閑話その1
此方では久しぶりになります。
しげぞう氏のを見て受信したので
【戦力の増強】
「小銃の生産はどうなっている?」
「ドライゼ銃を主として生産は行っています。岐阜城内の簡易工廠では毎月ドライゼ銃40丁ずつ生産しています。他にもスナイドル銃は毎月10丁ずつの生産です」
「スナイドル銃は信管が厄介だとは聞いていたが?」
「相良基地の弾薬工廠の中にスナイドル銃の信管も生産するようになっていたようです。今はドライゼ銃を優先して生産していますが信管や薬莢が揃い次第、スナイドル銃に置き換えても良いかもしれません」
岐阜城にて和将達西部方面派遣軍は軍儀は行っていた。
「水原殿、すないどるとは何でござりましょう?」
「あぁ、今各隊で使用しているドライゼ銃の後にイギリス……漢字だと英国か、その国で発明された小銃の事だよ」
「成る程……」
水原大尉の隣では編成完結したばかりの第4警備中隊中隊長の斎藤龍興がスナイドル銃の話を聞いていた。生意気だった鼻垂れ小僧の龍興は帝国陸軍式の大和魂を叩き込まれ今では髷を切り落として帝国陸軍式の思想になっていたりする。
「長四斤山砲の生産は?」
「毎月4門、1個小隊規模の生産です。小銃を優先していますので」
「まぁそんなところか。次」
「農業部門ですが、養鶏や養豚等が起動に乗り始めました。上手くすれば来年度からは3日に1日は肉や卵がタップリと喰えます」
「そいつは重畳だな」
農業部門の今中曹長の言葉に和将は頷く。
「以前の議題に上がった肥料はどうなった?」
「当面は草木灰や緑肥に魚粕、干鰯、籾殻燻炭等を利用するように通達していますが……やはり昔からの下肥を行う者は大量にいます」
「寄生虫の回虫がいるから出来ればやめたいのだがな……」
「区分けをすれば良いかもしれません」
「区分け?」
「はい。回虫は下肥を肥料に栽培した野菜類を漬物にした生食していたのが原因です。なら野菜類を草木灰等に切り替えれば回虫の寄生も減る筈です」
「成る程」
「また、下肥を加熱処理すれば回虫も死滅する筈なので飴と鞭でやるべきかと思います」
「フム……それでやるか」
川崎軍医の具申に和将はそう頷くのであった。
「嗜好品ですが……タバコはかなり無理があります」
「と言うと?」
「タバコの種子や刻みタバコは今のところは南蛮人からの輸入で補い、部下に渡せますが紙巻きタバコになると紙の生産もありますので日常茶飯事にタバコを吸うのはかなりの無理があります」
「ムゥ……なるべく部下達の嗜好品はとやかくは言わないつもりだが……タバコの禁止や使用制限も視野に入れないというわけか」
「はい。ただ、紙巻きタバコを禁止にしてパイプタバコや煙管に切り替えるだけでも大分不満は和らぐと思われます」
「成る程。今中曹長、その方向で宜しく頼む」
「分かりました」
「軍の編成についてはどうなった?」
「それについては自分が」
そう言ってきたのは水姫之であった。
「警備中隊については第4警備中隊が編成完結。中隊長には斎藤龍興殿が就任しています」
「一生懸命奮闘します」
「ん、期待しているぞ龍興」
「ハハッ」
和将の言葉に龍興は頭を下げる。
「続いて第5警備中隊、中隊長はまだ不在ですが編成完結しています」
「中隊長は見つかったか?」
「は、一人おります……光秀殿」
「はっ」
そう言って入ってきたのは元織田家家臣の明智十兵衛光秀であった。
「光秀殿は元々は種子島の名手であり鉄砲に関しても熟知しています。隊長が良ければ第5警備中隊長として就任して頂きたいと思います」
「成る程……皆はどうか?」
和将は周囲に視線を向けると水原大尉達も特に問題は無かった。まぁしかしながら彼等の心には謀反するのでは無いかと思われていたがそもそも要因になるべきの信長は既にこの世にはいないので取り敢えずは問題無しとされたのだ。
「分かった。なら光秀殿は明日から第5警備中隊長としてやってもらう」
「ハハッ、有り難い幸せ」
和将の言葉に光秀は頭を下げる。光秀自身も陸戦隊等が保有する小銃には興味があったし渡りに船だった事もある。なお、光秀の家臣や一族の者達も第5警備中隊入りをし鉄砲の技術を磨くのであった。
「それで第6警備中隊の中隊長はどうする? まだ決まっていないのだろ?」
「はい。有力候補としては滝川一益殿を予定しています」
「成る程、滝川一益か……滝川殿が了承するならそれでいこう」
「はいッ」
後に滝川も数日後には警備中隊入りをし方面派遣軍はその戦力を増強する事になる。
海軍陸戦隊
隊長 葛城和将少佐
第334独立混成警備大隊(基幹3個中隊)
・第1警備中隊
中隊長 水原大尉
(主力小銃 改良ドライゼ銃)
・第2警備中隊
中隊長 宮島大尉
(主力小銃 改良ドライゼ銃)
・第3警備中隊
中隊長 青羽大尉
(主力小銃 改良ドライゼ銃)
・第4警備中隊
中隊長 斎藤龍興
(主力小銃 改良ドライゼ銃)
・第5警備中隊
中隊長 明智光秀
(主力小銃 改良ドライゼ銃)
・臨時混成大隊砲第1中隊
(97式曲射歩兵砲×4)
・臨時混成大隊砲第2中隊
(青銅製固定式曲射歩兵砲×4)
・臨時混成大隊砲第3中隊
(青銅製固定式曲射歩兵砲×4)
第334独立混成戦車隊(基幹二個中隊)
・第1中隊(短12サンチ自走砲)×4
・第2中隊(92式重装甲車)×11
第334独立戦車混成大隊派遣隊
・第2中隊(97式中戦車×13・95式軽戦車×1)
・第5中隊(97式軽装甲車及び92式重装甲車×10両)
第334独立混成砲兵大隊派遣隊
・第1中隊(長四斤山砲×4)
・第2中隊(同上)
・第3中隊(同上)
・第4中隊(同上)
・第5中隊(同上)
尾張混成旅団
指揮官 織田信包
三河混成旅団
指揮官 本多忠勝
美濃混成旅団
指揮官 安藤守就(西美濃三人衆)
編成及び錬成途中部隊(西部方面)
警備中隊
・第6警備中隊
中隊長 滝川一益
(主力小銃 ド改良ライゼ銃)
大隊砲中隊
・第4中隊
(青銅製固定式曲射歩兵砲×4)
砲兵大隊
・第6中隊(長四斤山砲×4)
・第7中隊(同上)
【嫁達の会話】
「市、農。身体に大事は無いか?」
「これは虎姫様」
ある日の昼下がり、虎姫は勇姫と映姫を伴い第二子が生まれた農姫と市姫の見舞いに来た。
「赤子もそうだが、二人の身体も大事だ。無理は致すな」
「ありがとうございます虎姫様」
虎姫の言葉に農姫と市姫は頭を下げる。なお、二人もそうだが、葛城家の方針としては正室や側室も子の育成は乳母らと共に行う事になっている。
「可愛いモノだな」
農姫の赤子を見る勇姫は微笑む。貴族から大名の側室になったが虎姫に影響され今では鶏肉や卵、豚肉等を食しながら薙刀や槍を持ち、前線を走り回る存在になっていたりする。
が、勇姫も映姫も和将の子を孕んでいるのでさもありなんである。対して映姫は武は無いものの読み書きや算盤、和歌等、文としての知識を日本軍に共有させたりしていた。また、映姫自身も今川仮名目録等の分国法にも興味を持ちそれを聞いた和将が映姫に大日本帝国憲法等を教えたりして更なる興味を湧かせたりしている。
「我等女は殿の血を残す事が務め……だが和将殿や日本軍は違いますね」
「不思議な男ではあるが……それ故に強き男でもあるな」
農姫の言葉に虎姫はクックックと苦笑するのである。それに釣られて農姫や勇姫達も笑うのである。なお、和将は松永久秀から『黄素妙論』の写しを貰っていたりする。
「殿、男女の秘訣はヤる事にございますぞ」
「……何か済まん」
笑みを浮かべる久秀に和将は苦笑するしかなかったのである。
【相良港】
相良基地から離れて海側、簡易ながらも相良港はあった。(今の相良シーサイドパーク付近)しかし、これは小舟等の港であるため島津司令は転移してきた艦船の為に本格的な港の建設に乗り出した。
幸いにも相良基地には基地建設と陣地構築の為に約7000トンのセメントが備蓄していたのでこれを活用した。一先ずは防波堤が無ければ何も出来ないので付近の住民等に協力を要請して巨石等を掘り出して沖合に沈めて防波堤を作るのである。
徴兵された兵士の中にも建設関係の技術者がいた事もあり一つずつ建設していく事になるのである。
「防波堤が出来たら簡易ドッグは欲しいですな。船底にフジツボや牡蠣が付きますし付けたままだと速度も上がりませんからな」
第『二十四号』掃海艇艇長の山崎予備大尉は建設されている防波堤を見ながらそう呟く。
「それに燃料の重油はちょっとずつ相良から輸送されますが石炭は中々無いですからねぇ」
「陸戦隊の葛城少佐が堺を通して九州から輸入するようにしてるようだよ。多分、もうすぐじゃないかな」
副長の言葉に山崎予備大尉はそう答える。戦国の世に炭鉱は中々無い。取り敢えずは九州から輸入を続けるしかないのだ。なお、島津司令らは常磐炭田(福島県双葉郡〜茨城県日立市)を手に入れたい所存である。
「まぁ腹を満たせれば我々の活躍は出来るって事だな」
そう言う山崎予備大尉であった。
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