20/126
―20―
私は花やしきに再入園して、少しだけお化け屋敷以外のアトラクションを楽しんでから、家に帰ることにした。
私の家は神奈川県の中でも田舎寄りの所にあるけど、近くには保育園・幼稚園は勿論、小・中・高校、お母さんが勤める病院の他に、大きなショッピングモールまであって、割と暮らし易い。
私は十七時過ぎに最寄り駅に着くと、そのまま真っ直ぐ家に向かった。
私の家は最寄り駅から歩いて十分くらいの所にある、分譲マンションの中にある。
大して広い家でもないけど、3LDKで一人一部屋はあるし、日当たりもいいから、特に不自由はなかった。
駅を出て、バスが走る通りを外れると、お店はほとんどなくなって、マンションやアパートが並ぶ住宅街が広がる。
どこかで見たような町並みを作るマンションの一つ――レンガタイルが一面に貼られたそれの四階の一室が私の家だった。
家に帰り着いた私が鍵を開けて中に入ると、四角い灰色のタイルが敷き詰められた狭い玄関が目に飛び込んでくる。
天井まで届く大きくて白い下駄箱や、三本の傘が並んだ傘立てを横目にスニーカーを脱いだ私は、短い廊下を歩き出した。
家の中はてっきり蒸し風呂みたいな暑さだとばかり思っていたけど、思ったより涼しい。
多分お兄ちゃんが帰って来ているのだろう。




