表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
115/118

蛇は高笑う

「ここへ入れておけ」


 そう何者かが言い、乱暴に体を突き飛ばされる。目隠しされ、両手足を縛られていて受け身を取れず、地面に強く打ち付けた。


「………っ!」


 痛みが体を走ったが、声をあげないようにする。カチャリと鍵がかけられた音。


 しばらく意識が落ち、闇の中で何が起きていたのかわからなかった。意識を取り戻した時には馬車に揺られていたのだ。しかし、予想はつく。


「ウィルバート様、大丈夫ですか?意識はありますか?」


 セオドアも一緒に連れてこられたのか。


「ああ……しかし動くなよ。おまえは意識がないふりをしてろ。これは命令だ。首謀者が来るぞ」


 外から足音がする。ブーツの音だ。セオドアは言われたとおりに寝転がり、まだ意識がないふりをした。


 ギイッとドアが開いて、カビ臭い部屋に明かりと空気が入る。


「エキドナ公爵……」


 ニヤリと細めた目、薄い唇は蛇のようだ。ゾッとする。優しい雰囲気はもう微塵もない。今では、あれは演技だとわかっている。幼い頃、裏切られたのだと気づいた時はかなりショックだったが……。


「さて、長く預けておいた王座を返してもらう時が来たようだ」


「王座はエキドナ公爵の物ではない」


「王家の血を濃く次いでいるのはエキドナ公爵家であり、おまえではない。平民の母親から産まれたおまえが玉座に座るなどと図々しいにもほどがある」


「やっと本音を言ったな」


 仮面が剥がれたエキドナ公爵はアーハハハッと高笑いをする。


「もうくだらない演技など必要ない!おまえはここで餓死でもして、死んでいくがいい!」


「ここは……どこだ?」


「知ったところでどうする?あの王妃が助けにくるか?まあ、その前に男爵の身分で商人風情の家柄の娘は始末する。おまえの母親と同じ方法にしようか?それとも心配する王妃にウィルバードの居場所を教えると言って毒蛇の巣に叩き込んでやろうか?」


「させるか!」


 挑発だとわかっているのに、その言葉だけでカッとなり、思わず立ち上がってエキドナ公爵に体当たりしようとしたが、避けられ、床に転倒する。ならば魔法で……と思ったが、それより早く、オレの顎をブーツの先で蹴飛ばした。グッ………と声をあげかけて出さないように唇を噛み締めた。続けざまに腹に蹴りを入れられる。


 痛みで意識が遠のきそうになる。まずいリアンの方へ行ってはだめだ!リアン逃げてくれ!どうか……安全な………ところへ……。


 リアン……と呟いた声は消えた。意識が落ちてゆく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ