まであと数分。
出ていくのが恥ずかしいとここで立ち止まっているわけにもいかない時間になってきた。
一瞬宗次に見惚れつつ、覚悟を決めたマナが一歩踏み出したその時。
「何してんのお前」
「ひにゃ!?」
「おおう」
背後から声を掛けられて倒れそうになったところを誰かに支えられる。
いや声からして一発で誰かは分かっているのだが。
「いつまで隠れてんだと思ったけど・・・マナ?」
「・・・キュー」
「え、マジ??」
マナの気配が動かないので一応待っていた宗次なのは当然だった。
だがさっきまで目の前にいたはずの宗次に後ろから声を掛けられて驚き、
あと無駄に良い声で囁かれた+腰をしっかりとつかまれて支えられた恥ずかしさでマナの意識は遠のいた。
「え・・・えぇ・・・」
そして残されたのは、どうすんねんこれといった表情でマナを支えている宗次だけであった。
「・・・ハッ!」
「おはようマナ。寝不足か?」
「はえ・・・あれ?蒼?」
「はい蒼さんですが」
「どういう姿勢・・・ん??膝枕・・・???」
「そうだな。急に倒れるから心配したぞ」
まぁ体調不良とかそういう感じじゃないのは一発で分かったんだけどな。
それでも急に倒れるから心配したっての。
「あー・・・ごめんなさい。ちょっと驚いたので」
「ん?俺のせいか」
「まぁ半々ですかね・・・」
「はい?」
驚かしたのは俺なんだからそれなら100俺のせいだと思うんだが・・・??
「ま、まぁ良いじゃないですか。あとかっこいいですね。そんな恰好が出来るとは」
「これか?リアが選んだんだよ。俺の持ってる服全部あいつのチョイスだし」
「んなこったろうと思いましたけど」
そもそも俺だけだと服買いに行くことすら面倒なので多分全部ジャージとかになる。
もしくはシャツとジーパンかな。
その格好してるとせめて一枚羽織れと怒られるから全部任せるようにしたんだけど。
「でもマナも似合ってるぞ。ゲームと違ってこっちのお前の方が良いな。綺麗だ」
「んんんんっっっ!!」
「どういう咳払いだそれは」
それは俺に褒められるのが凄まじく嫌なのかどうなんだ。
でも実際今日のマナは綺麗だ。
現実のマナって冒険者としての姿か、正月でバイトしてたマナしか見てなかったからこういうオシャレなマナは新鮮だ。
なんだっけ・・・キャミワンピース?の上にカラーシャツを羽織っている。
大人しい印象を受ける現実のマナにとても良く似合っている。
「それに髪もちょっと巻いてるんだな。前と違うがこれも良いな」
「そうさん」
「ん?」
「ころすきです??」
「いやそんなつもりは」
褒めてたら言語能力が著しく落ちたんだが・・・どういうことだ??
でもその日初めて会った女性はしっかりとほめろって習ったからな。
あとマナだし。しっかりと俺の感想を伝えないといけないだろ。
「お、お世辞はもういいですから・・・」
「???。ちゃんと好きだって言ったマナに世辞なんて言わないぞ?」
「今なら火を噴けそうなんですけど!!!」
まぁ確かに顔真っ赤だからマジで噴けそうではある。
「ほぉぉぉぉぉ///」
「というかそろそろ立てるか?昼でも食いに行こうぜ」
「ちょっと待って//」
「ういうい」
何か顔を手で隠してじたばたしている。
こういう所はゲーム内と変わらないんだよなぁこいつ。
子供っぽいんだけど、それが可愛らしさとしてうざったく感じないんだ。
「ふぅー・・・よし。覚悟は出来ました。ここが死に場所です」
「死んだらうちの墓に入ってほしいけどな」
「」(チーン
あれなんかミスったか俺。
「え、どうする?おぶる?」
「アルキマス」
「そうか。とりあえず昼なんだけど、良く行く喫茶店あるからそこで良いか?甘いものも多いし」
「ナンデモイイデス」
また喋りがおかしくなったマナの手を引き目的地へ。
そこはダンジョンの帰りに時々寄ることもある行きつけの喫茶店だ。
というか前に真昼達と行ったところだな。
あそこなら大盛メニューもあるし、俺でもある程度は満足できるだろう。
「あ、あの・・・蒼?」
「ん?どうした?」
「いえ、その・・・手・・・」
「ああ・・・こっちの方が良かったか?」
「蒼って実はギャルゲーの中から出てきてたりします??」
「どうせなら世紀末世界に行きたいかも」
「違うそうじゃない」
ふむ?いわゆる恋人つなぎはお気に召さないか。
あ、もしかしていきなり繋がれたのが嫌だった?
そう思って手を離すと
「あ・・・」
ちょっと寂しそうな声と共にマナは俺の手を目で追う。
それを見るとこうして手放してしまうのが惜しいと思ってしまう。
「ほら。繋ぐか?」
「あ・・・うん//」
「しおらしいな。そういうのも可愛いな」
「う、うるさいですよ///」
マナは表情が動かない。
だけどずっとこいつといたから分かる。
間違いなく、今マナは笑顔になってくれていると。
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