第三十一話
まぁその時にあるかと言われたら分からないけど、開発は戦前なんで0では無いのかなと。なので出してみた。
北条のやり方に島津少将らがドン引きしつつも西の方へ転じる。大和を攻略した葛城ら海軍陸戦隊は主力を廃城になっていた河内国飯盛山城を居城としていた。飯盛山城はかつて三好長慶も居城にしていた山城であり京や堺等に進出するのも容易い地域であった。また、城の後方にある山間に簡易のため池を増設し籠城時の水不足を担う予定になっている。なお、飯盛山城は堀を三重にしたりと難攻不落の城になっていたりする。(松永久秀も協力したりしているので)
「此処は畿内をしっかりと抑えるべきです」
そう主張するのは参謀役の水姫之である。和将ら海軍陸戦隊は近江、京(山城)、河内、大和を抑えてはいるがまだ堺がいる和泉や摂津は抑えてはいない。堺は此方側ではあるものの、四国に逃げた三好三人衆がいつ畿内に乗り込んでくるのかは分からない。乗り込んで来たらまた堺は敵に回る可能性もあったのだ。
「水姫之殿の意見には賛成です。此方はしっかりと足場を固める必要があります」
「左様。無理に四国を渡る必要はありませぬな」
水姫之の主張に同じく参謀衆である竹中半兵衛や松永久秀も頷く。
「ん。ならどうする?」
「紀伊を攻めましょう。雑賀衆や根来衆を味方につけるべきです。特に雑賀や根来にはドライゼ銃を渡せば此方に靡く筈です」
「成る程」
半兵衛の言葉に和将は頷く。紀伊は山間が多い土地ながら独立した者達は多かったが主力は雑賀や根来である。なお、今は河内の守護大名であった畠山高政が逃げ込んでいたりしている。
「それに雑賀や根来を此方に靡かせば本願寺の戦力低下にもなります」
「フム……万が一、本願寺が敵に回ればか……分かった。紀伊攻略にしよう。先に書状で両衆を調略だな」
「はい」
かくして陸戦隊は動き出す。後方支援として今浜に拠点を構える丹羽長秀が5000の兵力を出し、河内と大和からそれぞれ6000ずつの兵力と松永久秀と三好義継が参戦、陸戦隊も4個警備中隊と陸戦隊の独立混成戦車隊を基幹としつつ3個混成砲兵中隊を出す。なお、尾張と美濃、三河は前回出撃したので今回は待機としたのである。
「フム……今、何かと話題の葛城家ならぬ日の本の軍か……」
紀伊国雑賀荘にて雑賀衆の頭領である鈴木重秀(通称孫一)は葛城家からの書状を読んでいた。
「どうする重秀? 儂としては葛城家の種子島には非常に興味があるが……」
「アホ抜かせ。それは儂もじゃ」
土橋胤継(守重)の言葉に重秀はカラカラと笑う。書状の中には協力してくれるなら葛城家の小銃を譲渡する等記載されていたのだ。
「本願寺も葛城家には協力はしているし会うだけ会っても良いかもしれぬな」
「だな。根来も会うだけ会うと言っているし協力してくれたらいらない独立衆を仕分けするって記載してるしな」
なお、熊野水軍は殲滅されるらしい(陸戦隊曰く「うちの海軍に勝てる奴はいない」)
そして雑賀と根来は取り敢えず会うだけ会うと取り付けて飯盛山城で和将らと会談を行うのであるが……種子島——改良型ドライゼ銃を実際に試射をして完全に葛城家に味方するのを決めたのである。
「いや、この種子島は凄い……」
「そりゃあ三好家とかがボロ負けするのは当たり前だな」
重秀の言葉に胤継は元より根来衆から派遣されていた杉谷善住坊も頷く。なお、杉谷はその腕前から陸戦隊の狙撃隊を後々に率いる事になる。結果的に雑賀と根来が葛城家に味方した事で紀伊攻略は一気に進み出す事になり逃走していた畠山高政とその一族は捕縛され、男子は頭を丸めて叡山に放り込まれ女子も尼寺に放り込まれるのであり戦国大名の畠山尾州家は滅亡する事になる。また、紀伊攻略の過程で高野山等は抵抗したが結局はその力を弱める事になる。
他にも堀内氏や山本氏等葛城家に早期降伏しなかった家は滅ぼされ早期降伏した湯河氏や遊佐玉置氏等は生かされ雑賀や根来の配下に組み込まれる事になる。
なお、紀伊は天領という形であったが事務的な手配や事務処理は葛城家が代行する形になった。
「おぉい五兵衛。そっちの田はどうじゃ?」
「あぁ、まずまずじゃな。農具も新しい『河内鍬』にしてるからの。平鍬よりも使い勝手は良いわ、真に葛城様は神様じゃよ」
1566年(永禄9年)春、河内国は元より他の国の農民達は田起こしをしていたが河内国や大和国の農民達は葛城家から提供された農具を使用していた。それが『河内鍬』や千歯こきや唐箕等である。陸戦隊や陸軍にも元は農民や農家の次男坊、三男坊がいるのでそれらの指導の下で開発されテストとして河内国と大和国で使用されている。運用が良ければ尾張や三河等でも順次提供される手筈になっていた。
「それに葛城様から提供されたイネの苗も凄いもんじゃ。あれで去年は豊作だらけじゃったからの」
「ムギもそうじゃの」
葛城家から提供されたイネの苗やムギを使用する。当初は怪しまれたが不作であれば銭での補償は行うとの取り決めで2年もやっているが2年とも豊作である。
これは相良基地の田畑で栽培されていた水稲農林1号と小麦農林10号であった。相良基地でも自給自足の生活を第一とされており農家や農家の次男、三男坊を教官にして田畑の栽培をしていたのだが田畑を管理する陸軍の間宮曹長からの具申で農林1号と農林10号を提供する事にしたのだ。
「少なくとも、この両種を使用すれば石高は倍増するのは間違いありません。他の同盟国にも提供すべきです」
間宮曹長は農業関係の職をしていたので説得力はあり、島津少将は元より和将も了承して手始めに河内国と大和国での栽培を開始したのだ。これも軌道に乗れば尾張や三河でも栽培を開始されるのである。なお、三河は木綿の栽培と生産も行われるがこれは重要である。
ちなみに河内と大和は豊作だった事で更に田畑の増設に繋がり両国合わせて18万石の増加になるのである。(ちなみに3万石程は帝と朝廷にお裾分けしている)
「葛城様々じゃな」
「ほんまそれじゃな」
五兵衛らはそう言って農作業を行うのである。そして農民達から崇められている葛城家基い、陸戦隊はというと飯盛山城にて軍儀を行っていた。
「越前の朝倉にも農林1号を提供する予定だが……まずは九頭竜川の治水だな」
「越前を治めるには九頭竜川の治水が必須ですからな」
「光秀殿、お詳しいようですな」
「以前に朝倉家で厄介になっておりましたので……義景殿は九頭竜川の治水を主にしますが……北からの侵略が多いもので……」
「……一向衆はなぁ……」
光秀の言葉に和将らは頷く。和将達も10年をかけて一向衆とは戦いたくもない。幸いにも本願寺の顕如らは分かっている立場なので加賀と長島に関しては陸戦隊や陸軍に任せると誓詞を渡していたりする。
「隊長、此処は朝倉を支援しては如何ですか? 加賀の一向衆が片付けば朝倉もとやかくは言わないです」
「そうなるともう1個中隊欲しいな。一益の第6警備中隊は編成中だし2個警備大隊として運用出来るなら今浜で待機させても良いかもしれん」
「……上陸の訓練とかは中止させます?」
「陸戦隊の仕事だから駄目だろ。陸戦隊は邦人の保護も兼ねているんだから」
流石にそこは譲れない和将である。
「……大阪を艦艇停泊の拠点にはしたいがな」
「まずは相良港での造船所が完成しないと駄目ですね。ですが大阪に造船所を作るのは賛成です」
和将の言葉に水姫之は賛成の立場に回るのである。
「そうなると余計に本願寺が邪魔になりますね(早く山科に分けてやらないと……)」
何やら腹黒い一案を考える水姫之である。それはさておき、四国に逃げた三好三人衆は反撃の機会を狙ってはいた。この時、細川信元(細川昭元)を大将に担ぐ計画であったか信元はそれを拒否して直ぐ様葛城に駆け込んで降伏していたりする。
「泥舟に乗るより普通の舟に乗っていた方が良いに決まっている」
駆け込んで降伏した理由を聞かれた信元はそう答えるのであった。それはさておき、葛城家も四国の足掛かりにするか悩むところであった。
「ブレにブレる……日本軍の悪いところだな」
「悪しき伝統ですかねぇ」
「だが実際に……軍としては動けるのか?」
和将の言葉に水原大尉達は姿勢を正す。
「警備大隊はいつでも動けます」
「戦車隊や混成戦車大隊もです」
「尾張混成旅団も先遣として2500は出せます」
「美濃混成旅団も同じくです」
「三河混成旅団は木綿の栽培が……それでも700は出せます」
「………むぅ…………」
水原大尉達からの報告に和将は頭をポリポリとかく。此処で急かしては失敗するとは歴史が証明していた。
「……よしッ。此処は原点に帰ろう」
「……となると畿内での足場を固める……ですか?」
「あぁ。但し……淡路は取りたいな」
「……成る程。瀬戸内への道と四国への道ですか」
「あぁ。村上水軍がいるけどうちには海軍があるからな。それと兵力も増やそう、ちょっと考えてる作戦があるからな」
「考えてる作戦ですか?」
「あぁ……北九州への上陸だな」
『ッ!?』
和将の言葉に水姫之達は目を見開くのであった。
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