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 どうやら、おばあちゃんはお父さんの肩を持つつもりはないみたいだった。


 おばあちゃんからしたら、お父さんは可愛い息子だから、たとえお父さんが悪くてもお父さんの肩を持ちたくなるところだろうけど、おばあちゃんは悪いことは悪いとちゃんと言えるタイプの人なのだろう。


 別に悪い人じゃないのに、お母さんと折り合いが悪かったのが不思議で、女同士って面倒臭いなとつくづく思った。


「お父さんって言えばさ、お金に困ってたりしなかった?」


 私はこの間お兄ちゃんと立てた仮説が正しいか確かめるべく、おばあちゃんにそう訊いた。


 もしお母さんと結婚してからお父さんの金遣いが荒くなったとしたら、家計を別にしているおばあちゃん達は気付き難いだろうけど、お金にだらしのない人ならまず家族や友達にお金を借りようとするだろうし、何か思い当たる節があってもおかしくない。


「どうかな? お父さん、おばあちゃん達にお金を借りに来たりしたことあった?」


 おばあちゃんは私の質問に訝しげに眉を寄せたけど、それでもちゃんと答えてくれた。


「特にそういうことはなかったわよ。子供の頃からお小遣いの前借りもしたことなかったし、ちゃんと収入の範囲内でやりくりできる子だったと思うわ。日和ちゃんももうすぐ小学校に入るから、家も手狭になってきたし、近い内に家を買うつもりだとは話してたけど、頭金が用意できなくて困ってる様子もなかったし……」


 家を買う頭金の額がどれくらいかなんて、まだ高校生の私にはよくわからないけど、多分数百万は払うだろう。


 仮にお父さんとお母さんで三百万を折半することになっていたとしたら、お父さんは百五十万程出す訳で、それだけの額をちゃんと自分で用意できるなら、堅実に貯金をしていたに違いない。


 お父さんの金遣いが荒いということはなさそうだった。


 もしかしたら、詐欺に遭ったとか、何らかの理由で大金を失くしてしまって、その穴埋めのためにあの『毛倡妓』にお金を借りたのかも知れないけど。






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